動画ストリーミングサイトの登場で通勤時間から料理の合間、バスタイムやベッドルームまで、時間さえあればワンクリックでいつでもどこでも映画を観られる時代に。作品数が充実しすぎているあまり、どれを観るかを選ぶだけでも時間がかかってしまいますよね。そこで今回は一度に限らず二度目も楽しめる、アマゾンプライムで視聴できる傑作映画9作品を厳選。今週末はどれを観る?
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恋愛映画
切ない純愛から、新宿・歌舞伎町を舞台にしたハードボイルド作品、ドラマ「愛の不時着」で注目を集めたソン・イェジンの気になる過去作まで、幅広くピックアップ。
LOVE LETTER(1995)
「お元気ですかー私は元気です」と中山美穂演じる渡辺博子が恋人が遭難死した雪山に向かって叫ぶ名シーン。岩井俊二監督による1995年に公開された「Love Letter」は、学生時代に中国の友人に勧められるという逆輸入パターンで観た作品です。中国や韓国でも有名なんだそう。博子が届くはずのない恋人に送った手紙に返事がきたことから知る、恋人の藤井樹と同姓同名のクラスメイトとのストーリー。甘酸っぱくちょっぴり切ないという言葉がぴったりな作品です。それぞれの学生時代を演じた酒井美紀と柏原崇の2人が初々しさをより引き立てます。
不夜城(1998)
日本映画ながら哀愁漂う香港ノワールのような世界観が広がる「不夜城」。新宿・歌舞伎町の中国人マフィアによる覇権争いというハードボイルド感溢れる本作の一番の見所は、とにもかくにも主役の健一を演じる金城武の色気が半端ないということ。山本未来演じる謎の美女、夏美に振り回されっぱなしの健一ですが、この2人の絡みがボスタービジュアルのように官能的で美しい。挿入歌とエンディングに流れるB’zの「Wild Wind」も鳥肌ものです。「インファナル・アフェア」などマフィアものが好きな方におすすめ。
私の頭の中の消しゴム(2005)
日本でも社会現象的な人気を博している韓国ドラマ「愛の不時着」。主演のソン・イェジンの歳を感じさせない可憐さが話題となりましたが、不意にこの作品を見返したくなった方も多いのでは?日本でも大ヒットした「私の頭の中の消しゴム」では、愛する人と結婚するも若年性アルツハイマーにかかり、記憶が徐々に消えてしまうはかなげな女性をソン・イェジンが演じています。「愛の不時着」でのヒョンビンとのケミストリーも良いですが、本作で献身的な夫チョルスを演じるチョン・ウソンとのカップルも捨てがたい。"守ってあげたくなる女性"を演じたら右に出る女優はいないのでは?と思うほどです。ちなみにソン・イェジン出演のドラマでは「よくおごってくれる綺麗なお姉さん」も良作。
ヒューマンドラマ
さまざまな人の人生を描いたヒューマンドラマ。日本人視点で描かれた北欧の街や、不器用だけどどこか応援したくなってしまう主人公など、誰かの人生を覗き見するような感覚で楽しめる、魅力的な4作品をチェック。
死ぬまでにしたい10のこと(2003)
「オール・アバウト・マイ・マザー」や「私が、生きる肌」のペドロ・アルモドバルが製作総指揮を務めた「死ぬまでにしたい10のこと」。失業中の夫と10代の時に産んだ2人の娘とトレーラーハウスで暮らす23歳のアンは、病院で2ヶ月の余命を受け、死ぬまでにしたい10のことをノートに書き出し実践していきます。最後の恋の相手役に若き日のマーク・ラファロが(今とさほど変わらずですが)、夫役にはTVシリーズ「フェリシティの青春」でアイドル的人気を博したスコット・スピードマン、そして母親役をロックバンド ブロンディのデボラ・ハリーが演じていて配役も秀逸。主役のサラ・ポーリーが地味で幸薄な主人公アンを見事に演じています。アメリカ映画ながらヨーロッパ映画のような描写とスローなテンポが心にしんみり響きます。キャッチーなタイトルに釣られ当時映画館に足を運びましたが、ラストシーンで原題の「My life without me(私のいない私の人生)」の言葉がグッときます。
