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【レビュー】気になるiPhone 16、Apple Watch Series 10、AirPods 4を徹底検証

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最新のUSB-Cの充電端子と新しい5色のカラーバリエーションで生まれ変わったAirPods Max。写真はスターライトモデル(8万4800円)

Image by: Nobuyuki Hayashi

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最新のUSB-Cの充電端子と新しい5色のカラーバリエーションで生まれ変わったAirPods Max。写真はスターライトモデル(8万4800円)

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【レビュー】気になるiPhone 16、Apple Watch Series 10、AirPods 4を徹底検証

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最新のUSB-Cの充電端子と新しい5色のカラーバリエーションで生まれ変わったAirPods Max。写真はスターライトモデル(8万4800円)

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 アップル社が2025年に向けて発表した新作コレクション。先日、発表会のレポートでその概要を紹介した。いち早く実際の製品を手に入れ1週間近くテストをしたので、ファーストインプレッションをまとめてみたい。(文・林信行)

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鮮やかなカラーが魅力のiPhone 16シリーズ

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今回テストしたウルトラマリン色のiPhone 16とブラックのiPhone 16 Plus。iPhone 16の価格は12万4800円から、iPhone 16 Plusは13万9800円から。

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 まずはiPhone新作のインプレッションから。標準サイズのiPhone 16と大きくて見やすい画面が好きな人向けのiPhone 16 Plusがあるのは、これまでと同じ

 新型iPhoneで、なんといっても強い印象を残すのが鮮やかな色合い。特に新色のウルトラマリンモデルは、ブルーラヴェンダーにも近いヴィヴィッドでありながらも落ち着きを感じさせる色合いで美しい。テーブルに置いた背面を見ただけで少し元気がもらえそうだ。

 ここ数年のiPhoneは、まるでノーメイクの素肌美人を目指すように年々色が薄づきになっていた。それに対して今回の新色は、一気にフルメイクで魅せる麗しさに舵を切ったよう。それだけに余計、鮮烈さを感じさせる。

 最もこうした目立つ色を好まない人もいると思う。そこで用意されたブラックモデルは、カラーモデルとは対照的で、かなり抑えめの色使い。光の反射を抑えた仕上げに薄くもないが濃くもない絶妙な黒で着色されている。

<カラーバリエーション>
ブラック、ホワイト、ピンク、ティール、ウルトラマリン

 本体背面の2つのカメラレンズは、最近のモデルでは斜めに配置されていた。でもiPhone 16ではiPhone 12以来4年ぶりに縦一直線の配置に。しかも、レンズの下の透明プレートも小さくなったので、より引き締まった印象に。このレンズ再配置は立体写真を撮るためで、カメラに新たに加わった「空間」というモードで写真や動画を撮ると、Apple Vision Proで見た時に奥行きを感じることができる。

 Apple Vision Proの購入予定がない人にはしばらく宝の持ち腐れの機能だけれど、iPhoneの画面でも普通のきれいな写真、きれいな動画として楽しめる。例えば子どもの初めての一歩や、長く暮らした家とのお別れなど、大事な思い出をこのモードで撮っておけば、いずれApple Vision Proを買った時、より大きな感動を味わえるかも。

 なおレンズは2つだけだが、この2つのレンズが実際にはレンズ4つ分の働きをしてくれる

  • 最大4800万画素の標準レンズ(36mm換算で26mm相当/通常は2400万画素で撮影)
  • 1200万画素の2倍望遠レンズ(52mm相当/標準レンズで撮った写真の中心部分を切り出したもの)
  • 広い範囲が撮影ができると人気の1200万画素超広角レンズ(13mm相当)

 上記3点はiPhone 15と同じ。しかし今回、新たに超広角レンズに接写撮影のマクロレンズとしての機能が加わった。花や虫を大きく映せるだけでなく、例えば衣服のタテ糸とヨコ糸といった繊維などのディテールを撮影することもできるので、ジャカード織かプリントかを確認するのにも使えるかも

