高橋悠介が手掛ける「CFCL」が9月26日、2024春夏シーズンにあたるVOL.7コレクションをパリで発表した。ショー形式のプレゼンテーションで、会場はパレ・ド・トーキョー。天窓から自然光が入る気持ちのよい空間へ足を踏み入れると、ベルリン在住のアーティスト三家俊彦によるアルミニウムの植物のアート作品が煌めく。
また、ステージ中央に鎮座するタブラ奏者、KYURIによるアナログとデジタルを融合したアンビエント音楽が奏でられ、アート作品にリンクするようなシルバーグレーのニットウエアをまとったモデルが佇んでいた。
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シルバーカラーが紡ぐフューチャリスティックなムード
コレクションテーマは「Knit-ware New Land」。サウジアラビアに建設中のスマートシティ「THE LINE」からインスピレーションを受け、乾燥した広大な大地に降り注ぐ日差しのエネルギーと近未来的な最新テクノロジーを表現。バーチャルと現実の境界が曖昧になる中、過酷な環境で力強くも快適に暮らす人類の未来を想像したコレクションだ。
ファーストルックは、シルバーグレーのラメニットをコーディネートしたブラックのセットアップ。シルバーとブラックで構成されたルックが続き、その後、シルバーで統一されたルックへ。コレクションキーワードである、近未来的なムードが高まっていく。
自然が持つ複雑な色彩を表現したストライプ柄
続いては、乾いた大地に流れ落ちる滝をイメージしたというストライプのシリーズ。上から下へ向かってダイナミックに太くなっていく縞模様が印象的だ。歩くたびに風をはらむ、夏らしい軽やかなティアードドレスは、オーガニックコットンと再生ポリエステルをミックスした糸を用いることで、絶妙なボリューム感とドライな質感を生み出している。
続いて、菌糸のように枝分かれして広がり、見る角度によって異なる印象を与えるストライプのシリーズへ。淡いグリーンやピンクといったカラーリング、光に透けるマテリアルで、自然が持つ複雑な色彩を表現した。また、構築的なフィット&フレアのシルエットをシームレスで表現するなど、ブランドならではのテクニックも垣間見られる。
最先端技術と手仕事の融合
終盤の注目は、ファーストコレクションから発表している「POTTERY」シリーズ。最先端のプログラミング技術を使い、短時間で出力したニットドレスをベースとしつつ、65時間かけてミラーフィルムを手縫いしている。最先端技術と手仕事という、対照的な組み合わせへの挑戦は、「自分たちにとっての『NEW LAND』でもある」とデザイナーの高橋は語った。
スタイリングに用いられていたサングラスは、すべて999.9(フォーナインズ)とのコラボレーション。しなやかな一本線を描くようなフォルムは、一本の糸から編み出されるCFCLのニットウェアをイメージしているという。2024年春に発売予定となっている。
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