動き出す前の生命の美しさを知っている

神宮前交差点・八角館ビルのスペース、M-SPACE JINGUMAEで、瀬戸優による彫刻北極展「ARCTIC POINT # 66°33′50.3″N」が開催される。2025年2月21日（金）〜2月27日（木）まで。

自然科学を考察し、生命感溢れる動物彫刻家として知られる瀬戸優。1/1 スケールでしか表現できない空気感にこだわりを持った躍動的な作風が特徴的。2024年には株式会社subigを設立し、野生動物の環境を守るための継続的な寄付を目的にプロダクトデザインを手掛けている。

本展では、北極圏の過酷な自然環境と、そこに生息する動物たちの生命力に焦点を当てた作品を展示。白を基調としたシンプルな空間で北極の雪原や広大な大地をイメージさせるとともに、"遠くにいる"存在への想像力を刺激する作品群を披露する。

あえて“作り物らしさ”を残しつつ、“生”を感じさせることを目指す瀬戸。素材であるテラコッタ（土器）にわざと指跡を残すなどの工夫で、"動き出しそうで止まっている瞬間"の表現を試みる。

「本当に動物たちが好きで、世界のどこかで彼らが生きていることに感動しているんです。“遠い場所を想像する”、“まだ会ったことのない生き物に思いをはせる”。そんなきっかけづくりになればと思います。」（瀬戸優 ステートメントより抜粋）

会場の「八角館ビル」も、瀬戸の展示を最後に取り壊しが決まっており、まるで北極の動物たちと共鳴するように”滅びゆく存在”を感じさせる。本展は生命の躍動感とともに、失われつつあるものにも目を向けさせてくれる展示となるはず。

■概要
瀬戸優彫刻北極展【ARCTIC POINT # 66°33′50.3″N】
開催期間：2025年2月21日（金）〜2月27日（木）
開催場所：M-SPACE JINGUMAE
住所：東京都渋谷区神宮前6-4-1八角館ビル1F
営業時間：10:00-19:00
定休日：会期中なし