 もちろん、これは写真を最高の品質で撮れる光学撮影モードの話。コンピューター処理のデジタルズームなら最大10倍までの望遠でも撮れる(ビデオ撮影時は最大6倍)。しかも、これまでデジタルズームは、どうしても荒れ荒れの汚い写真になってしまいがちだったけれど、iPhone 16ではAI処理が効いているのか、デジタルズーム写真もよりきれいに撮れるのも嬉しいポイントだ。

iPhone 16は搭載するレンズは2つだけだが、この2つのレンズで4通りの撮影ができる。さらにデジタルズームを使えば写真の場合最大10倍(動画撮影では6倍)のデジタルズームができる。AI処理でデジタルズームの写真もかなりきれいなことがわかる(協力:石川県立図書館)

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標準レンズ

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 もっとも、ここまではカメラとしての進化の触りの部分。iPhone 16、そしてiPhone 16 Proシリーズのカメラの最大の魅力は、iPhoneでの撮影をデジタルカメラ並みに快適にする「カメラコントロール」というボタンのような新しいタッチセンサーにある

「カメラコントロール」がiPhoneで写真を撮る楽しみをアップデート

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今回発表された新iPhoneから搭載されたカメラコントロール。少し凹んでいる部分。ボタンのように見えるが、スライド操作も可能なタッチセンサーになっている。

Image by: Nobuyuki Hayashi

 新型iPhone全モデルの側面についたこの「カメラコントロール」。一度強めに押すとすぐにカメラアプリが起動する。そこで、もう1度強押しするとシーンを逃さずすぐに写真が撮れる。逆に軽めに押すと調整用の表示が表れる。ここで指をスライドさせ、もう1度軽押しすることで明るさ(露出)、背景のボケ具合(被写界深度)、色味やトーンなどを調整できる。指1本で、これから撮る写真の絵作りができるのだ。最初はちょっと慣れが必要。でも、一度慣れてしまえば、まるで本物のデジタルカメラで写真を撮るような絵作りの楽しさがある。

 それに、これまでのカメラのように画面をタッチしての操作だと、iPhoneを片手で持たないと操作できないので、構えたiPhoneが不安定になりやすかった。でも、本体側面のカメラコントロールなら、両手でしっかりとiPhoneをホールドした状態で絵作りができるので手ブレも起きにくく、よりきれいな写真が撮りやすい

 付いている位置がちょっと内側なので、本体を横に構えて撮影しようとすると右手で画面の一部を隠してしまうのが残念と思ったが、これは本体を縦に構えてみたところ、どちらの構えでも撮りやすい位置だったと気がついた。慣れてしまえば、それほど気にならない。そして一度、これに慣れてしまうと、iPhone 15以前を使った時に、ついつい指がカメラコントロールを探してしまうほど依存してしまっていた自分に気付かされる。

 欲をいえば、ピントの調整ができないのは少し残念なので、この点は今後のアップデートでなんとかして欲しい。なお、カメラコントロールはiOS標準カメラ専用ではなく、他のカメラアプリを設定して起動することもできる。今後、カメラコントロールでピント合わせまでできる他のアプリが登場することにもちょっと期待したい。

 写真が好きな人には、写真の色合いやトーンを調整して自分らしい個性的な写真を撮れるようにする「フォトグラフスタイル」が、さらに進化してわかりやすい操作でより細かなニュアンスの調整ができるようになったのも嬉しい変化かもしれない。また、動画の音を後から編集してカメラに写っている被写体の声を大きめにするか、周囲の音もちゃんと収めるかなど音を編集できる「オーディオミックス」という機能もTikTokやInstagramストーリーに役立ちそうだ。

カメラコントロールによるカメラ操作の様子 Video by Nobuyuki Hayashi

 ここまで読んで、あまり写真を撮らない人は、機能で良くなったのはカメラだけ?と心配しているかも。カメラ以外の主な変更点は、携帯電話網を使った通信が速くなったことと、バッテリー動作時間が伸びたこと(ただし、Wi-Fiはルーター側も最新のWi-Fi 7に対応する必要あり)。バッテリーは、例えば動画再生を続けた場合にiPhone 15よりも2時間長く再生できる

