デザイナー大江マイケル仁が手掛ける「コグノーメン(COGNOMEN)」が、ブランドとして2度目のランウェイショーを開催し、2024年春夏コレクションを発表した。ショーのスタイリングは、先シーズンに引き続き米津玄師の楽曲「KICK BACK」のミュージックビデオでスタイリストを務めたshohei kashimaが担当した。
コグノーメンは、文化服装学院を卒業後、国内ファッションブランドで経験を積んだ大江が2020年にスタート。日英のハーフである大江自身のルーツの一つ「イギリス」と幼少期から夢中になって打ち込んだという「サッカー」の要素を落とし込んだストリートウェアを展開している。ブランド名でもあり、コンセプトでもある「COGNOMEN」はラテン語で「愛称(ニックネーム)」を指す言葉で、愛称をつけてもらえるような親しみあるブランドを目指すという考えに由来している。
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2度目のランウェイショーの舞台は、大井ホッケー競技場。初のショーを秩父宮ラグビー場で開催した際は客席の通路が会場となったが、今回はコートの上をモデルが歩いた。観客とモデルの間に距離を作ったことに関してデザイナーの大江は「サッカーの試合が終わって選手が整列しているとき、遠目から見ることで様々な人種や特徴の人たちがいることに気付く。今回はコレクションの多様性を俯瞰して見ていただきたかった」と演出の意図を説明した。
Image by: FASHIONSNAP
コレクションでは、2002年に日韓で初めて共同開催された「FIFAワールドカップ」をデザインソースに製作したアイテムを披露。試合後に両チームの選手がロッカールームに向かって入り乱れる場面から着想を得て製作した異なるカラーストライプのニットや、選手が別のプレーヤーのユニフォームを着てプレイする際のルーズフィットをインスピレーションソースにした立ち襟のオーバーサイズシャツ、試合中に唯一フォーマルスタイルを許される監督をモチーフにしたスーツなどをラインナップした。「2023年秋冬コレクションのショーでは勝利に向かって戦う情景を表現したが、今回のショーでは試合後のサッカー選手の様子を表現したかった」(大江)という理由で、全てのモデルはスパイクやスニーカーではなくサンダルを着用した。
フィナーレでは、大江とモデルたちが手を繋いで入場。試合の勝利を祝うように客席に向かって一礼した。
コグノーメンは、2024年春夏コレクションでブランドとして2度目となるパリでの展示会を開催。先シーズンと比べオーダー数も増え、取引先は拡大しているという。「2024年春夏シーズンの展示会では、アメリカ、イタリア、中国、フランスなど多くの国のバイヤーからオーダーをいただいた。ブランドとして目指している『無国籍感』を打ち出せていると思うので、今後も更に多くの国に展開できるよう尽力したい」と意気込みを語った。
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