
サラ・バートンによる新生「ジバンシィ」がデビュー 「前へ進むために原点に立ち戻る」
2025年秋冬ウィメンズコレクション

ジバンシィ 2025年秋冬コレクション
Image by: GIVENCHY
「ジバンシィ(GIVENCHY)」が3月7日、クリエイティブディレクターに就任したサラ・バートン(Sarah Burton)によるデビューショーを、パリの本拠地であるジョルジュ・サンク通り3番地で開催した。バートンは「前へ進むためには、原点に立ち戻る必要がある」とし、創設者ユベール・ド・ジバンシィ(Hubert de Givenchy)のレガシーと、メゾンの心臓であるアトリエにフォーカスしながら、新たな命を吹き込んだ。
サラ・バートンは1974年生まれ。1997年から「アレキサンダー・マックイーン(Alexander McQueen)」でキャリアを積み、リー・マックイーンの右腕として働いた後、2010年にクリエイティブディレクターに就任。2024年春夏コレクションを最後にブランドから離れ、2024年9月にマシュー・M・ウィリアムズ(Matthew M Williams)の後任としてジバンシィのクリエイティブディレクターに任命された。
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2025年秋冬ウィメンズコレクションは、ジバンシィの最初のメゾンであるアルフレッド・ド・ヴィニー通り8番地の邸宅の改装中に、隠し戸棚の中から発見されたユベール・ド・ジバンシィによるデビューコレクションのパターンが起点になったという。ショー会場に並べられた椅子は、それらのパターンが入っていた茶封筒が再現された。バートンは「私にとって、パターンカッティングやクラフツマンシップに立ち戻るのは本能的なもの。カット、シルエット、プロポーション——それが私の感覚であり、クリエイションの本質です」と話している。
ファーストルックはトルソーを模したボディスーツで、胸には新しいブランドロゴ「GIVENCHY PARIS 1952」を刺繍。続くルックも無駄を削ぎ落としたミニマルなスタイルをベースに、シルエットに重きを置いた。力強いショルダーとウエストを強調するジャケットやコートは、メンズのテーラリング技術と女性的な曲線美が融合している。また、断ち切りのディテールといった"ワークインプログレス"の手法など、アトリエでの服作りの過程から美を見出した。ユベール・ド・ジバンシィのクリエイションが重要な着想源となり、象徴的なモチーフであるスカーフやリボン、コクーンバックのシルエットをモダンに解釈。アンティークのコンパクトやミラー、パフといったコスメが散りばめられたミニドレスも、ユベール時代のミューズから着想を得ている。アシッドイエローが差し色となり、ラストルックのドレスは140メートルのチュールで作られるなど、オートクチュールの技術がふんだんに用いられた。
バッグの新作として「ピンチ(The Pinch)」と「ファセット(The Facet)」の2型を発表。ユベールの邸宅の壊れたシャンデリアから着想を得たイヤリングといった、ストーリーを感じさせるアクセサリーがスタイルを仕上げた。
バートンはショーの後のバックステージで、フランスの代表的なメゾンを手掛けることについて「どこにいても、自身のストーリーを語らなければならないと思います。メゾンの象徴を確立することは重要ですが、私たちが生きている今の世界で何を伝えたいか、人々にどう感じてもらいたいか、感情に結びついたものであるかということも大切だと思っています」と語った。今回のデビューコレクションでは「現代の女性像を包括的に示すものでありたい」という思いを込めたという。また今後に向けて「学生に向けたワークショップなども行っていけたら」とし、次世代の育成に向けたアイデアについても語った。

ジバンシィ 2025年秋冬コレクション
Image by: GIVENCHY














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