

自然食品スーパー最大手チェーンのホールフーズ・マーケットは昨年7月、飲食店等の廃棄物を大幅に値引きして提供するアプリ「ツー・グッド・ツー・ゴー(Too Good To Go)」と提携した。ホールフーズは同アプリを介して食品ロスを減少させ、頑固な物価高でも顧客に買いやすい価格で"ゲーム感覚"で提供しているのだ。「捨てるのにはもったいない」を意味するツー・グッド・ツー・ゴーはレストランなどフードサービス業をメインとするフードロス削減アプリ。2015年にデンマークで創業され米国には2020年、ニューヨーク市内の飲食店から展開が始まった。すでにロサンゼルスなど大都市33ヶ所に拡大しているのだ。ツー・グッド・ツー・ゴーに登録している飲食店は残った食品を「サプライズバッグ(Surprise Bag)」で提供する。実際に受け取るまで何が入っているか分からないという、いわば売れ残り食品の"福袋"となる。飲食店の場合、メニューにあるものが主に入っているものの利用者側が選ぶことは不可となる。店側は年間89ドルを支払い、売値に関わらずサプライズバッグを1コ販売するごとに1.79ドルの手数料が徴収される仕組みだ。一方、利用者はサプライズバックの価格だけを支払うだけでよく、年会費や手数料はない。ツー・グッド・ツー・ゴーは世界19カ国に展開していることで2023年の売上高はすでに1.62億ドルにも達しているのだ。ホールフーズもパートナーに加わったことで10%以上の成長を見込んでいるという。スケール化のため年間ではまだ黒字化が達成できていないものの、2022年10月には単月での黒字化を果たしたという。数年もしないうちに損益分岐点を超えるとの予測だ。
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ホールフーズ・マーケットは通常であれば廃棄してしまうが、まだ食べられる食材をサプライズバッグに詰め込んでツー・グッド・ツー・ゴーにアップロード。アップロードされた情報は利用者のアプリ画面に表示されサプライズバッグが入手可能である旨が表示される。サプライズバッグの購入希望者はアプリで直接購入し、登録したクレジットカードで決済するのだ。購入が終了すると、購入者は購入した近隣のホールフーズでサプライズバッグを受け取ることになる。ホールフーズでは主にサンドイッチやサラダ、スープなどのプリペアド・フードとクロワッサン、マフィン、デニッシュなどベーカリーの2種類のサプライズバッグを提供している。ホールフーズのプリペアドフードのサプライズバッグでは合計30ドル以上となる食品を9.99ドルで販売。一方、ベーカリー・サプライズ・バッグでは21ドル相当が6.99ドルになる。ホールフーズ450店でツー・グッド・ツー・ゴーを展開しており、5ツ星評価では4.5以上の高評価となっている。またTikTokでも利用者の多くがレビューをアップし、お値打ち感で高く評価しているのだ。サプライズバッグが"何が出るかな?"のゲーム感覚になり、SNSでコンテンツ化しやすいネタになっているのもポイントだ。サプライズバッグの中身をSNSで評価されたり、アプリ上でも5ツ星評価のレビューもあってホールフーズ等の出品側も"手抜き"ができないようになっている。 筆者がツー・グッド・ツー・グッドで近隣のホールフーズを検索すると、多くがソールドアウトになっていた。時間帯や場所にもよるがホールフーズが人気を集めるサプライズバッグになっていることがわかるのだ。ホールフーズ以外の流通チェーンではコンビニのサークルKが同じくスナックやキャンディ、飲み物などをサプライズバッグで提供。確認したところ、近隣のサークルKは12ドル相当の食品を3.99ドル提供しソールドアウトになっている。またイケアのレストランでもサプライズバッグを提供しており、18ドルが5.99ドルになり売り切れになっていた。
ツー・グッド・ツー・ゴーは集客&客単価アップツールにもなっている点も注目したい。同社によると61%はサプライズバッグのピックアップだけに店舗を訪れている一方、41%は追加で他の商品も購入しているのだ。ホールフーズならベーカリーのサプライズバッグを受け取りながら、コーヒー等の飲み物を購入するようなものだろう。普段は食べないプリペアド・フードが「サプライズバッグにあったので食べてみたら意外に美味かった」という発見もあるかもしれない。次回はサプライズバッグではなく正規でそのプリペアドフードを購入する可能性もあるのだ。問題は受け取り時間で多くの場合(店によって異なる)、閉店時間の約1時間前だ。
ゲーム感覚に話題性もありホールフーズのツー・グッド・ツー・ゴーはより定着していきそうだ。
⇒こんにちは!アメリカン流通コンサルタントの後藤文俊です。年齢を重ねていくうちに心と身体の健康については気を使うようになっています。アルコールは5年以上にわたって一滴も飲んでいませんし、不摂生をするようなこともありません。仕事はスタンディングデスクでずーっと立ったまま。昇降デスクですが(故障もあって)下げることはありません。運動は週に4日、20秒間の激しい運動と10秒間のインターバルを8セット繰り返す「高強度インターバルトレーニング」を取り入れた内容です。最大心拍数90%以上なので、呼吸は相当きついレベルになりますが健康のためと思ってもう3年以上は続いています。コンサルティング等がない日の食事は1日2食の16時間ダイエットを続けています。一人では外食もほとんどしません。これは健康というより単に食事のために外出するなどの時間がもったいないからです。あとは塩分の問題ですね。外食だと塩分がキツいのですよ。あとで喉が渇きます。ホールフーズのツー・グッド・ツー・ゴーを一度は試したいのですが、問題はピックアップの時間で夜遅かったするのです。
それに人気も。すぐにソールドアウトになってしまいます。近所にホールフーズがないのも試せない理由です。
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