
バンク 光本勇介代表
スタートトゥデイがM&Aし、その後同社からMBOしたことで話題を集めた「STORES.jp」運営会社のブラケット。その創業者の光本勇介氏が新しい会社「バンク(Bank, Inc)」を設立し、新サービス「キャッシュ(CASH)」を発表した。モノを瞬間的にキャッシュにする"オンライン質屋"とも言える同サービスは「壮大な社会実験」だという。金融業界未経験の光本氏の勝算は?
<新サービスの詳細>
"オンライン質屋"のような新サービス「キャッシュ」が登場、STORES.jp創業者が開発
■光本勇介
外資系広告代理店オグルヴィ・アンド・メイザー・ジャパンを経て、2008年にブラケット(Bracket)を設立。会員数約100万人を有するオンラインストア作成サービス「ストアーズ・ドット・ジェーピー(STORES.jp)」をはじめ、数々のインターネットサービスを展開した。2013年7月にスタートトゥデイが約6億円でブラケットを買収。3年後の2016年10月にスタートトゥデイから同社を光本氏がマネジメント・バイアウト(MBO)し、話題を集めた。新事業を立ち上げるため、代表者を取締役の塚原文奈に交代。自身は取締役会長となった。今年2月にバンク(Bank, Inc)を設立し、"オンライン版質屋"のような新サービス「キャッシュ(CASH)」を6月28日に開始した。
M&AからMBOまでの3年間で学んだこと
―2013年7月にスタートトゥデイがブラケットをM&Aしたことが注目を集めました。
前澤さんとは「STORES.jp」が生まれる前から交流を持たせて頂いているのですが、「STORES.jp」を出したタイミングで事業提携のお話を頂いたのがきっかけでした。ちょうどあの年は「Yahoo!ショッピング」が無料化を開始したり競合が出てきて、"第2のEC誕生元年"って呼ばれるくらいEC業界で新しい動きがあったんです。私たちは自己資本で動いていてあまりダイナミックな動きができなかったので「出資して頂いて一緒に事業をやるのはどうですか」という話をしたら、前澤さんから「そういう意向があるなら株式100%を買うので一緒にがっつりやらないか」と仰ってくださって。私が当時のブラケットの100%の株主だったので、話を頂いてから2日後には子会社化が決まっていましたね。「STORES.jp」以外の事業はこのタイミングですべて売却しました。
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―スタートトゥデイとは資本提携後、「ZOZOマーケット」と「ZOZOフリマ」を立ち上げましたね。これはブラケットが開発したのでしょうか?
「ゾゾマーケット(ZOZOMARKET)」に関しては私たちです。「ゾゾフリマ(ZOZO フリマ)」はスタートトゥデイ側がCtoCの領域も抑えておきたいという意向があったので、私たちが開発の部分を協力しました。
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―「ゾゾマーケット」は昨年9月に終了。
MBOを機にクローズしました。中の人しかアクセスできないようなシステムの連携もしていたので、これからコミュニケーションが取りにくくなる中で中途半端に残すよりも、閉じてしまってお互い他のものに集中した方が効率的だと考えました。
―影響はなかったのでしょうか?
もちろん一定の収入と規模はありましたが、他のビジネスと比べると良くも悪くも影響力があるわけではなかったですね。「ゾゾマーケット」に関しては完全に私たちありきで、むしろZOZOのトラフィックと看板を借りて勝手に運営していたので、グループから出ることが決まった時点で残すというチョイスはありませんでした。

―利用者からの反応は?
「ゾゾマーケット」はあくまで出店者の売り先の一つであって、基本的にはみなさん「STORES.jp」にオンラインストアを持って頂いているので、「ゾゾマーケット」がきっかけでオープンして頂いた方は引き続き私たちの利用者であり、今でも売り上げを立ててやってくださっています。利用者の方からも強いお声があったりだとか、問題が起こったことはありませんでした。
―「ゾゾフリマ」も6月30日にサービスが終了。資本提携で生まれたサービスが2つともなくなってしまいました。
寂しいですね。でも事業って全てうまくいくわけではなくて、チャレンジすることが重要だと思っています。そういった意味ではスタートトゥデイはすごくチャレンジしている会社。それを一緒にさせていただけたことは、両社にとって経験値になったんじゃないかなと思います。これらの経験からもいろいろなことを学ばせていただきました。
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―今、資本提携をどのように振り返りますか?
グループにジョインさせて頂いて確実に良かったです。「STORES.jp」に関してはスタートトゥデイに仲間入りしてから支援もしていただきながら事業規模が3年で大幅に伸びましたし、収益も利益も会員数もあらゆる数値が成長させることができました。
ただ、結果的に一番成長したのは「STORES.jp」単体の施策で、協業の施策は希望していたよりも大きく結果に出なかったのは心残りです。とはいえ、私たちはそこから得たものを活かして成長できている部分もあるので、後悔していたりとか悲しいということはないですね。

―前澤さんと一緒にお仕事をされて学んだことはありますか?
常にハングリーなところですかね。アパレルのフィールドで販売力も数字も持っていて、無視できない巨大なプラットフォームを担っている。あれだけの成長を遂げているにも関わらず、前澤さんの1ミリも満足せずに色々なことにチャレンジする姿勢にはすごく刺激を受けました。思い通りに行かない事や批判も受ける事もあるんですけど、アパレル業界の中で新しい仕組みや文化を作れるかを考え、それを実行している。それをやり抜く姿を近くで見させて頂いて多くのことを学ばせてもらいました。
―それが独立・新会社設立へのきっかけにもなった。
大きなきっかけになりましたね。たった10年でこれだけのサービスを作れるということを目の当たりにして、単純にすごいなというのと同時に、これだけのものが場合によっては10年で作れるんだということを知り、私も起業家の端くれとして自分の手でこれだけのものを作ってみたいなと思うようになりました。今36歳なんですけど、分かりやすい区切りでいうと40歳になった時に、人様に恥じぬような規模で話ができるビジネスをするためには、逆算すると今から動かないと間に合わないっていう観点で、40歳までの時間を使って新しいチャレンジをさせて欲しいと話をして卒業することになりました。
―前澤さんの反応は?
本当にありがたいことに、応援してくださいました。
―光本さんにとって前澤さんとは?
圧倒的に尊敬している経営者ですね。前澤さんの態度や考え方、ダイナミックなチャレンジをされる姿勢から学ぶ事があまりにも多かった。前澤さんはこの3年間、私の上司だったので、そういった意味で私の社会人人生の中ですごく刺激を受けて成長させてもらいました。インターネット業界だけでなく、日本を代表する経営者の一人だと思っています。
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