■またしてもチェーンストアが廃業する。1986年創業でパーティグッズ専門店のパーティシティ(Party City)が20日、全店を閉鎖する予定であることがわかったのだ。
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CNNなどが報じたところによると、パーティシティCEOのバリー・リトウィン氏が20日、会議で社員に向けてその日が最終勤務日となると語ったのだ。
社員は退職金を受け取れず福利厚生も終了すると突然、告げられたという。店舗も2月28日をもって閉鎖し、その時点で店舗の従業員はレイオフされるという通知を一部の店舗スタッフが受け取ったのだ。
パーティシティのホームページを確認すると「全店で最大50%オフセール」と表示されており、すでに閉店セールを開始されたことがわかる。
ネット通販最大手のアマゾンなどオンライン通販によりパーティシティはコロナ前の2019年から苦境に喘いでいた。風船を膨らますヘリウムガスが世界的に不足していることもあり不採算店となる55店舗のスクラップを行ったのだ。
2020年からのコロナ禍では三密(密閉・密集・密接)が回避されたことでパーティ需要が激減。一時的な店舗閉鎖ばかりか再開後も客足は遠のいたのだ。
さらに2022年には40年ぶりとなる物価高でパーティを行う機会が急激に減りパーティシティは2023年1月、連邦破産法第11条の適用を申請し破綻した。
リトウィン氏がCEOに就任してから1ヶ月後となる昨年9月、破産から脱却した。
しかしブルームバーグは今月初め、パーティ・シティが財政難から2度目の破産申請を検討していると報じたのだ。
報道によるとニュージャージー州にあるパーティシティ本社は12月10日をもって、本部スタッフも強制的に帰宅を命じられ本社に入ることもできなくなった。ベンダーへの出張から呼び戻された製品開発チームも直ちに帰宅するよう指示されたのだ。
一方、最近行った多くの社員とのタウンホール・ミーティングでは経営陣が財務的な問題点について一切言及しなかったため、社員にとって突然のリストラはまさに"青天の霹靂"となっていたようだ。
アマゾン以外にもパーティシティにとっての強敵は、売上高が10億ドル(1,500億円)以上を誇りカナダを含め北米に1,500ヶ所以上も店舗があるものの、短期でしか営業をおこなっていないスプリット・ハロウィンだ。
2ヶ月程度の営業で11月1日には消えてしまう、まるで"お化け"のようなお店だ。
お化けを意味する"スピリット"を冠したスピリット・ハロウィンは8月中旬から10月31日のハロウィンまでしか営業をしていないもののアメリカ人なら誰もが知る"常設店舗のない"小売チェーン。
パーティシティにとって書き入れ時となる時期にスピリット・ハロウィンは突然現れてハロウィン用のコスチュームやアクセサリーや小道具、キャンディー類などで客を奪うのだ。
2024年の今年、北米に1,525ヶ所のポップアップストアを展開したスピリット・ハロウィンは薬局チェーンやディスカウントストアなどがあった一等地を選んで出店する。
大手チェーンストアが撤退した空き家にオレンジ色の横断幕となる店名を掲げてポップアップ出店すると目立つ。
子供をもつ親なら、スピリット・ハロウィンを近くの空き店舗で見つけたら子供をつれて週末に買い物をしたくなるのだ。
仲の良い人と出かけてのショッピングも、定番のジェイソンや今年流行ったものを皮肉る被り物など話題のネタが付きない。
少なくとも「今年は何が人気の衣装か?」など、店内をくまなく物色したくなるはずだ。期間限定のポップアップだからこそ目新しさでパーティ・シティより集客力で勝るのだ。
客離れが進むパーティ・シティにとって今年のハロウィンが最後になったのだ。結果、クリスマス直前での廃業となったようだ。
パーティ・シティのサイトにあるロケーションページでは米国内に850店舗の展開となっている。来年の2月までに全店が閉鎖されるとスピリット・ハロウィンの出店数がさらに増えることになりそうだ。
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