今年のお買い物を振り返る「2024年ベストバイ」。11人目は、オフィスブリエ CEOでモデル、プロデューサー、DJとマルチに活躍するTaikiさん。今年はNetflixオリジナル番組「ボーイフレンド(BOYFRIEND)」のプロデューサーとしても活躍、ファッション業界だけでなく、多方面から注目が集まりました。そんなTaikiさんが2024年に買ってよかったモノを7つのカテゴリーで聞きました。
目次
ADVERTISING
sombras ショートパンツ
FASHIONSNAP(以下、F):まずは1点目、といっても複数あるのですが(笑)、このショートパンツの形が特にお気に入りということで、たくさんお持ちいただきました。
Taiki:今年とにかくはき倒しました。めちゃくちゃ動きやすくて楽ですし、日本の猛暑では重宝しますね。あとはシンプルに、ゲイはショートパンツが好きっていうのもあります。酔っ払ってくると、みんなハートの穴から指を入れてくるっていう。
F:コミュニケーションアイテムでもあるんですね(笑)。4枚ピックアップしてもらいましたが、すべて「ソンブラス(sombras)」のもの。
Taiki:アートディレクターの正田啓介さんが立ち上げたブランドで、センスが素敵。ハート柄もやりすぎず、刺しゅうだから可愛すぎないし、やらしくないといいますか。裾を裏返すとメッセージの刺しゅうが入っているとか、ギミックがていねいなのもおしゃれ。最初はプレゼントでいただいて、はいてみたらめちゃくちゃ着やすくて、どハマりしちゃいましたね。素材やデザインもいろんなパターンがあるからひとつに選べなくて、気がついたらこんなにありました(笑)。
F:気に入ったアイテムは集めるタイプですか?
Taiki:意識的ではなかったんですが、言われてみればそうかもしれないです。自分の中でしっくりきたものは、色柄違いで揃えることは多いですね。でも収集癖というわけではなくて、「これは着るぞ!」と確信を持てた服をまとめて買うっていう感じでしょうか。
MM6 Maison Margiela ハーフパンツ
F:お次のアイテムはこちら。ハーフパンツも複数紹介ですが、これもすべて同じブランドですか?
Taiki:そうなんです。エムエム6(エムエム6 メゾン マルジェラ)のもので、これも形が抜群に自分にフィットしたので大人買い。マネージャーからも「よく着てたよね〜」と言われました。
F:フレアなシルエットと丈感が絶妙ですね。
Taiki:まさにそこがお気に入りのポイントなんです。短すぎず長すぎずっていう。これがストレートな形だとハンパ丈みたいになって、シルエットがキマらないと思うんですよね。ハンガーラックに並んでるのを見た瞬間に「いいかも?」ってビビッときました。
F:普段からお買い物は即決タイプですか?
Taiki:あまり悩まないですね。限られた時間の中でショッピングすることが多いこともあって、気に入ったら即決ですし、複数買いすることもよくあります。自分に似合うものや、着用イメージはすぐに想像できる方なんです。もしかしたらそれはモデルのお仕事のおかげなのかもしれません。
F:パートナーのNoahさんもモデルやDJとして活動されてますが、お買い物も一緒のことが多いですか?
Taiki:ほぼ一緒ですね。選ぶ時は各々ですけど、買ったものを見たらお互いに「好きそうなやつだよね」ってなります(笑)。
Maison Margiela ポロニット
F:続いては「メゾン マルジェラ(Maison Margiela)」のポロニット。手編みのような襟のディテールがかわいいですね。
Taiki:流石ラグジュアリーって感じのなめらかなニット素材に、襟だけほっこりした感じがいいですよね。ポロニットの型も相まって、ちょっと少年ぽいというか。さっきのハーフパンツもそうなんですけど、最近はボーイッシュでどこかエレガントなバランス感のスタイルが好きなんです。さっきのハーフパンツだと色合い的にチノ素材との組み合わせがお気に入りで、このセットも今年よく着ました。
F:ご自身のスタイルについて、トレンドと好みのバランスっていかがですか?
