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「大きなもの」に抗い、「小さきもの」を讃えるコム デ ギャルソン

2025年秋冬コレクション

コム デ ギャルソン 2025年秋冬コレクション

コム デ ギャルソン 2025年秋冬コレクション

Image by: FASHIONSNAP(Koji Hirano)

コム デ ギャルソン 2025年秋冬コレクション

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「大きなもの」に抗い、「小さきもの」を讃えるコム デ ギャルソン

2025年秋冬コレクション

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「コム デ ギャルソン(Comme des Garçons)」の2025年秋冬コレクションが、国際女性デーでもある3月8日に発表された。ブルガリアの女性民謡歌手たちの力強い合唱が空気を震わせる中、デザイナー川久保玲のメッセージが、アンリアルで異形な服を通して届けられた。

 「SMALLER IS STRONGER」をテーマとした今シーズンのショーノートには、「グローバルなカルチャー、システムといった大きな波に飲み込まれて何も感じなくなる現代。その中にあって、どんなに小さくても新しいことを見つけてやるべきだという思いで服を作った。小さくても光っているものがあり、小さなことにも強い価値があり、力になりうると思う。今まで作ってきた服の中で、自分の芯の部分、本当に作りたい強いものを作ろうと取り組んだ。その気持ちをいつもの素材を使用し、あまり大袈裟にせずに表現しました」と、コレクションに関して普段はごくわずかしか言葉を発しない川久保にしては、少し雄弁とも言えるメッセージが添えられた。このテーマは、さまざまなメタファーとして服に落とし込まれる。

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 ファーストルックは、テーラードジャケットの形を基にしつつ、ボンディングで張りを持たせ、波打つポストモダンの彫刻のような造形を描く。ピンストライプやプリンス・オブ・ウェールズ・チェックといった、クラシックな紳士服に用いられる生地は、川久保が対立する「大きなもの」の象徴だろう。うごめくように肥大と膨張をし、裏地(内部)が露わになっている。所々に見られるくぼみは、欠落を暗示するのだろうか。

Image by: FASHIONSNAP(Koji Hirano)

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 立体的なジオメトリックはポリゴンを思わせ、歪みや非対称性が不穏な雰囲気を醸し出す。「ドレスが何層にも重なったドレス」は、コンピューターのエラーによるポップアップウィンドウの乱立か、あるいは安直なコピー&ペーストのリピートへの揶揄か。

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 後半では、ストーリーが一転。白黒のチェック柄のドレスからは朱色のフリルが噴き出し、 パンクの象徴でもあるタータンチェックの裂け目から煌めくレースが現れ、人工の花々が縫い付けられている。あるドレスの裏地には、オーガンザの鮮やかな花柄が覗く。くり抜かれたジャケットからは、結ばれたストライプの生地がはみ出す。内部が膨らみ、こぶのように形作られる。ラストルックのモデルは、引きずるほどに長いチュールのフリルを両手で広げながら歩いた。

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 川久保玲とエイドリアン・ジョフィ(Adrian Joffe)が手がける「ドーバー ストリート マーケット」は、世界のどの店舗よりも早く才能ある若手の服を買い付け、バイイングによる経済的な援助だけではなく、ブランドを象徴する強いルックを購入することで、その存在を世界へと押し出す役割を果たしている。また、ERLやオリー・シンダー(Olly Shinder)といったアウトサイダー的ブランドへの継続的な支援を通じ、インキュベーションセンターとしての機能も担う。さらに、インディペンデントな雑誌やアーティストの作品の発表の場として、ドーバーの店舗スペースは貸し出される。「小さきものは、強くなれる」という今回の川久保のメッセージは、支援と協業を通し、これまでずっと体現されてきたことでもあるのだ。

COMME des GARÇONS 2025年秋冬

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COMME des GARÇONS 2025年秋冬コレクション

2025 AUTUMN WINTERファッションショー

エディター / ライター / プロデューサー

上岡 巧

KO UEOKA

1993年生まれ、東京出身。早稲田大学社会科学部卒業。メンズファッション誌『Them magazine』編集部を経て、2022年に独立。ロンドン生活の後、現在はパリに拠点を移し、フリーランスとして活動する。

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