

クールかつスタイリッシュに更新されたフーディーの着こなしにあらためて注目。
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フェミニンなムードが着実に台頭してきた今春のストリート。
一方でメンズファッションのトレンドの波は小休止?
2025年、ストリートでは90s後半〜00sのギャルっぽいムードが急浮上。ファーアウターやレオパード柄といったグラマラスでフェミニンなテイストがマス層にまで浸透するなど女性の装いがぐっと更新されてきた点に注目してきましたが、急にやってきた暖かさのためかカジュアルな装いに後戻り。そこで久しぶりに男性の装いに目を向けてみると、フードのついたトップスの多さにあらためて気がついた!ということで、カウントアイテムは「男性フード付きトップス、うちスウェット素材トップス」としました。対してズームアップアイテムでは、女性らしさへの回帰とも紐づく「フレアジーンズ」、いわゆる“バレエコア”的なトレンドなどを背景にマス化した「シースルーボトムス」という2つのボトムスに注目しました。
カウントアイテム:男性フード付きトップス、うちスウェット素材トップス
バレンシアガっぽいダークでモードなフーディースタイルが一般化。
直近では1月の定点観測でも「フードかぶり」スタイルを取り上げましたが、コテコテのアメカジではなくクールで洗練されたフーディーの着こなしが一般化=2024年のストリートを席巻したバレンシアガっぽいスタイルの一大トレンドがいよいよ最終局面を迎そうな印象を受けたため、あらためて記録しておくことに。過去の定点観測を振り返ると、2015年3月に「男女フード出し」を取り上げた頃はシティーボーイ/アスレジャー/ノームコア文脈のトレンドでオーセンティックなスタイルが主流でしたが、2016年頃にヴェトモン(デムナ・ヴァザリア)によってモードのゲームチェンジが起こり、“ラグジュアリーストリート”のトレンドへと発展。2016年12月「フーデッドパーカー」、2017年4月「フードかぶり」、2017年12月「フード付きアウター」、2020年11月「男女フーディー・スタイル」と繰り返しテーマにもなり東京のストリートに定着していきました。すっかり新鮮味を失ってしまったフーディーでしたが、バレンシアガの2024AWコレクションで提案されたようなダークでドープなフーディーの着こなしが爆発的に流行。同様のムードでニットキャップを深くかぶるスタイルやバラクラバ巻きなど、頭周りを覆う着こなしも急増しています。

(左)「ナットエンペラーのバッグをメインにスタイリングを組みたくて同系統のフーディーを合わせました」という23歳の男性(https://www.web-across.com/observe/ppce54000000hgjm.html)。 (右)「OUR’sを見てジャケットとフード付きスウェットでドレスとカジュアルのバランスをとるスタイルにしようと決めました」という20歳の男性(https://www.web-across.com/observe/ppce54000000hh54.html)。
ズームアップアイテム①:フレアジーンズ
フェミニンでギャルっぽいシルエットで“脱・バギー”がはじまった。
秋口からじわじわとストリートに増加していたアイテムです。フレアといってもベルボトムほど派手にフレアというわけではなく控えめな裾の広がりがポイント。ほどよくフェミニンな印象をプラスできるアイテムとしてコンサバ層にも高い支持を得ています。シルエットが控えめであるかわりに、クラッシュ加工や過剰なディテールなど、過去のものに比べてラウドなデザインのものも登場。また、00sっぽいローライズのタイプも浮上しており、こちらはファーやレオパードといったギャル要素との親和性もありそうです。フレアパンツはここ数年の定点観測でも繰り返しテーマになっていますが、2021年1月「裾揺れパンツ」など、とろみのある化繊やニットパンツ、あるいはベロアパンツなどが主流で、ジーンズにフォーカスするのは初めて。ちなみに過去の定点観測を遡ってみると、ズームアップアイテムでフレアパンツを取り上げた回はカウントアイテムがフーディーだったというケースが2度(2017年12月、2020年11月)もあったという事実に行き当たりました。シルエットのバランスなど、もしかしたら隠れた連関性が潜んでいるのかもしれません。

(左)「フレアジーンズをはいてきたのは、いろいろ動く日だったし、クラブにも行くこともあったので脚を出したくないなと思って」という22歳の女性(https://www.web-across.com/observe/ppce54000000hfvq.html)。(右)「フレアデニムはトップスとボトムスのバランスが取りやすいので気に入っています。ワイドなボトムスよりも女性らしいピッタリとしたラインが出るのでフレアデニムは重宝しています」という24歳の女性(https://www.web-across.com/observe/ppce54000000hgt6.html)。
ズームアップアイテム②:シースルーボトムス
ボトムスレイヤードのキーアイテムとして真冬のストリートにも定着。
今年の1月に「ボトムスレイヤード」を取り上げた際にも多く見られたレースやオーガンジーなどの透け感のある素材のスカートに加え、ファッショナブルな女性を中心に浮上しているタイツ使いにも注目します。シースルーやフリル、シャーリングといったロマンティックでガーリーなディテールはここ数年間定期的に定点観測でも取り上げていますが、基本的にはシャツやフィッシュネットトップス、クロシェ編みのニットなどのトップスが中心でした。一方で今年はレースや編みタイツでミニスカートにレイヤード感をプラスするスタイルが急浮上しているほか、直接的なテーマとは異なりますが+ソックス見せスタイルなども非常に多く、下半身のレイヤードアイテムとしての存在感が強まっている点が新しさのポイント。主に韓国ブランドによる“バレエコア”的な提案もマス人気の背景には潜んでいそうです。

(左)「このレースのスカートはキラキラに目がいきました」という28歳の女性(https://www.web-across.com/observe/ppce54000000hgvk.html)。(右)「1年前に流行り始めた頃から割とよくシースルーのタイツを履いている」という21歳の女性(https://www.web-across.com/observe/ppce54000000hhjg.html)。
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