アメリカ人の90%がネットスーパーを利用 日本の食品スーパーが考えるべきこととは
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当社の流通DXワークショップ研修でネットスーパー体験する参加者。ネット注文からチェックイン、カーブサイド・ピックアップで注文品を受け取り、さらに返品までのカスタマージャーニーを行う。ネットスーパーはいまや米国人のほぼ全員が体験しているのだ
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当社の流通DXワークショップ研修でネットスーパー体験する参加者。ネット注文からチェックイン、カーブサイド・ピックアップで注文品を受け取り、さらに返品までのカスタマージャーニーを行う。ネットスーパーはいまや米国人のほぼ全員が体験しているのだ
アメリカ人の90%がネットスーパーを利用 日本の食品スーパーが考えるべきこととは
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当社の流通DXワークショップ研修でネットスーパー体験する参加者。ネット注文からチェックイン、カーブサイド・ピックアップで注文品を受け取り、さらに返品までのカスタマージャーニーを行う。ネットスーパーはいまや米国人のほぼ全員が体験しているのだ
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■流通視察でアメリカに訪れた際、ネットスーパーの買い物体験は不可欠な研修だ。当社の流通DXワークショップ研修でもクライアントにはチェーンストア最大手のウォルマートでネットスーパー体験をしてもらっている。
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ウォルマート・アプリを介してオンラインで生鮮品の買い物を行うのだ。筆者は10年前から多くのエビデンスを通じて何度もネットスーパーの重要性を訴えてきた。
ここにきて言い逃れができない、新たな証拠が明らかにされた。
ネットスーパーの普及が当初の予想以上に加速しているどころか、ほとんどの米国人がネットスーパーを行っているとの調査結果が発表されたのだ。
大手スーパーマーケットチェーンから個人経営の食品スーパーまで加盟する食品流通業の協会団体であるFMI(食品産業協会:The Food Industry Association)と消費者の購買行動を調査するニールセンIQが3日に発表した「デジタルエンゲージメントが食品の買い物を変える(Digital Engagement Transforms Grocery Shopping)」で明らかにした。
このレポートによると米国では90%以上がリアル店舗とオンラインの両方で買い物をしているというのだ。
つまり米国人90%以上となることで米国人のほぼ全員が実店舗だけでなくネットスーパーも利用していることになる。
FMIとニールセンIQでは8年前、2025年までにデジタルエンゲージメントの高い食品購入者の支出額が1,000億ドル(約16兆円)となり普及率も20%に達すると予測していた。
今回のレポートではこれらの予測が達成されるだけでなく、それらの数値を大きく上回ったことが明らかになったのだ。
同時に2027年までに米国のネットスーパー販売が3,880億ドル(約60兆円)、普及率がほぼ25%に達するとも予測している。
売上高は2024年の2760億ドルから今年は3110億ドル、2026年は3490億ドル、そして2027年には3880億ドルと見込んでいるのだ。
普及率も2024年の19.0%から今年は20.9%、2026年は22.8%、そして2027年には24.7%になるとの予測だ。
またネットスーパー利用ではカーブサイド・ピックアップが31%と最もよく利用されており、当日宅配の29%、通常配達の23%、店内で受け取る店舗ピックアップの16%となっている。
FMIでは「消費者はニーズを満たすために、店内体験とオンライン体験をシームレスに融合させています」と指摘。
またニールセンIQも「デジタルエンゲージメントはもはや補完的な戦略ではなく、成長に不可欠なものなのです」と言及しているのだ。
ネットスーパーのフロントエンドはウェブのホームページに想定するが米国ではストアアプリが重要になってくる。
ネットスーパーの買い物体験がアプリを通じて手間なくスムーズ且つ便利に使えることが非常に重要なのだ。
今回のレポートでもネットスーパー利用者の41%がメインのお店や買い物をする場所を決める際、店舗アプリの使いやすさ等の品質が重要な要素であると考えていることが確認されている。
使い勝手のよい高品質アプリは特にZ世代などの若い世代の買い物客のロイヤリティを獲得する効果的な方法である、と指摘している。
ネットスーパーではフロントエンドとなるアプリのユーザー・インターフェイスはリアル店舗の売り場にも匹敵するほど大切な部分だ。
バーチャルな売り場はユーザーが直接触れる部分であり、視覚的に魅力的でパーソナライズもされており直感的な操作が必須となり重要な役割を担っている。
上記に示した通り、日本で想像される以上にアメリカではネットスーパーが盛んに利用されている。
その一方で特に高齢となる食品スーパーの経営者や上層部、専門家等はネットスーパーを過小評価しがちだ。
変化を嫌うこともあり、アメリカでネットスーパーが重要だと言っても頑なに向き合おうとしない姿がある。
人は理解できないものには否定してしまうバイアスや性(さが)があり、わざわざ米国で流通視察を行ってもネットスーパーを体験しないのだ。
ひどい場合には"ベーシック"などという体裁の良いワードを使って、若い参加者にネットスーパーを体験させないようなものもある。
ただ日本の食品スーパーが考えなえればならないのは「今いる社員」より「将来のある社員」に向けて米国研修を行うことなのだ。
ウォルマートでもネットスーパーを含むEコマース売上が全体の18%にまで伸びている事実がある。
馬車からクルマの時代になる時代に、馬車しか学習しないのではデジタル敗戦企業に成り下がるだけなのだ。
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