信玄公祭りで女性初の武田信玄を演じた冨永愛
Image by: 冨永愛提供
先月28日、戦国武将・武田信玄をしのぶ「信玄公祭り」が山梨県甲府市で開かれた。50回目を記念する今年は、過去最大規模での開催。モデルで俳優の冨永愛が女性として初めて信玄役を演じ、戦国時代最強と謳われた信玄公の1000人を超える騎馬行列(甲州軍団)を率いた。
信玄役に女性として初抜擢
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「信玄公祭り」は、県内各地から軍勢が舞鶴城公園に集結し、川中島に向け出陣する様子を再現する祭礼。前身となる「桜祭り(舞鶴城公園内)」は1947年にスタートし、1970年には現在の「信玄公祭り・甲州軍団出陣」と名称を変えた。2012年に1061人が参加し「侍の最大集合記録(LARGEST GATHERING OF SAMURAIS)」としてギネス世界記録™に認定されたが、今年は武者1200人、行列全体では1300人と、その記録を塗り替える結果となった。
これまでに渡哲也、藤岡弘、松平健など錚々たる俳優陣が演じてきた信玄役。今年は冨永が務め、軍師・山本勘助役に山梨県出身の俳優・白須慶子と初めて女性が起用されるなど、新たな歴史を刻んだ。さらに今回は出陣前に必勝を祈願する「三献の儀」が再現されたほか、50回の記念として作られたさやに甲州印伝をあしらった刀を信玄公に贈る「宝刀献上の儀」も行われた。
赤の陣羽織姿の乗馬に歓声が飛ぶ
メインイベントは、 甲冑姿の武士が川中島の合戦へ出陣する様子を再現する「甲州軍団出陣」。 冨永の公式インスタグラムには「疾(はや)きこと風のごとく、徐(しずか)なること林のごとし、侵掠(しんりゃく)すること火のごとく、動かざること山のごとし。いざ、出陣!」と声をあげ、武士たちが「エイエイオー」と応じる、勇ましい出陣式の様子が投稿されている。冨永が馬に乗って甲府駅前の大通りを進むと、その凛々しい姿に沿道から大きな声援が送られた。
大役を務めた冨永は「プレッシャーもありましたが、とても楽しく務めさせていただきました。皆さん気合いが入っていましたし、国内、いや世界一の武者行列に武者震いしました」と語る。さらに「宝刀献上の儀を体験できた事はとても貴重な事だと思います。素敵な刀でしたし、こういった儀式を経て出陣したのだな、と感じました」と今回の特別なイベントを振り返った。
「大奥」で学んだ武士の足取り
モデルと俳優、その両方に妥協なく取り組んでいる冨永だが「表現者という意味で、一つの大きなくくりでは同じです。しかし、モデルは一瞬一瞬、本番での瞬発力が必要。俳優に関しては、準備がかなり必要で、より難しいのかな、とは思います」と語る。「ドラマ『大奥』で吉宗公役を務めさせていただいたときに、当時の武士がどのような歩き方をしたのか学び、練習しました。それが生きたと思います。大奥では女の衣装でしたが今回は甲冑でしたので、より威厳のある武将の歩き方にしました」。
モデルとしては今年7月、「スキャパレリ(Schiaparelli)」のオートクチュールで30キロを超える衣装をまとい、ピンヒールでランウェイを堂々と歩いたことも。「歩き方はその人の人生を表すと考え、ウォーキングとは常に真剣に向き合っています」。祭りの後は「信玄公の武者歩き、しばらくその歩き方が抜けなくて、やっといつもの歩き方に戻った、でござるw」と茶目っけたっぷりにX(旧Twitter)にポストした冨永。彼女にしか演じられない表現と唯一無二の美に、今後も目が離せない。
■信玄公祭り:公式サイト
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