 でも、実は一番進化しているのはプロセッサと呼ばれるiPhoneの頭脳だ。iPhone 15と比べて、特にAI関連の処理速度が劇的に進化。今使っているアプリの多くは「言われてみたら、ちょっと速くなった?」くらいにしか感じないが、来年以降はAIを使ったアプリがたくさん出てくるし、iPhoneにも「Apple Intelligence」というAI機能が組み込まれ、声で命令するだけで複雑な操作もできるようになれば、iPhoneのカメラをかざすだけで写した看板からお店の詳しい情報を調べたり、花や動物の種類を調べたりと色々とできるようになる。このApple Intelligenceが使えるのはiPhone 15 Proシリーズと、iPhone 16以降のiPhoneだけ

 「私はそんなにカメラは使わない」という人は、今慌ててiPhone 16に飛びつく必要はないかも知れないけれど、やはりiPhoneを買い替えたくなった時は、ちょっと無理をしてでもiPhone 16以降を選んだ方がいい。なぜなら、来年以降、iPhone 16以後か否かでできることが全く変わってしまうから。

シックな色合いに最強性能を凝縮したiPhone 16 Proシリーズ

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iPhone 16 Pro(15万9800円)とiPhone 16 Pro Max(18万9800円)。見た目こそエレガントだが、薄いチタニウムボディにスマートフォンとしては最強のコンピューティング能力と撮影能力が凝縮されている。

Image by: Nobuyuki Hayashi

 続いてProモデル。こちらもこれまで標準サイズのiPhone 16 Proと、画面の大きなiPhone 16 Pro Maxの2モデルがある。iPhone 15 Proと16 Pro Maxでは3つ目のレンズ、望遠レンズの性能に差があった(Proは3倍ズーム、Pro Maxは5倍だった)。でも、今回からはPro、Pro Maxのどちらも5倍(120mm相当)の望遠レンズで標準iPhoneと差をつけている

iPhone 16 Proには5倍のズームレンズがついており、デジタルズーム併用で25倍までのズームができる。iPhone 16とズームの威力を比べてみた。

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標準レンズ(iPhone 16標準でもProでも撮影可)

Image by: Nobuyuki Hayashi

 本体は高級感あふれるチタニウム素材で作られ、落ち着いた大人を感じさせるシックなカラーバリエーションになっている。新色のデザートチタニウムは名前こそ砂漠をイメージさせるけれど、ローズピンクのようなエレガントさを感じさせる色合いだ。

<カラーバリエーション>
ブラックチタニウム、ナチュラルチタニウム、ホワイトチタニウム、デザートチタニウム

 Proシリーズは標準モデル、そして前モデルのiPhone 15 Proと比べても、全てのスペックがグレードアップされている。画面もちょっとだけだが大きくなっていれば、カメラも超広角でも4800万画素で撮れる。普通は解像度が落ちるスローモーション撮影も4K画質で撮れるといった具合で、映画館の大きなスクリーンに映し出しても見劣りしない画質で撮れるプロ顔負けの画質と性能に。そのことがわかる究極の例がアーティスト、The Weekendの最新のミュージックビデオ「Dancing in The Flames」で、実はすべてiPhone 16 Proで撮影されている。

 バッテリー性能もパワーアップしていれば、AI処理を含めたプロセッサ性能も大幅にグレードアップ。薄くてエレガントな見た目からは想像できない凄いパワーが凝縮されている。手に持つと標準のiPhoneよりも30グラムほど重たい本体重量に凝縮された高級感やパワーを感じる

 ちなみに標準iPhoneもProモデルも、可能な限り、リサイクル素材を使うなど素材選びや製造、流通、さらには使用中のエネルギー消費、そして使わなくなった後のリサイクルまで含めて最も環境を気遣ったスマートフォンを目指すという点はこれまで通り。

