リニューアルしたアットコスメトーキョーの店内
Image by: アイスタイル
アットコスメ(@cosme)初の旗艦店として2020年にオープンした「アットコスメトーキョー(@cosme TOKYO)」は、3月5日に初の改装オープンを迎える。開業後程なくしてコロナの流行により休業を余儀なくされたが、営業再開後は人流の復活に伴い回復し、2024年は年間売上高が約80億円、月間来店者数は23万人に上るほどに成長。アイスタイルのリテール事業をけん引する店舗へと拡大した。今回のリニューアルでは、約750ブランド、2万7000アイテムを揃え、アットコスメストアの強みである“コスメとの出合い”を軸に、生活者の“したくなる”を掻き立てる店舗づくりを強化。アイスタイルの遠藤宗社長COOは、「生活者とブランドの出合いを第一にした結果論ではあるが、早い段階で年間売上100億円規模に乗せたい」と意気込む。
リニューアルでは、店舗のアイコンとなっている“ベスコスウォール”やランキングゾーンなどアットコスメらしい編集ゾーンは残しながら、目玉として3階にフレグランスゾーンを新設。ラグジュアリーブランドからニッチブランド、日本ブランドまでを集積し、国内最大級の品揃えとなる約70ブランドの約400SKUを取り扱う。香りのイメージを24種類の色と言葉で説明した独自のインデックス機能を導入したほか、AIを駆使し香りの言語化し好みとマッチングするシステム「カオリウム」も設置。フレグランスとの“出合い”を楽しめるコンテンツを揃えた。遠藤社長は「フレグランスは今や世界的な化粧品メーカーの業績を支える重要なカテゴリー。日本ブランドも増え、生活者の方々の興味関心も高まっている。バラエティ豊かな売り場をつくることで、日本のフレグランスカルチャーを盛り上げる一助となれば」と期待を寄せた。
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また、新たな取り組みとして、ミニサイズコスメのコーナーを設けた。「無料サンプルはブランドにとっても“コスト”になるが、ミニサイズとして販売すれば多少なりとも売上につながる。ある程度の量を試せた方が、納得した上で現品サイズを購入する動線にもなりやすい」(遠藤社長)。加えて、近年人気カテゴリーに成長しているというシートマスクに特化した「シートマスクウォール」のほか、「ネクストトレンドゾーン」や「トウリュウモン」といった限定品や注目アイテムを提案するゾーン、サプリメントなどを集めた「インナービューティタワー」などの編集コーナーも豊富に設け、“出合い”の創出に力をいれる。店内回遊の向上のため店内配置を見直し、通路幅を広げるなど、ユーザービリティのテコ入れも図った。サービス面ではギフト需要の高まりを受けて、セルフラッピングコーナーを開設した。
遠藤社長は、100億円規模の達成には客数と購入点数の向上が鍵だと話す。「アットコスメでは一貫して、客単価をKPIとしなかった。単価だけで見るとブランドや商品に偏りが出てしまうが、これは“コスメとの出合い”を謳う我々が負うべきものではない」とし、客数と購入点数が上がれば自ずとブランドと生活者の接点創出につながり、その結果が店舗の売上に出ると方針を述べた。
客数の増加には魅力的なブランドの出店や情報発信が必要だとし、リニューアルでは「スック(SUQQU)」や「SK-II」「RMK」「アスレティア(athletia)」「プラダ ビューティ(PRADA BEAUTY)」(フレグランス以外は4月25日以降)など国内外で人気を集めるブランドを新規導入。2階入り口にもプロモーションスペースを設け、1階の既存プロモーションスペースと併せて“いつ来ても新鮮”な売り場づくりを狙う。情報発信においては、限定品や先行販売などを行う出店ブランドの協力が不可欠とした。
近年ではインバウンド客も増加し、同店の売上比率は約35〜40%に上る。ただ、コロナ以前に目立っていた“爆買い”ではなく、最近では海外からの客もカウンセリングありきでの購入が特徴だという。言語の壁は翻訳ツールを駆使するスタッフの努力によってまかなえているが、今後は顧客満足度を上げるため、人材育成への投資も継続する考えだ。「国内外の比率をシビアに狙っているわけではないが、いずれにしても人を介した顧客体験は売上貢献につながることが分かっている。近年のリテールのM&Aでは、売場や運営機能だけでなく人材の獲得にも寄与していて、ノウハウを学ばせていただいている。そういった意味で、今後もM&Aは視野に入れていく」と述べた。
同社の中期経営計画では、グループ全体で売上高1000億円を目指し、うちリテール事業で800億円を計画。内訳として、店舗500億円、EC300億円としている。ただし、達成の計画として店舗数の増加ではなく、既存店舗を拡張しながら坪効率を維持する方針だという。6月頃には東海地方初の旗艦店となる「アットコスメナゴヤ(@cosme NAGOYA)」のオープンが控え、年内に海外初旗艦店として香港に進出する予定だ。
■「@cosme TOKYO」店舗概要
リニューアルオープン日:2025年3月5日(水)
所在地:東京都渋谷区神宮前 1-14-27
営業時間:11:00~21:00
売場面積:約1300平方メートル
定休日:不定休

リニューアルしたアットコスメトーキョーの店内
Image by: アイスタイル







































リニューアルしたアットコスメトーキョーの店内
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