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アメリカで「AIレジ」が普及 最短10秒で支払いを完了

アメリカで「AIレジ」が普及 最短10秒で支払いを完了

在米28年のアメリカン流通コンサルタント
激しくウォルマートなアメリカ小売業ブログ

■スマート・チェックアウトを開発するマシジン(Mashgin)は15日、同社のAIレジが昨年中に4億4,000万件以上の決済を行ったことを発表した。

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コンビニ等に導入されているカウンタートップ型AIレジが米国の至る所で普及している実態を浮き彫りにしている。

マシジンのAIレジは商品をスマート・チェックアウトのカウンター(台座)に置くだけでAIが商品を自動的に認識し、会計を済ませることが可能となる。

カウンターに置かれた商品をコンピュータービジョンによる瞬時の3D画像認識で会計を済ませることができるのだ。

使い方は商品を約30センチメートル四方のカウンターに置くと隣にある縦型8インチ・タッチスクリーンに商品名と金額等を映し出す。

スクリーンの表示が「計算中(Calculating)」から「お支払いください(Ready to Pay)」に変わったら横にある決済端末にクレジットカードを挿入しチェックアウトするだけ。

公開されている動画では決済端末の横にキャッシュディスペンサーも映っていることから現金による支払いも可能と見られている。後は商品を下にある買い物袋に入れるだけだ。

決済後にスクリーンに表示されるQRコードをスキャンすることでアプリ上にレシートを送ることもできるのだ。映像にはレシート用小型プリンターも見えることでペーパーレシートの発行もできる。

マシジンではスマート・チャックアウトを利用することで最短10秒で支払いを完了でき、セルフレジよりも8倍も速く会計を済ませられるとしている。

また複数の商品もわずか0.5秒で識別でき、取引時間の中央値を7秒まで短縮しており、レジ待ち時間の短縮に非接触を実現できている。

マシジンのカウンタートップ・システムの設置は速ければ15分程度で完了。AIレジの利用料金は月間で1,000ドルとしている。

 コンビニ3,000店の他、マシジンのAIレジはアリーナやスタジアムなどにある売店での展開が進んでいる。

試合やコンサート中のピーク時における顧客体験を大幅に向上させ、売上の最大化にも寄与しているのだ。

2024年は24ヶ所のスタジアムにAIレジ導入され、合計で145ヶ所のスポーツ会場での展開となっている。

メジャー・リーグ・ベースボール(MLB)の野球場では67%にも導入されているという。

ナショナル・フットボール・リーグ(NFL)のスタジアムで展開ではマシジンAIレジを介して年間で140万点以上の商品が購入されており、平均処理時間は15秒未満となった。

これによりNFLのファンは合計630万分のレジ待ち時間を節約できたと試算されている。

 空港内では50ヶ所、大学キャンパス内は50ヶ所、スキーリゾート施設は30ヶ所で導入されており、病院には100ヶ所も導入されている。

 AIレジの普及は加速しており、ディズニーも同様なDXの実証実験を開始している。

AIレジがテスト中なのは、野球やバスケットボールなどスポーツをテーマにした「ディズニー・オールスター・スポーツ・リゾート(Disney's All-Star Sports Resort)」。

同施設内の「エンドゾーン・フードコート(End Zone Food Court)」ではレジ会計に長い行列を緩和するためテストが行われている。

フードコートで食品などをピックアップしたトレイをカウンター(台座)に置くだけでAIが食品を自動的に認識し、無人で会計を済ませられる。

マシジンのAIレジのようにコンピュータービジョンによる瞬時の3D画像認識でのセルフチェックアウトになる。

使い方は商品を40~50センチメートル四方のカウンターに置くと隣にある縦型タッチスクリーンに商品名と金額等を映し出す。

タッチスクリーンの隣にある決済端末でクレジットカードやデビットカードを非接触で支払いを終えることができるのだ。

アップルペイやグーグルペイのほか、「マジックバンド(MagicBand)」でも決済が可能だ。

腕時計のように装着するマジックバンドとは利用者が事前に登録しておくことでパークチケットやキャッシュレス決済、ディズニーリゾート内のホテル(ルームキー)に使える多機能ウェアラブルデバイス。

レシートも印刷可能な一方でキャッシュでの支払いは不可となっている。

なおディズニーのAIレジのシステムはビジョンAI開発の「オートキャンティーン(Autocanteen)」とセルフレジ開発の「エロ(Elo)」が共同で手掛けている。

トップ画像:ロサンゼルス国際空港内の売店にあるマシジンのAIレジ。

⇒こんにちは!アメリカン流通コンサルタントの後藤文俊です。決算発表の数字は百万ドル、千ドル単位で記載されています。普段から決算書の桁数を見慣れていないと、瞬時に読むのは若干むずかしく感じるかもしれません。ただ慣れてしまえば、それほど難しくありません。カンマを区切りにして覚えればいいだけ。100万ドルは"million"、10億ドルは"billion"、1兆ドル(決算書ではあまり見ることはないですが)は"trillion"になっています。したがって記事タイトルの「440,000,000件」は「4億4,000万件」になります。AIレジのマシジンによると「4,000ヶ所以上に導入されている」とありますから1ヶ所(複数台入れているところもある)当たり1年間の平均決済数が約11万件。1日にすると300件になりますね。アマゾンが開発した自動決済システムの「ジャスト・ウォークアウト(Just Walk Out)」よりカウンタートップ型のAIレジのほうが使い勝手がいいと思います。なぜなら商品を置くという手間に加えて数秒のロスタイムがあるものの、その場で何をどれだけ、いくらで購入したかがわかるから。

 マシジンでは昨年、一部に手のひら決済まで搭載したAIレジも展開しているので、今年はもっと処理件数が向上しそうです。

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