Taiki:仕事柄、最新かつトレンドのファッションに触れられる環境なので、少なからず影響は受けています。ただ、自分の買い物やスタイルでは、トレンドを気にしつつも自分らしく自然体で着られるものを選んでいると思います。“少年ぽいエレガンス”は今すごくしっくりくるスタイルなんですけど、昔から好きではあったんです。
F:最近そのスタイルをより楽しめるようになったということでしょうか。
Taiki:僕がモデルを始めた頃って、エディ・スリマン(Hedi Slimane)のサンローラン・パリ(現サンローラン)や「ディオール オム(DIOR HOMME)」のスタイルが流行っていて、ボトムスは「とにかくスキニー!」って感じだったんですよね。僕はアイスホッケーをやっていたから足腰ががっしりしていたので、細身のボトムスを美しく着こなすための体づくりには本当に苦労しました。だからオーバーサイズの時代がやってきた時は、「助かった〜」って(笑)。最近はオーバーサイズのムードも落ち着いてきて、フィットするところとボリューム感のバランスをとりながら楽しめますよね。
MARNI、Dolce&Gabbana セットアップ
F:セットアップアイテムも2種類ピックアップしていただきましたが、まずは「マルニ(MARNI)」のものから。
Taiki:これもいろんな要素のバランスが良いんですよね。肩のラインがしっかり出るので、かっちりした雰囲気にまとめられるんですけど、パンツはダボッとしていてストリートっぽさもある。柄もクラシカルなムードがありつつ、でもマルニらしい遊びというかほっこりした感じもありますよね。マルニのちょっとした“いたずら”みたいなディテールがツボで最近よく着てます。
F:Taikiさんがイベントなどに出席する際、よくセットアップを着られている印象です。
Taiki:ブランドのイベントに招待していただいた時は、先方がピックアップしたものを着用することが多いですが、プライベートでも最近セットアップを選ぶことは自然と増えてきました。
F:最近の気分なんでしょうか?
Taiki:気がついたらそういうシーンが増えていたんです。オフィスブリエの代表として出席したり、プロデューサーとしてご挨拶したりする機会が多くなってきて、そういう時はカチッとした服装をするようにしています。ありがたいことに初対面の方とご一緒することも増えました。お互いに信頼してお仕事を進めていきたいので、礼儀としてもカチッとした服装で伺うようにしています。ただ、そういうスタイルの中でもどこか僕らしさは忘れないように、素敵なブランドの服の力を借りている、という感じです。
F:ファッションを自然なコミュニケーションツールとして使われているんですね。もう一つのセットアップはフォーマルと真逆のカジュアルなムードです。
Taiki:これは「ドルチェ&ガッバーナ(Dolce&Gabbana)」なんですが、一目惚れに近いです。マシュマロみたいに柔らかくて、軽くて着心地がいいんですよね。素材感を活かしたドレープも面白いですし。中はタンクトップでさらっと着てもいいし、カラーものを合わせるのも良さそう...って感じで着回しが捗ります。
F:光沢感とシャリ感が絶妙です。
Taiki:見た目的にカジュアルな雰囲気なんですが、シルクなのでお手入れに気をつけないといけないですね。うちは犬も猫も飼っているので慎重に扱います(笑)。
F:ドタバタそうですね(笑)。2匹飼っていると、抜け毛が目立たない服にしようとか、何か意識したりするんですか?
Taiki:その点に関してはまったくないですね。着たいものを着ます(笑)。人前に出るお仕事が多いので、もちろんケアや保管は気を配りますが、僕もNoahもベースとしてファッションが好きなのでそこは自由にやっています。
F:おふたりでファッションの好みや傾向は違いますか?
Taiki:体格やキャラクターが違うので、各々に似合うスタイルがあると思っています。僕の方がガッチリしてるのでボーイッシュな感じで、Noahは線が細いので中性的な雰囲気のアイテムを選ぶことが多い。シースルーとか柔らかい素材とか。でもクローゼットは全身、下着や靴下まで共有しています。
F:下着まで!
Taiki:はい(笑)。でも基本的に僕が洗濯して整理するので、Noahはいつも「あの服どこにあるの〜?」って聞いてくるんです。僕は全部把握してるんですけどね。
F:ほっこりエピソードをありがとうございます(笑)。全身共有とはいえ、お家の服の量はすごそうですね。
Taiki:僕たち2人とも服を捨てないから、果てしないことになっています(笑)。トレンドって巡るじゃないですか。だから今は気分じゃないなっていうアイテムもまたいつか着るだろうなと思いますし、なんならおじいちゃんになってこれ着たらかわいいかもな、とかも思うんです。
MARNI シューズ
F:続いてはシューズ。こちらもマルニなんですね。
Taiki:ちょうど先ほどのセットアップに合わせて着用することが多かったですね。僕の中ではこのシューズも合わせてワンセットっていう気持ちでいました。フォーマルなスタイルの中に少し遊びが欲しいなという時に履きがちです。メタルのパーツがピアスのようなデザインなのがいい塩梅だなと。
F:ちなみにシューズは好きなスタイルはありますか?
