米、2024年の店舗閉鎖がパンデミック以降最高レベルに 消費者はアマゾンやコストコに流れる
クリスマス直前に倒産したコンテナストア。様々な収納品が揃う売り場には「20%オフ」の札が貼られていた。
クリスマス直前に倒産したコンテナストア。様々な収納品が揃う売り場には「20%オフ」の札が貼られていた。
米、2024年の店舗閉鎖がパンデミック以降最高レベルに 消費者はアマゾンやコストコに流れる
クリスマス直前に倒産したコンテナストア。様々な収納品が揃う売り場には「20%オフ」の札が貼られていた。
■調査会社のコアサイト・リサーチは23日、昨年の店舗閉鎖がパンデミック以降で最高レベルに達したことを明らかにした。
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アプリなどで便利な買い物を提供するウォルマートやアマゾンなどの少数の勝ち組に消費者は流れており、今年はさらに多くの店舗が閉鎖するとの予想だ。
同社のデータによるとパーティ・シティやメイシーズなどの大手チェーンの閉鎖店舗数が2024年、7,325店にも上った。
コロナ禍で1万店近くが閉鎖となった2020年以来の高い水準だ。
今年は1月10日時点で1,925店の閉鎖がアナウンスされているのだ。
大量閉鎖となる主なチェーンストアはクリスマス直前に廃業が明かされたパーティシティ(850店)や昨年9月に連邦破産法第11章を申請し1,300を超える店舗すべてを閉店すると発表したビッグロッツ。
さらに大量閉鎖が予定されているチェーンにはウォルグリーンやセブン・イレブン、メイシーズも含まれている。
コアサイト・リサーチでは老舗ブランドの一部が破産申請し規模を縮小したり、企業清算で全店閉鎖することで今年は約1万5,000店舗の閉鎖を予測している。
これは市場シェアを拡大する"勝ち組"小売企業と、シェアを失った"負け組"小売業者との間の大きな格差を反映している。
勝ち組となっているのアマゾンにコストコ、そしてウォルマートだ。
パーティシティやコンテナストアなど倒産した負け組企業は2024年、51社にものぼり前年の25社から倒産件数が2倍にもなっているのだ。
その一方、全米小売業協会(NRF)は23日、11月~12月の年末商戦売上が前年に比べて4%の増加となったと発表した。
NRFは昨年11月、年末商戦の売上が前年から2.5%~3.5%の増加との予過だった。9,795億ドル~9,390億ドルとの当初予想から実績は9,941億ドルとなったのだ。
これはコロナ禍前となる2010年~2019年の年末商戦期の成長率の平均3.6%増とほぼ一致している。
面白いことに大量閉店にもかかわらず、小売業界の雇用数も減少していない。
労働統計局は今月初め、小売業の雇用は2023年に月間約1万人の雇用が追加された後、昨年は「ほとんど変化しなかった」と述べている。
小売トレンドとしては専門小売チェーンが苦戦していることが浮き彫りになっている。
12月にはコンテナストアが破産保護を申請し、ディスカウント小売チェーンのビッグ・ロットも12月から全店で閉店セールを開始。
生地・手芸用品小売チェーンのジョアンは今月初め1年で2度目の破産申請を行ったのだ。
需要が減少しているのではなく、いつものように競争が激化しているのだ。
先に上げた勝ち組のアマゾンやコストコ、ウォルマートが負け組から顧客を引っ張っている他、中国のEC企業であるシーイン(Shein)とテミュー(Temu)がディープディスカウントで最弱"老舗"小売チェーンから顧客を引き剥がしている。
たとえわずかな顧客流出であっても家賃や人件費等の固定費が重くのしかかる小売チェーンにとっては大きな打撃となるのだ。
例えばメイシーズのようなショッピングモールの核テナントが閉鎖となると周囲にある小規模な小売チェーンもマイナスの影響を受けて撤退する。
ショッピングモールから大量に閉店すれば、フィットネススタジオやクリニック、賃貸アパートなどに取って代わられる。
コロナ以降、リモートワークやハイブリッドワークでビジネス街から人が消えている。消費者の来店パターンが大きく変わるため、店舗立地も大きく変わってきているのだ。
ほとんどの小売チェーンは大幅な店舗面積の拡大を行えず、ダラーストアのように最近まで店舗を大きく拡大していたチェーンでさえ店舗拡大には慎重になっている。
しかしウォルマートは店舗数を大幅に減らしているにも関わらず、毎年売上を伸ばしている。オムニチャネル化で競合店の売上を飲み込むようになっているのだ。
小売チェーンにとって希望の持てるニュースもある。米国では昨年、店舗の新規出店数が5,970店にも上った。コアサイトリサーチが店舗数を追跡し始めた2012年以来では最高の数値となっている。
2025年もほぼ横ばいで推定5,800店が新規出店すると予想している。
見方を変えれば激しく変化するアメリカ小売業の"新陳代謝の象徴"でもある。
生存競争において環境に最も適したものが生き残る適者生存がアメリカ流通業で顕在化しているのだ。
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