2月にミラノで開催された「ジョルジオ アルマーニ(GIORGIO ARMANI)」の2024年秋冬ウィメンズコレクション。このバックステージでメイクアップの指揮を執ったのが、グローバル メイクアップ アーティストに就任した上田裕美氏だ。コレクション「冬に咲き誇る花(WINTER FROWERS)」を、 モダンなひねりを加えた60年代の魅力を想起させるメイクアップで彩り、ランウェイを歩くモデルたちを華やかに演出し、来場したメディアやセレブリティらを魅了した。上田氏という人物について、そして今コレクションのメイクアップを振り返る。
上田裕美氏ってどんな人物?
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上田氏は大阪出身。1年間の英文学留学でロンドンに魅せられ、23歳でイギリスに移住。バックステージからファッションショーを見て、自分の情熱は美容にあることに気づき、すぐにウエストミンスター カレッジのメイクアップ プログラムに入学する。その後、アレックス・ボックス(Alex Box)、ダイアン・ケンダル(Diane Kendal)、ペトロス・ペトロヒロスなどのアシスタントを務めた。飛躍は2015年、写真家デイヴィッド・シムズ(David Sims)とのコラボレーションの機会を与えられ、「Arena Homme +」のエディトリアルを担当したこと。それ以来、世界のトップフォトグラファーとコラボレーションを続け、イタリア、イギリス、フランスの「VOGUE」、「i-D」、「Dazed」、「AnOther」、「Mastermind」などで活躍する。
アルマーニでは、ジョルジオ・アルマーニ(Giorgio Armani)が手掛ける「ジョルジオ アルマーニ(GIORGIO ARMANI)」やセカンドラインの「エンポリオ アルマーニ(EMPORIO ARMANI)、オートクチュール「アルマーニ プリヴェ(ARMANI PRIVÉ)」のランウェイでメイクアップを担当する。2024年1月に、15年間メイクアップを率いたリンダ・カンテロ(Linda Cantello)氏の後任として新グローバルメイクアップアーティストに就任した。
ジョルジオ・アルマーニ氏は上田氏について、「魅力はその物差し、天性のバランス感覚、そして力強い表現に変換される優美さです。私は彼女の繊細な色使いと、巧みなタッチで顔を輝かせる能力に内なる強さを感じます」と賞賛する。
上田氏の多才なメイクアップは、母国である日本と、20年以上住んでいるロンドンの両方からインスピレーションを得ていること。活気に満ちたポップなデザインからナチュラルでフレッシュなルックまで、この二面性が彼女の作品に浸透し、影響を与えている。
グローバル メイクアップアーティストに就任した率直な感想は?
「2023年7月からコレクションでゲストメイクアップアーティストとしてランウェイのメイクを担当させていただきました。前々回のプリヴェが私にとって初めてアルマーニ氏と共に取り組むプロジェクトでした。その中で彼の堅実な美意識と卓越したリーダーシップを目の当たりにし、彼のような方と一緒に仕事をすることをさらに望むようになりました。今回、このような重要な役職に就けたことに感謝し、やる気に満ちた気持ちでいます。また、アルマーニ ウーマンの象徴とは周りの人々に強い影響力を持つ凛とした人間性を備えた女性だと信じています」
メイクアップをする上で、心がけていることは?
「私がメイクアーティストとして大切にしていることは、メイクを受ける方がリラックスできる雰囲気を作ることです。そして個々の自然な美しさを引き出し、ナチュラルな魅力を最大限に活かして、自信を持っていただけるよう努めています」
上田氏に取ってメイクアップとは?
「日本で育った私は、幼い頃から内面の美しさと優しさを育むという考え方を教え込まれました。メイクアップは自己表現のための強力なツールであるだけでなく、自信を高める上でも重要な役割を果たします。メイクアップは、内面と外面の美しさの完璧な融合なのです。優雅で端麗なだけでなく、芯を持ち、自分らしさを大切にする女性像を創造していきたいと考えています」
今後の目指す方向性は?
「私の目指す方向性には、フィニッシュテクスチャーのバリエーションを増やし、それをブランドのイメージに一貫させることです。現在、いくつかの製品開発の選択肢を検討しており、今後の展開に期待していただければと思います」
「ジョルジオ アルマーニ」
2024年秋冬ウィメンズ・コレクション
自然のパワーやエネルギーが地球の生命サイクルと絡み合い、優美で希望に満ちたメッセージを届けるコレクション。真冬にも咲く花々は美と再生を告げるかのようにコレクションを彩り、エアリーで流れるようなフォルムとともにジョルジオ アルマーニが常に大切にしてきた調和がとれたエレガンスが表現されている。
メイクアップルックについて上田氏は、「モダンなひねりを加えた60年代の魅力を想起させます。コレクションに登場する冬の花々と、新しい始まりの予感にインスパイアされた繊細な美しさは、同系色のカラーパレットと自然な輝きのある肌によって生み出されます。花々を表現した絵画調のブラックと煌めくホワイトで目に焦点を当てることで、ロマンティックな感覚を表現したルックを創造しました」と表現した。
FACE「クレマ ネラ エクストレマ クリーム」で肌を整え、「ルミナス シルク ファンデーション」でみずみずしく輝く肌に。「ルミナス シルク コンシーラー」で肌の気になる部分を隠し、ハイライトを入れる。「ルミナス シルク グロー ブラッシュ #10」(日本未発売色)を使用し、頬の輪郭を強調。必要に応じて「パワー ファブリック + セッティング パウダー」で肌を整える。
EYES
「スムース シルク アイペンシル #4」(日本未発売)で上まつげの際にラインを引き、更に「アイ ティント #99」(日本未発売色)を重ねて強調させる。白のピグメントを使用してまぶたのくぼみの上に柔らかなぼかしラインを。「アイ ティント #12」でまぶたと目頭の内側にハイライトを入れ、「アイズ トゥ キル マスカラ」でまつげのボリュームと長さを出す。
LIPS
リップは唇本来の色を際立たせるようにナチュラルに。肌のトーンに合わせて「リップ マエストロ サテン」の#1または#10を唇に乗せるか、「リップパワー #108」(日本未発売色)を使用してソフトな色合いを作る。
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