Taiki:シューズもなんでも履きますね。でも、どんなテイストだとしても自分がしっくりくるのは、少しゴツさやボリューム感のあるデザインのものかもしれません。紹介したハーフパンツやショートパンツと合わせる時、足元にボリュームがあった方がバランスがいいんです。時々、スタイリングのバランスを取るためにハーフサイズからワンサイズ大きいものを選ぶこともありますね。
F:自分に似合うスタイルやバランスはしっかり熟知しているのかなと思ったのですが、モデルでの経験も関係あるのでしょうか。
Taiki:そうだと思います。この服を着たら、どういうシルエットになるだろうな、とか、自分が着るならこうだな、とかはすぐに思い浮かびます。それはきっと色々なファッションに触れる機会をいただいたおかげだと思いますし、自分の着用もそうだし、最近は事務所の子達がこういうの似合いそうだなって思ったりもします。
F:事務所(オフィスブリエ)は設立してから来年で5周年。今ではボーイフレンドに出演されていたRYOTAさんをはじめ、国内外・男女問わず40人以上のモデルやアーティストが所属しています。所属モデルたちからアドバイスを求められることも多いのでは?
Taiki:熱意を持って頑張っている子や自発的に目標に向かって動いている子には、僕たちも事務所としてバックアップしていきたいと思っています。僕の経験でヒントになることがあるなら、そこはどんどん教えてあげたいですね。
F:海外のランウェイに挑戦するモデルの方々もいますが、どんなコメントをするんですか?
Taiki:そんな大層なものではなくて、基本的なことだと思います。オーディションは過去数シーズンのコレクションは見てから行って、できるだけそのブランドのものを着用して挑んだ方がいいとか、たとえ持っていなくてもスタイルが似ているものを選ぶとかです。やっぱりそうした方がブランドの担当者も実際のランウェイやシューティングを想像しやすいですし。
F:とはいっても厳しい世界ですよね...。
Taiki:チャンスは平等なので甘いことは言っていられないですけど、事務所としてできることはしてあげたいですよね。定期的に面談月間を設けていて、事務所に来てもらってコミュニケーションを取ったり、年に2回所属アーティストたちを集めて懇親会をするので、お互いに情報交換してもらったりしています。
TOGA VIRILIS ジャケット
F:お次は「トーガ ビリリース(TOGA VIRILIS)」のジャケット。今日着ているニットもトーガだそうですね。
Taiki:トーガ好きなんですよね。ぱっと見のインパクトだけじゃなくて、ディテールの作り込みもかっこいい。全体感もインパクトはあるけどゴテゴテしすぎてないんですよね。大人っぽくモードに着られるのでつい手が伸びるブランドのひとつです。
F:これまで紹介していただいたアイテムに比べるとアウトドア感が強いですね。こういうスタイルもお好きですか?
Taiki:いわゆるテック系というか、スポーツウェアやガチのアウトドア系のファッションはプライベートではあまりしないんですが、要素として取り入れられてるアイテムは結構好きみたいです。でもこのジャケットは随所にしっかりトーガらしいメタル(コンチョ)のパーツがあしらわれていて、アウトドアすぎないバランスが気に入っています。
F:なるほど。ポケットや裏地はアウトドアの要素が取り入れられているんですね。
Taiki:胸ポケットが名刺を入れるのにぴったりなんですよ。
DSQUARED2、AMIRIのキャップ
F:最後はキャップですが、こちらも2種をピックアップしていただきました。色柄は異なりますが、形はローキャップに近いでしょうか。
Taiki:自分にフィットするのがこういう種類なんですよね。いわゆるベースボールキャップのようなものだとしっくりこなくて。キャップは大体この形です。
F:コレクションはこのほかにもたくさん?
Taiki:マニアとかではないのですが、お気に入りはいくつかありますね。いわゆるベースボールキャップのような、つばが並行で横長の形は全然持っていなくて、家にあるキャップはほぼこの形です。今まではコーディネートがまとまりやすい黒を選ぶことが多かったんですけど、今年はちょっと色物にチャレンジしたいと思っていたんですよね。
F:黒いものは今日着用して来ていただきましたが、どちらのものですか?
Taiki:これは「ディースクエアード(DSQUARED2)」のもので、フロントのモチーフがラバーでデザインされてるのがちょっと小技が効いてていいなと思ったんです。ディースクエアードのキャップはオールブラックのモデルも多いみたいなんですけど、こういう立体的なパーツのものは珍しくて、黒いキャップは何個も持っているのに買い足してしまいました。
F:定番カラーだからこそ揃えたくなるものってありますよね。
Taiki:黒いキャップって頭が小さく見えますし(笑)。黒の中でも僕はオールブラックが好きで、黒地にカラーのロゴとかはあまり選ばないんですよね。
F:そういう狙いもあったんですね(笑)。こちらのブルーのものは?
Taiki:これは「アミリ(AMIRI)」のもので、かわいい韓国メンズが被ってたのを見て僕も買っちゃいました。やっぱりフロントのデザインとつばの形がちゃんと自分好みのものって少ないんですよね。ボディにカラーが入るとなおさら。でもこれはめちゃくちゃバランスが良くて、結構即決でした。
F:キャップを被ったスタイルがすごくまとまっていて素敵です。着こなしのコツってありますか?
