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■ロボット開発のスターシップ・テクノロジーズは現在、全米の大学キャンパス50ヶ所以上に出前ロボ・サービスを提供している。
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昨年9月からの新学期からは生徒数が約5万人のミネソタ大学や生徒数や教職員を含めて3万人を超えるニューメキシコ大学などにも出前ロボが稼働を始めたのだ。
キャンパス内を中心にインフレ下でも出前ロボ注文が盤石であることを浮き彫りにしている。
初のキャンパス内展開となったバージニア州フェアファックスにあるジョージ・メイソン大学から5年以上経ち、50ヶ所以上のキャンパス内の累計稼働実績は700万件にものぼっているのだ。
ジョージ・メイソン大学だけでも60台近くも配置されており、国内の多くのマンモス大学に配置していることで現在では生徒数150万人が対象となっているのだ。スターショップは2022年10月、250校以上の大学と提携するフードデリバリー大手のグラブハブ(GrubHub)との協業を発表しキャンパス内のロボ出前が急拡大中となる。
現在までに海外展開を含めスターシップの出前ロボによる累計の走行距離は850万マイル(1,400万キロメートル弱)を超えているのだ。
スターシップのデリバリーロボットは高さが55.4センチメートル、横幅が56.9センチメートル。奥行きは67.8センチメートル。重量は50ポンド(23キログラム)となる、大きめのクーラーボックスのような形状だ。
このロボットにはカメラやセンサー、制御システム、通信機器、LED、バッテリーを搭載。時速3.7マイル(6キロメートル)で走行し6つの車輪で風・雨の強い日でも稼働できるようになっている。
上部にあるカバーを開けると注文品を入れるスペースが用意されており最大22ポンド(10キログラム)を運ぶことができる。
スターシップの容量は食品スーパーの買い物袋で1台3袋程度の容量となる。
配達場所はキャンパス内で指定した場所がピックアップポイントとなり、キャンパスに広さにもよるが注文から20分以内に学食のファストフードなどから配達する。
なおスターシップのロボット配達を利用するには専用のアプリを使用することになる。アプリでピザなどを注文し、注文品を受け取るピックアップポイントをアプリ上のキャンパスマップにピンで指定する。
ロボットの動きはアプリからモニターできるようになっており、ピックアップポイントに到着するとアプリに通知が届くようにもなっているのだ。
受け取りはアプリを操作しカバーを開錠し注文品をピックアップする。99%自動走行だが、専門スタッフがモニターも行っている場合もあるという。
オンデマンド・ロボット配達サービスの手数料は値上げされ3.09ドル。
一方、受注側となるレストランでもロボ出前のプロセスは単純だ。受注すると注文ラベルがプリントアウトされる。ラベルのバーコードをスキャン後、調理を開始。
出来あげれば店の前に待機している出前ロボのQRコードをスキャンし蓋を開けて注文品を入れるだけだ。あとは自動的に注文品を注文者に届けることになる。
流通DXワークショップ研修では先日、スターシップの出前ロボ展開を行っているカリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)にてロボ出前の注文をおこなった。
163の建物があるUCLAキャンパスは419エーカーの広さがあり、東京ドームにして36個分にもなるのだ。
広大なキャンパスの8割以上を対象エリアとして出前ロボットが縦横無尽にピザやコーヒー等を届けるために2021年初頭から走り回っている。
出前ロボットの利用は専用アプリ「スターシップ-食品宅配(Starship - Food Delivery)」をスマートフォンにダウンロードするところから始める。
無料アプリをダウンロード後、起動すると国内キャンパス30ヶ所近くのデリバリー地域が表示される。そこからUCLAを選択するのだ。
なおカリフォルニア州ではUCLAにカリフォルニア大学アーバイン校(UCI)のキャンパス内でも配達をおこなっている。
UCLAを選択後は以前までキャンパスの地図(航空写真も)を指で動かし、ピックアップポイント(delivery point)を設定することになる。次に学食店のページからメニューの選択を行う。
筆者はティーラテなど(合計金額18.60ドル)を購入。
クレジットカードを登録後は注文品、消費税(3.62ドル)と配達手数料(3.09ドル)を含んだ合計金額(25.31ドル)が表示される。すぐに決済ボタンでチェックアウトだ。
ただ以前まであった決済前の電話番号を入力する確認作業は省かれていた。
届くまではピックアップポイントと進捗状況を示したマップ画面になる。
その後は到着予定時間に「注文を承りました(We've got your order)」「調理中(Prepairing order)」、そしてマップ上で移動するロボットが示される「ロボットのお届け中(Robot on its way)」のステータスを示すのだ。
ロボットが到着するとショートメッセージに画面が「ロボット到着(Robot arrived)」となり、「隣にロボットがいます(I'm next to the robot)」の確認ボタンが表示される。
確認ボタンをタップ後に「解除(Unlock)」ボタンを押す。「こんにちは!配達品です(Hello!here's a delivery)」との音声が聞こえるのでカバーをマニュアルで開け、注文品をピックアップするのだ。
ただしここで終わりではない。マニュアルでカバーを閉めたあと、画面は注文品を受け取りましたか?となる。
最後にロボットを「送り出します」のボタンを押すことで「ありがとうございました!(Thank you, have a nice day)」と言ってロボットが再び動き出すことになるのだ。つまり利用者が確認するまでは一定時間、ロボットはその場にとどまることになる。
ウェイモのロボタクシーを利用した直後にUCLAにて出前ロボのイノベーション体験だったので参加者は大きな衝撃を受けていた。
トップ画像:UCLAで出前ロボから注文したティーラテを取り出す流通DXワークショップ参加者。ティーンや20代が行き交うキャンパス内での流通イノベーション体験に表情も緩む。
⇒こんにちは!アメリカン流通コンサルタントの後藤文俊です。流通視察のイノベーション体験でクライアントや参加者の表情を見るのが大好きです。日本では前代未聞となるイノベーションでは人によって反応が大きく異なります。普段はワイワイガヤガヤとお騒ぎするのに急に口を閉ざしたり、おじさんでも女子高生のようにキャーキャーと騒いだり、微妙に表情を緩ませる人もいます。ただし目を見れば感動しているのがよくわかります。なぜなら瞳孔が開いた、バッキバキの目をしているから(笑)。ただ一通り感動した後は皆さんの態度は同じように見えます。大人しくなると言うか、考え込むのです。自分たちが思い描いていた流通業の未来と実際にアメリカで体験した現実とのギャップを埋めあわせるのに苦労するからです。誰でも今の自分の現在位置から未来を想像します。買い物の未来も商品や売り場、お店を主体にして未来を描こうとします。しかし日本より顧客主義が進むアメリカでは斜め上の視点で進化しています。お客が店に行くのではなく、店がお客に近づくというように逆転している発想に驚くのです。
クライアントがロボタクシーで移動中、車窓からサイドウォークを走る出前ロボを見かけることがあります。イノベーションは人間が基点です、売り場だけでイノベーションは起きません。
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