見やすいディスプレイと消えない秒針が魅力のApple Watch Series 10

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10周年のモデルとなるApple Watch Series 10。大きな46mmモデル。光沢がある新色Jet Blackのスレート(黒)のミラネーゼループとの組み合わせ(8万8800円)。Apple Watch Series 10自体はストラップなどの組み合わせによって5万9800円から購入可能。

Image by: Nobuyuki Hayashi

 Apple Watch最新モデルも、昨年のモデルと比べてもかなり魅力が増している。軽さと手頃さが魅力のアルミケースバージョンと、より頑丈な高級バージョンがあるのはこれまで通り。また大小2つのサイズが用意されているのもこれまで通りだ。

 でも、高級バージョンの素材は、Series 9までのステンレス製から、磨き仕上げで美しい光沢を放つチタニウムケース製に変わった。ただし、今回テストしたのはアルミモデル。チタニウムモデルに関しては、ぜひ公式サイトで確認して欲しい。

 アルミモデルの中でも特に新しいのが、20回にも及ぶ酸化被膜処理を重ねて美しい光沢を放つようになった黒、Jet Blackのモデルで、今回はこちらのモデルを試した。

<カラーバリエーション(アルミモデル)>
ローズゴールド、シルバー、ジェットブラック
<カラーバリエーション(チタニウムモデル)>
スレート、ゴールド、ナチュラル

 最大の魅力は、大きく見やすくなったディスプレイ。ただし、大きさの違いは製品を単体で見ると分かりにくい。それでも古いApple Watchを日々使っている人なら、文字盤に表示される小さなコンプリケーション表示がかなり大きく読みやすくなっていることに気がつくかもしれない。

 Apple Watchは、これまでも数年に一度、ディスプレイの大型化を重ねてきた。新型のApple Watchの本体サイズは42mmと46mm。実は小モデルの42mmというサイズは10年前の初代Apple Watchの大モデルと同じ大きさだ。

デジタル表示だからこそできる新しい文字盤「フラックス」。アップルはこの文字盤のために新しい数字の書体まで開発。 Video by Nobuyuki Hayashi

 新型Apple Watchはただ本体を大きくしているだけではない。大きくする一方で本体を薄くし軽量化も図っているのだ。アルミモデルの厚みは10%ほど減り、それによって重さも10%ほど軽くなっている(ステンレスモデルに対応するチタニウムモデルの比較では20%も軽くなっている)。

 アルミモデルに関しては劇的な軽さというわけではなく、正直、ちょっと持ってみただけでは違いがわからないレベルだ(ストラップの重さもあるのでなおさら)。それ以上に重要なのは画面が見やすくなったこと。Apple Watchに限らず全てのディスプレイは斜めから見ると、どうしても表示が暗く見えにくくなってしまうが、Series 10が採用した独自開発の新型ディスプレイは斜めから見た時の明るさが40%も明るくなっている。なので、会議中に机の下にの腕についたApple Watchをこっそり覗き込む時も、自転車や車のハンドルを握る腕についたApple Watchを覗く時もよりハッキリと見たい情報が見える。

 さらに嬉しいのがディスプレイ性能向上で、節電モードでも秒針が消えなくなったこと。Apple Watchは、バッテリー節約のためしばらく使っていないと画面が少し暗い節電モードに切り替わる(Series 4以前の製品では画面を完全に消していた)。この節電モードは数秒に1度しか画面の書き換えを行わなかった(つまり、同じ情報を表示しっぱなしになる)。このため秒針付きの文字盤を選んでいても、節電モードにすると秒針が消えてしまうのだ。新開発のディスプレイでは、節電モードでも毎秒1回画面を描き直すようになったので、新たに追加された「Reflection」という文字盤では節電モードでも秒針が消えない。例えば放送番組でのキュー出しなど、秒単位の正確さが求められる仕事に就いている人は、元々、圧倒的に正確で時間が狂わないApple Watchの真価をようやく発揮できるようになる。

