今年でブランド創設30年を迎えたミウッチャ・プラダ(Miuccia Prada)が手掛ける「ミュウミュウ(MIU MIU)」が、“A rationale of beauties(美しさの根拠)”をテーマに掲げた2024年春夏コレクションを発表した。昨シーズンに引き続き、会場となったのはパリのイエナ宮(Palais d’Iéna)。建築家レム・コールハース(Rem Koolhaas)率いるOMAが作り上げたテクニカルな遺跡風セットを舞台に、カタール系アメリカ人のアーティストであるソフィア・アル・マリア(Sophia Al-Maria)の映像作品「Gravity & Grace」がランウェイと並行するように設置された巨大スクリーンに投影される中、ショーはスタートした。
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スタイリングでも小物でもスイムウェアにフォーカス
“見せパン”をはじめ、数シーズンにわたりインナーウェアをキーアイテムとしてきたが、今シーズンはスイムウェアを大々的にフォーカス。ファーストルックでは、いわゆるメンズ用の“海パン”を2枚レイヤードしてネイビーのブレザーと提案していたのだが、この“ブレザー×スイムウェア”のスタイリングが前半のハイライトに。ブリーフタイプからフリルの付いたものまで、ストレートな肌見せがヴィヴィッドなカラーとあいまって、よりヘルシーな印象を与える。
また、バッグからは時折スイムウェアやハイヒールがのぞいており、コロナ禍以降、顕著に求められるバカンスムード、そしてボディーメイクやスポーツに興ずる現代女性の姿をユーモラスに映し出す。物をたくさん詰め込んだビッグバッグは、今年他界したジェーン・バーキン(Jane Birkin)のスタイルを彷ふつとさせた。
エレガントなアイテムに愛用品のムードをプラス
一方で、中盤~終盤はエレガントなルックとなり、スエードやレザー、煌びやかな素材を用いたコート、アンティークの下着、刺しゅうやブロケードのドレスなどが登場。これらにはウォッシュやダメージ加工を施すことで、長く愛用されてきたようなムードをプラスした。
冴えるロッタ・ヴォルコヴァの手腕
ミュウミュウのショーや広告キャンペーンを手掛けるスタイリスト、ロッタ・ヴォルコヴァ(Lotta Volkova)のセンスも光る。多くのルックでシャツの片襟をトップスの上に出し、もう片襟を潜らせるなど、ロッタが得意とするルーズでナードなエッセンスを加えていた。
「ニューバランス」や「チャーチ」とのコラボシューズも
足元は、スイムウェアと相性抜群のフラットサンダルが多数登場。色鮮やかな絆創膏でもアクセントを効かせていたのはロッタならでは。また、2022年春夏シーズンから続いている「ニューバランス(NEW BALANCE)」との新作コラボもお目見え。今シーズンは、2000年代に誕生したフィットネスランニングシューズ「530」をベースに、アッパーをスエードで構築し、シューレースは左右非対称で提案するようだ。さらに、プラダグループ傘下である「チャーチ(CHURCH'S)」とのコラボローファー「シャンガイ(Shanghai)」も発表された。
トロイ・シヴァンやケイリー・スピーニーを起用
ここ最近、モデルの起用に定評のある「ミュウミュウ」だが、メンズモデルの1人としてシンガーソングライターでユーチューバーのトロイ・シヴァン(Troye Sivan)が歩いたほか、アーティストのペトラ・コリンズ(Petra Collins)やジジ・ハディッド(Gigi Hadid)もランウェイに登場。ラストルックは、ソフィア・コッポラ(Sofia Coppola)とA24の最新コラボ映画「Priscilla(原題)」で主演を演じた女優ケイリー・スピーニー(Cailee Spaeny)が務めた。
ペトラ・コリンズ
右腕ファビオ・ザンベルナルディとの別れ
フィナーレではミウッチャと共に、彼女の右腕として長年にわたり「ミュウミュウ」と「プラダ(PRADA)」でデザイン・ディレクターを務め、今月末で退職することが決まっているファビオ・ザンベルナルディ(Fabio Zambernardi)が登場。惜しみない拍手が送られた彼もまた、片襟がTシャツの下に潜っていた。
TWICE モモなど豪華セレブリティも来場
TWICE モモ
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