Image by: CHANEL
1月28日に発表された「シャネル(CHANEL)」の2025年春夏オートクチュールコレクションは、伝統と革新のバランスを探るものだった。メゾンの象徴的なエレメントを活かしながら、軽やかさ、柔らかさ、そして若々しさでコレクションを満たした。
恒例となる会場のグラン・パレの中央には、ダブルCのインフィニティシンボルを描いたランウェイが出現。今年、シャネルがオートクチュール事業を始めて110年となり、ブランドの歴史と継続する創造性を視覚的に表した。
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黒や白、ベージュといった落ち着いた色彩が今季全体の主流となる中で、シャネルは鮮やかなカラーリングを押し出し、トレンドに対する独自のアプローチを見せた。カラーパレットは1日の時間の移ろいを思わせる構成となっており、白から始まり、パステルカラー、ヴィヴィッドカラーを経て、ミッドナイトブルーから黒へと移行する。さまざまなトーンの虹のような色彩が、白いランウェイを彩った。
シャネルならではのツイードは、多彩なバリエーションで提案。サンシャインイエローのツイードスーツやライラックのツイードドレスなど豊かな発色が特徴で、時折登場するヴィヴィッドなサテンのライニングが生み出す、色彩の質感のコントラストが効果的に用いられている。重たくなりがちなツイードに、シフォンやサテンを組み合わせていくことで、コレクションに流動性と軽さをもたらしていく。ショーのフィナーレを飾った、モデルのルル・テニー(Lulu Tenney)がまとうマリエには、そのバランス感覚の全てが結実していた。
シャネルは新たなクリエイティブ・ディレクターとしてマチュー・ブレイジー(Matthieu Blazy)を迎え入れ、秋にはそのデビューコレクションが発表される予定だ。今回はデザインチームによる発表だったため、強いメッセージが発信されることはなかったものの、アトリエの技術力と体制の安定感は改めて示された。マチューを迎え入れ、新しい方向へと進む準備はできている。シャネルの永続性は揺るぎないようだ。
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