Apple Watch Series 10の新しい文字盤、リフレクション。高級時計によく使われているギヨシェ彫をデジタルで再現した文字盤で、省電力モードでも秒針が消えない。 Video by Nobuyuki Hayashi

 今のところこの消えない秒針は「Reflection」という文字盤一種類でしか使えないのがちょっと残念だけれど、Apple Watchの健康機能は愛用しているけれど秒針も大事という人には、このポイントだけでも買い換える価値がありそうだ。

 他にも嬉しいポイントは充電が早くなったこと。30分の充電で80%まで充電でき、15分の充電で最大8時間使えるので、睡眠の記録を取るのにバッテリー残量が足りなさそうな時も、就寝準備中に充電できてしまう。

 さらにスピーカーの音質が良くなったことでApple Musicの音楽やオーディオブックをApple Musicのスピーカーから直接再生できるのも嬉しいポイント。

 水泳やシュノーケリング、SUPなどライトなウォーターアクティビティが好きな人には水温センサーが搭載され、最大6メートルまで深度を測れるようになったのも心強い。最新のwatchOSに追加された「潮位」というアプリを使うと、これから行くビーチが満ち潮か引き潮か、風向きや水温はどんな状態か事前に調べることもできる。

画面スクリーンショット

ウォーターアクティビティが好きな人には嬉しい「潮位」のアプリ。海外の有名ビーチから一番近所の海辺まで、今、満潮に向かっているか・干潮に向っているかや数時間後の潮位はどうなっているかの他、気温や風向き、風の強さなどの情報も教えてくれる。

 最もすごいのは、新たに睡眠時無呼吸症候群を診断できるようになったこと。ただし、この診断には30日間中最低20日間は睡眠記録をつける必要があるので今回は試せていない。機能の詳細についてはアップルのWebページや発表会レポートを見て欲しい。

コストパフォーマンスが圧倒的に良いAirPodsアクティブノイズキャンセリングモデル

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最新のUSB-Cの充電端子と新しい5色のカラーバリエーションで生まれ変わったAirPods Max。写真はスターライトモデル(8万4800円)

Image by: Nobuyuki Hayashi

 最後に、新しくなったAirPods MaxとAirPods 4も試してみた。

 今やファッションアイテムの1つとしても人気が高いAirPods Max。新しいモデルは充電端子が他の製品同様にUSB-Cに切り替わったほか、カラーバリエーションが新しくなった。2020年に登場した最初のモデルも5色のバリエーションがあったけれど、初代モデルが全体的にやや抑えめな色でクールさを感じさせる配色だったのに対して、新モデルはミッドナイトと呼ばれる黒モデル以外は鮮やかで、やや暖色によった色味になっている。

 個人的にはほのかにローズゴールドを感じさせる白の「スターライト」が美しいと思った。音質の良さは定評があるし、ファッションアイテムとしての新しい色も魅力だけれど、4年目の新製品なのに、本当に充電端子と色しか変わっていないのは少しモヤモヤする。

<カラーバリエーション(AirPods Max)>
ミッドナイト、スターライト、ブルー、パープル、オレンジ

商品画像

第4世代のAirPodsは新たに写真左のアクティブノイズキャンセリング搭載モデルが登場(2万9800円)。写真右の基本モデル(2万1800円)との見た目上の唯一の違いはケースの底に「探す」機能で使用するスピーカーの穴が開いているか否か。

Image by: Nobuyuki Hayashi

 それに対してAirPods 4はかなり魅力的だ。まず新しいデザインでどんな耳にもしっかりフィットするようになった。またケースも、これまでの製品よりも一回り小さくなった。

<カラーバリエーション(AirPods 4)>
ホワイト

 面白い機能としては、Siriからの質問に首を縦横に振って答える操作が可能になったこと。AirPodsでは、iPhoneでSiriの「通知の読み上げ」という機能をOnにしておくとメッセージやメールが届いた時に、その旨をAirPodsから聞こえる声で教えた後、「返信しますか?」などとSiriから質問を受けることがある。声が出せる状態なら「はい」「いいえ」と声で返事をすればいいが、乗り物の中など声で返事ができない時には首を縦または横に振って返事ができる。

