連載「なんでもメイクにしちゃえばいいんです」は、ビューティライターのAYANAさんと、FASHIONSNAPビューティエディターが、日常のあちこちにあるメイクインスピレーションについておしゃべり!好きな映画やファッション、アートをメイクの”遊び”として取り入れれば、何気ない日々も特別になるかも?そんな、自分だけの”LOVEメイク”をまとう楽しさのヒントをお届けします。第3回では、ヤマシタトモコさんの漫画『違国日記』の主人公をヒントにしたアイラインを紹介。
この連載では、好きなもの、素敵だなと思ったものを自分の解釈でメイクにして楽しんじゃおう!というマインドと、実際にどんなものをヒントにしたのかをお届けしていこうと思います。早速ですが、今回のヒントは何でしょうか?
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今回はヤマシタトモコさんの漫画『違国日記』をヒントにしてみようかなと。
ヤマシタトモコ『違国日記』(2017〜連載中、既刊9巻 祥伝社)
少女小説家 高代槙生(35)は姉夫婦の葬式で遺児の田汲朝(15)が親戚間をたらい回しにされているのを見過ごせず、勢いで引き取ることに。翌日には我に返り人見知りを発動するものの、”親戚だが他人”である朝との距離感に戸惑いながらともに生活を紡いでいく。
大人世代を中心に話題の作品ですよね。かく言う私も読者の一人です(笑)
登場人物を真似するようなメイクですか?
いわゆるコスプレとは違うんですけど、主人公の高代槙生(こうだいまきお:以下、槙生)の芯の強さを持ったかっこよさを、メイクに取り入れたいなと思ったんですよね。
おぉ〜。槙生って生活も精神も自立していて憧れちゃいます。でも、何でも完璧にこなすスーパーウーマンって訳ではなくて、ちょっと堕落していたり、弱さもある。
そんなところに愛おしさも感じてしまいます。
自分を持っているけど飄々(ひょうひょう)としたところもあって、心の内に渦巻いている感情もある。そういう複雑さを併せ持つからこそ魅力的に見えるのかも。
アイラインが似合いそうな目元も印象的だなと思うんです。そこで今回は、槙生の凛とした雰囲気をヒントにしたアイラインを楽しもうかなと。
槙生のキリッとした目元は印象的ですよね。
作者のヤマシタさんは槙生のヴィジュアルのイメージに、『エージェント・オブ・シールド』に登場するエージェント・メイのような、三白眼の女性を思い描いていたそうです。
そうですよね。槙生っぽいかっこよさをヒントに、アイラインのメイクを3つほど思いつきました。
ひとつ目がスモーキーカラーのリキッドライナーを使うパターン。
くすみ感のあるカラーは秋っぽさもあっていいですね。
槙生の目力って他人を威圧するようなものではなくて、「他人との境界線を意識してるからこそ、丁寧に見つめてる」というのかな。
そういう凛々しさと人間的な複雑さを、少し霞がかったようなスモーキーカラーのアイラインで演出してみます。
なるほど〜。ブラックでビシッと引いたアイラインよりも柔らかい雰囲気になりますが、輪郭は強調されるから程よくシャープな目元になりそうですね。
ラインの引き方のコツはありますか?
あまり目尻を跳ね上げず、フレームラインに沿ってまっすぐ引くときれいです。気分によって少しだけ角度をつけてもいいと思います。
目尻の延長でラインを引いて適度な影感が出るのは、スモーキーカラーのいいところですね。
2つめは、シャドウペンシルで引くアイライン。
アイライナーより少し太さのあるシャドウペンシルは、いろんなブランドから登場してますよね。色やパール感が綺麗なものがたくさんあって、アイカラー感覚で色を遊べます。
シャドウペンシルってぼかしてアイシャドウとしてまぶたに広げるのが王道の使い方だと思っていましたが、今回はアイラインに使うんですね。
アイライナーで引くときより、ラインの幅を少し太めにすると、色と質感をバランス良く楽しめると思います。
アイシャドウとしてふんわりと塗り広げてから、同じ色でアイラインも引くと、ナチュラルに引き締まった目元を演出できますよ。
私も凛とした雰囲気って憧れるんですけど、「元からこういうキャラクターなんです」ってくらい自然な感じで演出したいんですよね(笑)
シャドウペンシルを使ったアイラインはそのバランスが取りやすそうです!
強さはあるけど力んでない、っていうのは槙生にも感じますよね。
最後は極細のペンシルライナーを使って、影のニュアンスを取り入れたアイラインです。
最近は芯の強度や発色がちょうどいいペンシルが増えてますよね。ひとつ目のリキッドアイライナーとは違った使い方なんでしょうか。
イメージとしてはまつげの隙間を埋めるようにして、影を作っていく感じ。
ラインを伸ばしたり、太くしたりしなくても、自然な目力を出せるので、アイラインが苦手なひとにも試してみてもらいたいです。
自然と根本から太いまつげが生えてるみたいな仕上がりで、”盛ってない”のに”盛れてる”みたいな、不思議ですね!
このアイラインをする時は、マスカラを塗らずに引き算してみるのもいいと思います。
好みによってバランスを調整しやすいのもポイントです。
アイラインだけでもこんなにバリエーションがあるんですね。
今回は槙生の凛々しさと複雑さっていう”マインドコスプレ”メイクでしたけど、一般的なコスプレと違って極端な話毎日できちゃいますよね。
個人的には、少し気弱になっている日にこそ、「槙生みたいな精神で過ごしたい」って気持ちで目力が強めなアイラインを楽しみたいなと思いました!
漫画の読み方もメイクの取り入れ方も自由だけど、こういう楽しみ方もありますよね。
『違国日記』の次巻も待ち遠しい!
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★今回のビューティヒントアイテム★
①スモーキーカラーのリキッドライナー
②シャドウペンシル
③極細のペンシルライナー
コラム、エッセイ、インタビュー、ブランドカタログなど広く執筆。化粧品メーカー企画開発職の経験を活かし、ブランディングや商品開発にも関わる。2021年にエッセイ集「『美しい』のものさし」(双葉社)を上梓。文章講座EMOTIONAL WRITING METHOD(#エモ文)を主宰するほか、OSAJI メイクアップコレクションディレクターとしても活躍中。
(企画・編集:平原麻菜実)
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