三越伊勢丹が、「三越伊勢丹ミライアワード」に関するトークショーを東京の文化服装学院で開催した。同企画の審査員を務めるデザイナーのステラ・マッカートニー(Stella McCartney)が来日し、ゲストとして登壇した。
三越伊勢丹ミライアワードは、三越伊勢丹が主催するアップサイクルプロジェクト「ピース de ミライ 2025」の一環として実施。企業が提供した残反などの素材を「ピース」に、ファッションやアートスクールの学生たちが作品づくりに取り組む企画で、今回は初開催された2023年に続き2回目となる。今回は、アパレル製品のアイロンプレスや洗い、補修、検品などを手掛けるヤマザワプレスが洗浄したユーズドの「リーバイス(Levi’s)」501をピースに、エスモード・東京校、東京モード学園、文化服装学院の学生が作品を制作。参加作品は4月9日から4月22日まで、伊勢丹新宿店 本館ウィンドウに展示される。
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「ピース de ミライ 2025」参加作品
Image by: FASHIONSNAP
トークショーの会場には、ミライアワードにノミネートされた21人の学生をはじめ、服飾専門学校の学生や一般の客が多数来場。はじめに、浅尾慶一郎 環境大臣と近藤詔太 伊勢丹新宿本店長が壇上に上がり、「ファッションとサステナビリティ」と「ファッションと次世代育成」についてトークを交わし、その後ステラ・マッカートニーが登場。会場は大きな歓声に包まれた。

左からハリー杉山(司会)、近藤詔太 伊勢丹新宿本店長、浅尾慶一郎 環境大臣、ステラ・マッカートニー、通訳
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ステラ・マッカートニーは、「母なる大地に住む人間として、地球を守らねばならない」と話し、動物由来の素材は使わずに、リンゴやぶどうといった植物由来の素材や、ごみをアップサイクルした素材を用いながら、ファッショナブルなアイテムを提案していると、自身のブランドの取り組みを紹介。また、「今、自分が履いている靴をアメリカに輸出すると、30%の税がかかる。ファッションで正しいことをしている人にはインセンティブを与えるべきである」とステラが主張すると、浅尾大臣は「燃料消費が少ない自動車は税制上優遇されているが、ファッション業界にはそういった規制はない。規制がないということは自由であるとも言えるが、リサイクルをしたものや環境に優しいものの価格的な魅力を高めるために、政策的な誘導をすることが必要かもしれない」と答える一幕もあった。
学生たちから寄せられた質問に登壇者が答えるコーナーも設けられた。「今後のファッション業界をつくる若者はどういった視野を持つべきか」という質問に対し、ステラは「色々なことに興味を持って探し続けることが必要。ファッション業界は競争が激しく、それぞれが協力しあうことは難しいが、学生の皆さんには協力することに挑戦してほしい。毎日戦い続けていたら、自分に賛同する人が現れるはず。私も毎日戦っている」と、熱を込めて語った。

トークショーの最後には来場者と共に「自撮り」をするというチャーミングな一面も見せた
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