ファッション業界をはじめ、さまざまなクリエティブな業界に携わる人々の"オフの瞬間"にフォーカスした連載「業界人が本気で遊んだら」。仕事も趣味も全力で取り組む大人たちにスポットを当て、FASHIONSNAPのエディターがさまざまな部活・チームの活動現場へ潜入します。第4回は「青山山田蹴球部」。毎週火曜日の夜、都内某所で行われている試合に密着しました。
■青山山田蹴球部
フットボールカルチャーの可能性の追求と裾野を広げることをコンセプトに掲げ、「巧拙を問わず、必要以上の競技性を求めず、 誰もがフットボールと楽しめること」に重きを置いて、毎週活動中。創始者の山田孝明さんをはじめ、デザイナーやプレスなどのファッション業界人、JリーガーやDJ、フォトグラファー、俳優、モデルなど、総勢80人が在籍。チーム名は、「青山で働く山田さん」が立ち上げたことから命名。チームの平均年齢は34.9歳。
公式インスタグラム
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立ち上げのきっかけは“飲み会以外で仲間と集まれる場所”づくり
青山山田蹴球部は、2013年に創部。今年で11周年を迎えます。立ち上げのきっかけは、当時、30歳を迎えたキャプテンの山田さんの周りの友人が続々と結婚しはじめたこと。
山田さん
仕事終わりに気軽に飲みに行きづらくなり、純粋に「友達と会えなくなるのは嫌だな」という気持ちから、他に集まれる方法はないかと考えて思いついたのが、フットサルでした。スポーツなら、友人のパートナーもみんな許してくれるんです。むしろ「健康になるなら連れて行って」と言われるほどです(笑)。
飲み会以外の目的で仲間と集まる方法として立ち上がった青山山田蹴球部。今でもそのコンセプトは一貫していて、チームでの飲み会は原則行わず、これまで、活動後にチームメイトで飲みに行ったことは一度もないんだとか。山田さんは「活動が終わったら散り散りになる、フットサルをするためだけに会うのが通例となっていることが、チームが存続している理由」だと話します。「最近では20代のチームメイトが増えて、飲み会を希望する声が増えたので、忘年会だけはやるようになりました。それでも年1回の開催ですが(笑)」(山田さん)。
部員は総勢80人、11年で強豪校レベルに成長
青山山田蹴球部の部員は総勢80人。強豪校のサッカー部に迫る勢いですが、どのようにメンバーを集めたのでしょうか?山田さんは「立ち上げ当初は人を集めるのに苦労しました」と創部当時を振り返ります。約10年間の歴史の中で、仲間が新たな仲間を呼び、徐々に参加人数は拡大。毎週80人全員が参加しているわけではなく、山田さんによる30人の選抜に入ることができて初めて、試合に参加できるというのが青山山田蹴球部のルール。今では、参加待ちの部員も少なくないんだそうです。
Image by: FASHIONSNAP
ここまで人数を増やした同部ですが、希望すれば誰でも入れるわけではなく、キャプテンの山田さんが認めた人だけが入部できるという決まりがあります。山田さん曰く、入部を決める唯一の判断基準が「性格」。勝ち負けにこだわらず、楽しむことを第一に考えられる人、仲間のミスを笑顔でフォローできるような人だけを入れるようにしているんだとか。
山田さん
僕の周りの友人から派生してチームメイトが増えているので、同業であるファッション業界の人が多く所属していますが、加入するのに見た目や職業などの条件は一切設けていません。“友達思いで、楽しくプレーができる良い人“に限定して入れるようにしています。よく部員から「入りたいと言っている友達がいる」と相談が来ますが、その場合にも実際に会って、人となりがわかってから正式入部を許可するようにしています。今や人材難には困らないレベルまで到達しました(笑)。
毎週欠かさず開催される試合に潜入!
