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「Google Ventures」のUXリサーチの極意

サンフランシスコ発デザイン会社の公式ブログ
btrax

先日、Google VenturesのUXリサーチパートナーである、Michael Margolisさんがゲスト出演したLenny’s Podcastのエピソードを聞く機会がありました。

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このエピソードでは、UXリサーチを迅速かつ効果的に行うための具体的な方法論が紹介されており、btraxのプロジェクトで実践している方法と非常に重なる内容でした。

Michaelさんと彼のチームは、ハンドブック:「Learn More Faster」にUXリサーチの極意をまとめており、実践的なアドバイスが多く記載されております。以下では、Podcastにおいて特に印象深かったポイントと、btraxにおける筆者の業務との関連性を交えてご紹介します。

「全員がターゲット」はNG!5人の“的確な顧客”を特定

UXリサーチにおけるよくある課題のひとつは、ターゲット層を広く設定しすぎることです。筆者がサンフランシスコで起業家たちに「ターゲット顧客は誰ですか?」と尋ねると、「若者も高齢者も、男性も女性も、誰でも使えるプロダクトを目指している」と答える人が少なくありません。

一見すると魅力的な戦略のように思えますが、このアプローチでは得られる洞察が曖昧になり、プロダクトの方向性が定まりません。

筆者は20以上のプロダクトチームでUXリサーチを3年以上経験しましたが、このような広範なアプローチの難しさを痛感しています。

PodcastでMichaelさんは、真に価値のあるインサイトを得るためには「的確な顧客(Bullseye Customer)」を特定することが重要だと説いています。この顧客は単なるデモグラフィックデータではなく、特定の特性、行動、過去の経験によって定義されます。

また、彼は1日に5人の的確な顧客をインタビューし、そこから得られる質の高い洞察を最大化することを推奨しています。また、インタビュー候補者の選定においては、以下の点が鍵になると言います:

プロ意識:メールの返信スピードや対応から相手の関心度や熱意を判断する。

報酬:適切なインセンティブを提供することで、質の高い協力を得る。

これらは筆者自身も日々のリサーチで実感しているポイントであり、的確なターゲットを定義することがプロジェクトの成功にどれだけ重要かを再認識しました。

またGoogle Venturesでもbtraxと同様に、Userinterviews.comやRespondentのようなプラットフォームを活用し、インタビュー参加者を見つけている点は興味深いと思いました。

3つのプロトタイプで深掘りするユーザー洞察

過去3年間に渡って筆者がファシリテーターを務めるデザイン思考のワークショップでは、インタビュー時にアプリのワイヤーフレームを使用します。通常は2つのプロトタイプを提示しますが、Michaelさんは「3つ」のプロトタイプを提示することでインタビュー参加者からより深い洞察を引き出せると提案しています。

選択肢が3つあると、参加者がそれぞれの違いや好みについてより批判的に考えるようになり、なぜそれを選ぶのかという具体的な理由が明らかになります。また、AIツールの進化によりプロトタイプ作成が短時間で可能になった現在、このアプローチはますます実践的で効果的な手法になると感じました。

“Watch Party”メソッドによる1日集中型リサーチ

Michaelさんの提案の中で最もユニークだと感じたのが、「全てのインタビューを1日に集中して行い、関係者全員がその場で観察・議論する」という“Watch Party”メソッドです。この手法のプロセスは以下の通りです:

  1. 目標設定:インタビュー前に全員でゴールや重要な質問を共有し、認識を合わせる。
  2. リアルタイム観察:インタビューの様子をライブ配信で共有し、全員でその場で議論する。
  3. 迅速な振り返り:インタビュー直後に議論を行い、得られた洞察を即座に共有する。

特に印象的だったのは、ステークホルダーがインタビューをライブで観察することで、プロセスへの理解が深まり、意見共有がスムーズになる点です。

また、Michaelさんは「夜眠れなくなるほど気になっていることは?」といった質問を例に挙げ、ユーザーの本音を引き出す重要性を強調していました。

このような問いかけは、テクノロジーに関する表面的な感想ではなく、ユーザーの率直なインサイトを引き出すのに役立ちます。

さらに、国際プロジェクトでは時差の影響で時間調整が困難になることが多いですが、Michaelさんはインタビュー前後のスケジュールを事前に確保し、効率的に進行する重要性を指摘しています。

“Watch Party”メソッドを活用しユーザーの声を直接聞いていただくことで、インタビューのレポート作成にかかる時間やコストを削減でき、その分のリソースをプロダクト改善に充てることが可能になるのではないかと筆者は考えます。

最後に

Michaelさんのフレームワークは、「効率」と「即時性」を重視したリサーチ手法で、btraxのUXリサーチアプローチとも多くの共通点があります。的確な顧客の特定、3つのプロトタイプによるインサイト取得、そしてWatch Partyメソッドによる集中型リサーチの実践は、プロジェクトの成果を大幅に向上させる可能性を秘めています。

筆者自身、「時間をかければ良い結果が得られる」という従来の考え方を見直し、「いかに効果的に時間を使うかを重視することの大切さを再認識しました。

クライアントにとっても、結果を待つ時間が短縮されるだけでなく、リサーチプロセスそのものに参加することで、より即時的な価値を得ることができます。

過去のFreshtraxでも日本式のミーティングについて弊社のCEOのBrandonが語っております。

btraxでは長期的なエンゲージメントを推奨することが多いですが、このような短期集中型セッションを取り入れることで、クライアントにもチームにも新しい発見と価値を提供できると感じています。筆者もMichaelさんの「Learn More Faster」をこれからも読み込み、チームやクライアントと内容を共有していきたいと思います。

btraxでは、これらの手法をさらに発展させ、クライアントと協力しながら、プロダクトの成功に向けたお手伝いをしています。

UXリサーチの見直しや新しい手法の導入をお考えの方は、ぜひbtraxにご相談ください。プロフェッショナルなサポートを通じて、貴社の次のステップを共に実現していきましょう!

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