
グローバルワーク銀座店内観
Image by: FASHIONSNAP
アダストリアが展開するカジュアルブランド「グローバルワーク(GLOBAL WORK)」が、3月27日にブランド初のグローバル旗艦店「グローバルワーク ギンザ(GLOBAL WORK GINZA)」を開業する。
3フロアにわたって同店が入居するマロニエゲート銀座3は、ユニクロのグローバル旗艦店「UNIQLO TOKYO」の向かいに位置。近隣には無印良品の世界旗艦店「無印良品 銀座」がある。これまで郊外を中心に展開してきたグローバルワークはなぜ今、銀座の一等地に出店するのか。

銀座店の外観
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グローバルワークは、1994年に設立し2024年に30周年を迎えた。2024年2月期通期には、過去最高となる売上高516億円を達成し、アダストリア社内での売上シェアは約20%。コロナ禍で売上が落ち込んだ2021年2月期の338億円と比較して、約1.5倍の成長を遂げた。2030年2月期に向けては「ブランドメッセージの刷新」「コア商品戦略」「国内店舗の積極出店と増床」「海外戦略」の4つの戦略を軸に、売上高1000億円達成を目指している。その内訳は国内900億円、海外100億円。海外売上は2024年時点で25億円であり、6年間で4倍の急成長が求められる。銀座店は、インバウンド需要を起点に、国内と国外両側面で変化と飛躍を目指すための大きな試金石となる。
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都市部への出店加速、インバウンド需要取り込みへ 新たな店頭の在り方を模索
現在グローバルワークは、郊外のショッピングモールやファッションビルを中心に国内218店舗、海外20店舗(WEBストアを含む)を展開しているが、銀座店を皮切りに、これまでリーチできていなかった新たな顧客層の獲得と訪日客の来店も見込める都心部への出店にも注力していく。エリアの特性上多くの訪日客の来店を見越し、銀座店の初年度売上目標は10億円、そのうちインバウンド売上目標は50%に設定している。
同店では、多言語対応したサイネージの導入や、土産物需要を意識した商品展開など、ブランド初となる取り組みを多数採用。インバウンド客の消費を促すとともに、いかにして異なる文化で暮らす客層に商品の魅力を伝えるか、今後の海外出店に向けた検証も兼ねているという。
都心部への出店強化に加えて国内では、330平方メートル(100坪)以下の小規模な店舗の増床および内装のアップデートを行うことで各店舗あたりの売上増を狙う。より高い収益性を実現するための店頭での取り組みとして、マネキンやサイネージ等を活用したスタイリング提案を行うことで人員を最適化。また、ハイシェルフを採用したオリジナルの什器を使用することで、商品展開数が従来の2.3倍に増加し、増床も加味して従来比で2.5倍の売上が期待できるという。店頭の陳列数が増えることで補充回数も削減し、従業員の業務効率化にもつながることが見込まれる。銀座店では、そういった最新の店頭空間を実装。同店でトライアルを重ねながら、改装対象の各店へ順次導入していく。なお、今期中の新規出店は約14店舗、改装は約10店舗を予定しており、2029年までに国内店舗を270店舗まで増加させることを目指す。銀座店に匹敵する新たな旗艦店の計画として、西日本への出店を検討しているという。

銀座店の店頭の様子
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ユニクロ無印の背中追う、グローバルワークの“独自性”とは?
全体の売上高底上げのために設定した海外売上4倍という目標の実現のため、グローバルワークは海外への出店も強化している。現状では12店舗とオンラインストアを展開する台湾での販売が好調に推移。3月に新規出店したららぽーと台北南港店は、特に好調な滑り出しを見せているという。今後は、より若年層の消費意欲が強く市場としての成長が見込まれるASEANへの出店を強化していくとし、2025年中にタイやフィリピンといった新規国への進出を計画している。
ユニクロや無印良品といった近隣に旗艦店を構える他ブランドと比較すると海外での知名度がまだ低いグローバルワークだが、まずは銀座に出店するということ自体に意味があるという考えだ。訪日客にブランドの存在を知ってもらうことで、出身国に今後出店した際、「地域住民がグローバルワークを知っている」という状態を作ることが何より重要なのだという。このほか銀座という一等地に旗艦店を構えることができるブランドだと示すことが、今後の海外展開においてブランドの信用を高めることに繋がることに期待する。

グローバルワーク 太田訓営業本部長
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近隣の他ブランドと比較した際のブランドの優位性について、太田訓営業本部長は「(そういったブランドには)まだ足元にも及ばず、背中を追っている状態。比較するのもおこがましいかもしれないが、プロダクトのコンセプトとして掲げている「3F」(Fashion、Function、Feeling)の考え方の通り、程よいファッション性と機能性を兼ね備えるという独自性が我々にはある。国内展開と同様に、海外でもその魅力が伝わるように店頭やプロモーションを設計していく」とコメント。インバウンド客の購入データ傾向からも、機能性とデザイン性を兼ね備えたアイテムへの需要が読み取れることから、「3F」を起点とした商品の価値をしっかりと伝えていくことで国内外でポジションの確立を目指すとしている。
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