Taiki:自分の顔の形にしっくりくるものを選ぶっていうのもあると思うんですけど、僕はキャップ用のヘアセットがありますね。キャップを被るときは、前髪を少しだけサイドに流して、キャップのカーブに沿わせるようにジェルで固める。あとは、被る前につばのカーブが強めに出るように顔の形を見ながら調整してますね。マネージャーにも「キャップのつばめちゃくちゃ詰めるよね」って言われます。
F:細部に至るまでのこだわりということですね(笑)。
Taiki:ありがとうございます。小物っていつものスタイルでも変化を出せるし、アイウェアやアクセサリーも好きですね。アクセサリーで言うと、僕はシルバー担当で、Noahがゴールド担当なんです。
2024年を振り返って
F:“Taikiさんの定番”を知ることができたベストバイだったかと思いますが、今年のお買い物を振り返ってみていかがでしたか?
Taiki:好きなものをずっと買ってるなって思いましたね。でも、ここ数年はベストバイにもあげたようにセットアップやフォーマルな装いの機会が増えてきたんだな、と買った服を見て改めて感じました。
F:それはプロデューサー業や代表としてのお仕事ということですか?
Taiki:そうですね。本当にありがたいですけど、イベントやコンテンツに一から関わらせていただいたりする企画や、ボーイフレンドのような新しい取り組みに参加させていただいたり、常に何かしら動いていた気がします。
F:先日開催された「バーニーズ ニューヨーク(BARNEYS NEW YORK)」でのイベントも大盛況でしたね。
Taiki:1からみんなと一緒に作り上げたイベントで、下半期の山場のひとつを無事に終えることができました(笑)。ボーイフレンドにも出演してくれたUsakにも、「GOGO DANCER」としてパフォーマンスしてもらって。会場の皆さんが楽しそうにしているのを見ると、すごく達成感があるんですよね。自分ももっと面白いイベントができるようになりたいですし、こういうイベント自体が増えていってほしいとも思います。
F:今年はやはり“ボーイフレンド旋風”が凄まじかったと思います。出演した方々は東京ファッションウィーク「Rakuten Fashion Week TOKYO 2025 S/S」のさまざまなショーに引っ張りだこでしたね。
Taiki:プロデューサーという立場で携わらせていただいて、僕自身も貴重な経験をさせていただきました。本当にいろんな方から、多様な感想をいただいて、それを聞くのも楽しかったです。出演してくれたボーイズたちの活躍は彼らの素晴らしいキャラクターによるもので、メディア露出は僕もファンのような気持ちで喜んでいます(笑)。
F:それに加えてご自身の撮影などもこなしていましたよね...。かなり多忙な年だったんじゃないでしょうか。
Taiki:振り返るとそんな気がしますが、動いてないとダメなタイプなんだと思います。あとは、関わった仕事は本当に最後までちゃんと見たい。バーニーズのイベントの時も、片付けをしていたら「Taikiくんって最後までいるんだ!」って驚かれたんですけど、僕としては当たり前じゃないの?って。もっとああしたい、こうしたい、っていう目標や野望みたいなものを、自分が納得のいく形で実現したいと思うんですよね。
F:では最後に、ズバリ「ボーイフレンド 2」の展望をお聞きしても...?
Taiki:皆さんから本当にたくさんの反響をいただいたおかげで、現在「ボーイフレンド 2」の制作が進んでいます。新しいエピソードでも、素晴らしい個性豊かなボーイズが出演予定で、少しずつ情報解禁をしていくのでぜひ楽しみにしていただけたら嬉しいです。
■Taiki
1987年、北海道生まれ。国内外の雑誌やランウェイでモデルとして活躍。パートナーであり韓国人モデルNoahとのデュオTAIKINOAHでも活動し、YouTubeでふたりの生活の様子を発信することも。2020年に設立したエージェンシー オフィスブリエ(OfficeBriller)には国内外40人以上のモデル、アーティスト、クリエイターが所属。マネジメント、各種広告制作などを手掛け、自身もファウンダー・プロデューサーとしてイベント制作やキャスティングなどを行う。2024年、キャスティングやプロデュースで携わったNetflixオリジナル番組「ボーイフレンド」が配信。日本初の“ボーイズ”同士の恋愛リアリティ番組として話題を集めた。
オフィスブリエ:公式サイト
photography: Masahiro Muramatsu
ADVERTISING
PAST ARTICLES
【買ったモノ】の過去記事
TAGS
記事のタグ
RANKING TOP 10
アクセスランキング
sacai Men's 2025 SS & Women's 2025 Spring Collection