かもめ食堂(2006年)
こんな人生もありかも、なんて思ってしまうフィンランド・ヘルシンキを舞台にしたほっこりムービー。北欧ならではのゆっくりとした時間の流れを日本人の視点で描いているのが新鮮です。世界で最もコーヒーを飲むと言われているフィンランド人のコーヒーへのこだわり、香りが伝わってきそうな美味しそうなシナモンロール、建築の巨匠アアルトが手掛けたアカデミア書店などフィンランドの文化や国民性が丁寧に表現されています。筆者もかつてこの作品で見た風景を頼りにヘルシンキの街を闊歩しました。何より小林聡美、片桐はいり、もたいまさこ、この3人の個性派女優のアンサンブルが最高です。
20センチュリー・ウーマン(2017)
1979年のカルフォルニア州サンタバーバラを舞台に、シングルマザーのドロシアと40歳で授かった思春期真っ只中の息子ジェイミーを中心に、下宿するアビーやジェイミーの親友ジュリーなどと共に過ごした一夏を描いたヒューマンドラマ。グレタ・ガーウィグとエル・ファニングの2人がキャスティングされている時点で良作の予感がしますよね。中でも毎日タバコをふかしながら株価をチェックし、コンテンポラリーという理由でビルケンシュトックを愛用するフェミニストの母親役のアネット・ベニングが最高にカッコいいです。アメリカの社会背景や音楽などのカルチャー描写も作品に説得力をもたらしています。グラフィックデザイナーとしてX-girlのロゴを手掛けたことでも知られる、マイク・ミルズ監督作品。監督の実体験からインスピレーションを得ているそう。
フランシス・ハ(2014)
「20センチュリー・ウーマン」にも出演しているグレタ・ガーウィグ主演。彼女の私生活のパートナーでもあるノア・バームバックが監督を務めた全編モノクロの作品です。20代後半に差し掛かるも、バレエカンパニーの研修生としてその日暮らしを送っているサクラメント出身のフランシス。色々と不器用で人付き合いも下手な彼女が、自分のやりたいことを見つけ新たな一歩を歩んでいくというストーリー。フランシスを見ていると正直「もっと頑張れよ!」と言いたくなってしまうのですが、認めたくないけど自分もこういう痛いところあるよな、と胸にチクっときます。ニューヨークの街を疾走したくなる映画。
サスペンス映画
最後に紹介するのは、サスペンス作品。あの有名監督の出世作と、イギリスの諜報部に焦点を当てたスパイ映画の2作品をご紹介します。週末は物語に没入して推理を巡らせてみては?
メメント(2001)
「ダークナイト」や「インセプション」、「インターステラー」など日本でも熱狂的なファンが多いクリストファー・ノーラン監督の出世作。妻を殺害されたショックで10分しか記憶が持たない男が、殺害犯を探すために重要な真実やキーワードをメモやポラロイド、タトゥーに残して真相に迫っていくストーリーです。記憶障害という設定に加え、時系列が交差していくため物語が複雑に絡み、何度も観たくなるクリストファー・ノーラン作品あるあるが存分に楽しめます。カメレオン俳優との呼び声高い主演のガイ・ピアースの狂気をはらんだ演技がピカイチ。
裏切りのサーカス(2012)
「もぐらは誰だ?」英国諜報部(=サーカス)の幹部の中に裏切りものがいる、というゾクゾクするようなスパイもの映画。1974年に元諜報員だったジョン・ルーカスが発表した小説「ティンカー、テイラー、ソルジャー、スパイ」が原作で、東西冷戦下、ゲイリー・オールドマン演じるすでに引退した諜報員スマイリーが、元上司からソ連側の二重スパイの調査を託されるというストーリーです。スパイ映画ですが派手なカーチェイスや戦闘シーンはないので「この人がスパイ?」と疑いながら人物にフォーカスして観ることができる作品。コリン・ファース、ベネディクト・カンバーバッチなど英国大物俳優の共演も見逃せません。
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