青山山田蹴球部の活動日は、毎週火曜日。用賀のフットボールスタジアムで夜な夜な試合が開催されていますが、試合とは言っても、参加するのは青山山田の部員のみ。30人のメンバーを6人1組、1軍〜5軍の5チームに分けて、総当たりのリーグ戦を繰り広げます。「フットサルはキーパー1人、プレイヤー4人の5人でやるのがルールですが、青山山田のメンバーはおじさんが多いので6人構成にしています(笑)」(山田さん)。
創部当初は月に1〜2回程度だった活動日ですが、創部から3年ほど経った頃から毎週火曜日に集まる習慣ができたんだそうです。ちなみに、山田さんがこの10年で試合を休んだ回数はたったの3回。「コロナと、どうしてもやむを得ない仕事で休んでしまいましたが、火曜日の夜は極力仕事を入れないようにしています。完全にライフスタイルに染み付いていますね」(山田さん)。
チームをミックスした練習試合で30分ほどアップをしたら、試合スタート!試合時間は1回4分。リーグ戦を行った後、リーグ3位と4位による3位決定戦、リーグ1位と2位による優勝決定戦の順で順位を決めます。
優勝決定戦で勝利したのは、キャプテンの山田さん擁する1軍!最後には、優勝チームと最下位チームの最終戦が繰り広げられ、なんと、ここで勝利を収めた方が真の優勝チームに決まります。
最終試合の結果、軍配を上げたのは、総当たりのリーグ戦で最下位だった5軍!どんでん返しの展開に、コートは大盛り上がり。最後の最後まで逆転のチャンスが用意されているのが、勝負心をくすぐられます。
⚽️GAME NO.373 TEAM MEMBER
TEAM 1
Taiga Kitagawa(Trading company)
Takaaki Yamada(青山山田代表)
Yuta Fukano(BOOMER)
Tomotaka Kino(SENTIFRENT)
Sukbong Lim(NEW BALANCE)
Yukihiro Ayuzawa(品川清掃工場)
TEAM 2
Shintaro Yuya(Actor)
Hiromu Machii(WACKO MARIA)
Carl(DE CHIRICO)
Fumiya Endo(Actor)
Yusuke Sato(Freelance sales)
Masashi Yanai(Marketing planner)
TEAM 3
Kenji Maruyama(SPECIAL REQUEST inc)
Hiroyuki Abe(Stylist)
Yasuki Nakamichi(Stylist)
Kotaro Hosobuchi(Revolution PR)
Norimasa Shirai(Bshop)
Shota Kashiwai(Photographer)
TEAM 4
BLABLA(Rapper, Beatmaker, DJ, Editor)
KENTACATS(DJ)
Kick a Show(Singer, DJ)
Aria Narita(Whiskey Bar Brother)
Toshio Sasai(BLAST JAMS!!, DJ)
Shunpei Yamanobe(Beebar)
TEAM 5
Hiroyoshi Nakashima(DELUXE)
Ryo Mikami(PALACE)
Naomichi Mori(Ad agency)
Yohei Miyamoto(Photographer)
Tomonari Nishizaki(ATTRACTIONS)
Kazuki Iijima(GOLDEN RATIO MFG.CO.)
REF: Masahide Hatakenaka(OVERRIVER)
ASST: Nozomu Tanaka(Revolution PR)
部員に愛されるオリジナルグッズ
青山山田蹴球部では、ユニフォームをはじめ、ロングスリーブTシャツやスウェットなどのオリジナルアイテムを製作。部にはファッション業界人が多く在籍していることから、そのつながりをもとに製作を行っているんだそうです。
Image by: FASHIONSNAP
ロングスリーブTシャツやトートバッグは、キャプテンの山田さんと親交のある「カオスフィッシングクラブ(Chaos Fishing Club)」のアートディレクター 榎本真人さんがグラフィックデザインを手掛け、オーナーの小西武さんがプリントを担当。「我々はブランドではありませんが、定期的にオリジナルグッズを出していて、今後も新たなグッズの制作を考えています」(山田さん)。試合中、皆さんのファッションに目を向けると、それぞれ個性が光るスタイルの中に、オリジナルアイテムが取り入れられていました。
Image by: FASHIONSNAP
今年で11周年を迎えた青山山田蹴球部。山田さんに次の10年に向けた展望を聞くと「チーム設立時の目標は『50歳までサッカーしよう』でしたが、少し背伸びして、70歳まで引き上げたいと思います!」とのこと。ファッション業界随一の部員数を誇るフットサルチームの今後に目が離せません。
⚽️BEHIND THE SCENES
Image by: FASHIONSNAP
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(企画・編集:張替 美希)
(撮影:太田柚香)
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