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■当社の流通DXワークショップでは、参加者の朝食や昼食もスマートフォン・アプリを介したモバイルオーダーで注文する研修を行っている。
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参加者の朝・昼の食事はコーヒーチェーン最大手や外食チェーン大手等でとるのだが、実際にアプリ注文してそれぞれのメリットやデメリットを体験から学ぶのだ。
特にスターバックスのモバイルオーダーは反面教師となるとても参考になる事例だ。
スターバックスでは過去2年間、ハワード・シュルツ氏を含む4人がCEOに起用された。多くが短命に終わった原因の一つがモバイルオーダーの問題を解決できなかったことが挙げられる。
前CEOのラクスマン・ナラシンハン氏は1月~3月期の決算声明でモバイルオーダー利用について「午前中の売上の60%以上はアプリを利用するリワード会員から来ています」とし「モバイル・オーダー&ペイの堅調な売上にもかかわらず10%台半ばの注文未完了率が見られました」と述べた。
ナラシンハン氏は「モバイルオーダー&ペイ顧客はカートに商品を入れ、長い待ち時間や欠品等を理由に注文を完了しないことがあります」と語っていたのだ。
つまりモバイルオーダー&ペイでは、実に7~8人に一人の割合で決済を完了せずに「寸止め」していたということになる。
寸止め注文にスターバックスのお店で待たさられることや、朝食等の売り切れを懸念して、と想定しているのだ。
スターバックスのモバイルオーダー&ペイは第1四半期(10~12月期)で売上全体の31%にも占めるに至っている。
同時に店舗での待ち時間が30分近くにも達するとの指摘もあるのだ。
当社のワークショップでは朝食にスターバックスのモバイルオーダーを利用して、この問題点の原因とその解決策まで明らかにしていく。
その一方で昨年9月にスターバックスCEOに就任したブライアン・ニコル氏は、ワークショップの答え合わせをするように解決策を徐々に打ち出している。
実際にニコル氏はスターバックスのブランドがモバイルオーダーで"蝕まれている"と語っている。
モバイル注文の飲み物は平均してカウンターに6~8分間も置かれているため、顧客は結局最高の商品を手にすることができていないとも指摘した。
1月28日の決算発表時にニコル氏はメニューの品目数を減らし、店舗にデジタルメニューボードを設置する計画を明かしている。モバイルオーダーでも注文数に制限を設けるというのだ。
モバイルオーダーでの成功事例はどうなのだろうか?
当社のワークショップでは48州に約3,000店を展開するチキン・サンドウィッチ・チェーンのチックフィレ(Chick-fil-a)でもモバイル注文を行っている。
チックフィレのモバイルオーダーもケーススタディとしながら参加者に昼食をとってもらうのだ。移動中にモバイル注文し、店に到着した際にジオフェンシング機能で決済を完了する。
ジオフェンシングとは地図上にバーチャルなフェンスを設置する技術だ。
特定のフェンス内に対応端末をもつ利用者が入った時、アプリの画面が変わるなど「モバイル端末のGPS機能」を活用し、予め決めた処理を自動的に行う機能のことだ。
マクドナルドやチックフィレではモバイルオーダーで注文しても利用者が店のエリア内にいなければ注文や決済ができないようになっている。
言い換えれば利用者が店内もしくは近くにいて、初めて注文・決済ができ、調理が始まるようになっているのだ。
チックフィレでモバイルオーダー後、お店の近くに行くと画面が変わり「到着しました(I'm here)」のボタンが現れるようになっている。
このボタンをタップすることで注文が確定し決済となり、調理が始まる。ジオフェンシングによって注文後、利用者が店に現れないということがなくなるのだ。
我々が行くチックフィレではテーブル番号を入力できるようになっていたため、参加者がいるテーブルに注文品を運んでくれたりする。
これにより待たされることなく、アツアツのチキンサンドイッチにありつけるのだ。
チックフィレのモバイルオーダーに対してスターバックスのモバイルオーダー&ペイはDX黎明期に導入したものだ。したがってシステム自体が旧式なものになる。
スターバックスではモバイルオーダーで受信すると厨房にあるプリンタが注文ステッカーを発行する。
注文ステッカーには顧客名とメニューが書かれており、該当するサイズのカップ(サンドウィッチなどは紙袋)に貼って、バリスタが準備することになる。
注文が一方通行であり、どんなに忙しくても注文ステッカーをプリントアウトすることになる。
今回の解決策ではモバイルオーダーの数に制限を設けるというが根本的な解決にはならないと推測している。システムを大幅に刷新しないかぎりは小手先のソリューションで終わってしまう。
我々が学ぶべきはリアルに事例を見せながら「だから何?」の"So What?"に、原因として「なぜ?」の"Why So?"を共有することだ。
最後に解決策に洞察を得ながら「では我々は何をすべきか?」の"Now What?"をシェアする。モバイルオーダーの問題解決の事例から大きな示唆を得られるのだ。
⇒こんにちは!アメリカン流通コンサルタントの後藤文俊です。モバイルオーダー、一つとっても企業の姿勢が浮き彫りになります。極めてうまくデザインされているものもあれば、全く駄目なモバイルオーダーシステムもあります。巧みなのはチックフィレで失敗事例はスターバックスです。例えばNYマンハッタンにあるスターバックス・ピックアップ・ウィズ・アマゾンゴーでモバイル注文したら、注文が近所のスタバに飛ばされていたことがありました。しかも2回。悪い事例にはシェイクシャックもあります。シェイクシャックはメニューが豊富で参加者もモバイルオーダー時のメニュー選択も念入りにしました。が、全員分が決まって決済しようと思っても決済できないのですよ。これには参りました。結局、アプリにある注文データを見せながらレジ注文しました。理由は注文金額が大きかったことが要因だと思います。シェイクシャックのモバイルオーダーはピックアップ時間を自分で決めて入力します。そのため一度に大人数でのモバイルオーダーは、ピックアップの遅延等、過去に何かしらのトラブルがあったのではと推測しています。
米国流通視察では、朝食もランチもモバイルオーダーがデフォルトです。ゆっくりメニューを選択できて、美味いもの食えて、さらに多くことまで学ぶのです。
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