画面スクリーンショット

新しいAirPodsシリーズは、新しいジェスチャーに対応。「メッセージが届きました。読み上げますか?」といったSiriからの問い合わせに声を出さず、首を縦横に振って返答できる。

 既にAirPodsを持っている人には、これだけの新機能では買う価値を感じないかもしれない。だが、基本モデルよりも8000円高いアクティブノイズキャンセリング付きモデル(Proではない)は、古いAirPodsからの乗り換えを考えさせるほど魅力的だ。

 周囲の雑音をさーっと消してくれるアクティブノイズキャンセリングといえば、これまでAirPods Maxや耳とイヤホンの隙間を埋めるイヤチップが付いた高級モデル、AirPods Pro 2のみの機能だった。耳とイヤホンの間に隙間があり開放感ある付け心地のオープンイヤー型と呼ばれる標準AirPodsへの搭載は難しいと言われていたが、それなりに高い性能で搭載されてしまった。実際、地下鉄などに乗ってみたが、機能をOnにするとさーっと周囲の雑音が消えて音楽に没頭でき、地下鉄の中ってこんなにうるさかったのかと改めて実感できる。耳を完全に密閉するAirPods Pro 2の方が高音までしっかりと防御してくれるが、日常生活には十分な性能と感じた。

画面スクリーンショット

AirPods 4の設定画面。これまでAirPods Pro以上にしかついていなかったノイズキャンセリングの機能がついた。

 それに加えてワイヤレス充電にも対応しているので、USB-Cケーブルを刺すのが面倒な時も、Apple Watch用充電器やiPhoneのMagSafe充電器の上に乗せるだけで充電ができてしまう。ただし、ワイヤレス充電対応ヘッドホンとしては世界最小というケースはApple Watch用充電器のマグネットには吸着してくれるが、MagSafeの磁石にはくっつかないので「ちゃんと充電できているか」の確認は必要だろう。

 光の色で充電中やペアリング可能状態であることを教えてくれるLEDインジケーターは、以前はケースに穴が開いていて、その穴の内側から光っていたが、AirPods 4では穴がなくなり、ケースの内側から光が透けて見えるようになった。こんな小さなところまで製品をブラッシュアップしているのがわかる。

 もう1つ、新モデルは「探す」機能にも対応している。つまり、小さすぎてケースがどこにあるかわからなくなってしまった時にiPhoneの画面に「こっちにある」ことを教えてくれる矢印を表示させたり、ケースやイヤホンで音を鳴らして探すことができるのだ。紛失の多い製品なだけにありがたい機能だ。

 アクティブノイズキャンセリング、ワイヤレス充電、「探す」の3つの機能がたった8000円の価格差で手に入るのはかなりお得だと思う。なお、敢えて価格の安い基本モデルを買っても本体の見た目はほぼ一緒なので、他の人にはどちらのモデルを使っているかはわからない(ケースを見比べると、高いモデルには「探す」機能で音を出すスピーカー穴が開いている)。

 今回レビューはしていないが、高級モデルのAirPods Pro 2は、AirPods単体で音量調整ができたり、より優れたアクティブノイズキャンセリングができたり、新たに「聴覚の健康」を守る一連の機能がつくことになったので、AirPods 4に対して大きなアドバンテージがある。でも、まだAirPodsを使ったことがない人や、古いAirPodsを使っている人には、今回のAirPods 4はかなり魅力的に映るはずだ。

林信行

Nobuyuki Hayashi

1990年からデジタル分野の最先端や最新イノベーションを生み出したきた主要人物の取材を続けているジャーナリスト/コンサルタント。テクノロジーは必ずしも人を幸せにしないと考えを改めてからは、良い未来を生み出すデザインやAI時代を生きるヒントをくれるアート作品、22世紀まで残したい伝統なども数多く取材している。リボルバー社社外取締役。金沢美術工芸大学名誉客員教授。Nobi(ノビ)の愛称でも親しまれている。

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