2024年のビューティ業界は、各社が選りすぐりの技術を採用した新作が続々と登場するとともにアイコン製品のリニューアルも相次ぎ、多くのヒット商品が生まれるとともに、インバウンド需要だけでなく国内消費も高まり売り場も活況を呈し、話題が尽きない年となった。その中で各社が継続して力を入れるのが日やけ止めアイテム。地球温暖化による気温上昇は、人の健康にも影響を及ぼすこととして警笛が鳴らされる。肌を守ることに研究を重ねてきた化粧品各社は、商品において高い開発力を発揮し、日本はもちろん世界市場を見据えて2025年以降も積極的に投資する。資生堂、花王、コーセーの3社の日やけ止め戦略をみる。
ビジネス フォーチュン インサイトによると、世界のサンケア製品市場規模は、2024年に149億ドルが見込まれ、2032年までに222億8000万ドルに成長すると予想する。日本市場は2023年で前年比約25%増、2024年も同約13%増の608億円になる見込み(富士経済による)で、2桁成長を続けている注目の市場だ。
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成長市場に向け、各社ともに高い開発力を落とし込んだ商品を投入し存在感を発揮している。資生堂は日焼け止めブランド「アネッサ(ANESSA)」で2024年2月に、動きによってできたUV膜のヨレや隙間を自動修復する革新的なサンスクリーン技術「オートリペア技術」の搭載と新スキンケア成分を配合した商品「アネッサ パーフェクトUV スキンケアミルク NA」と、「アネッサ パーフェクトUV スキンケアジェル NA」を発売。そのほか、赤ちゃん(新生児を除く)から使える敏感肌向け商品として、肌負担感を軽減しシルクのようななめらかな塗り心地を実現した新技術「スムースプロテクトテクノロジー エアー」を搭載した「アネッサ パーフェクトUV マイルド ミルク NA」や、資生堂初のジェルタイプの日焼け止めで、紫外線吸収剤不使用のノンケミカル処方を搭載した「アネッサ ミネラルUV マイルドジェル」を展開し、いずれも技術力においても話題を集めた。
同社は昨年発表した中期経営戦略の「アクションプラン 2025-2026」での累積300億円規模のマーケティング投資の対象ブランド及びアイテムの1つとして、アネッサとSHISEIDOのサンケアカテゴリーが挙げられ、2025年はさらに積極的な動きになると予想される。
花王は2023年に発表した中期経営計画「K27」で「ビオレ」UVケアの欧州・ブラジルでの販売、セルフタンニングや日やけ止め領域に強みを持つBondi Sands社の買収など、スキンプロテクション事業のグローバル拡大の道筋を作った。戦略の下、2024年は順調に推移し、ビオレは日やけ止め市場4年連続売上No.1を維持(インテージSRI+日焼け止め市場2020年9月~2024年8月累計販売金額&数量)する。中でも「ビオレUV アクアリッチ ウォータリーエッセンス」は、現在世界27の国と地域で販売(2024年12月時点)し、累計出荷数量(チューブタイプ<数量限定の香り、クールタイプ、大容量を含む>を合算。海外向けの輸出品、および現地生産品も含む<2011年1月~2023年10月>)1億本を突破している。
そして2025年2月には、このビオレUV アクアリッチ ウォータリーエッセンスを、肌に瞬時になじみ、ムラにならない処方へと改良して発売。 加えて最後まで外気に触れず清潔に使え、無駄なく使いきることができるパウチタイプの日やけ止め「ビオレUV アクアリッチ ウォータリーエッセンス フレッシュパウチ」を展開する。さらに初のノンケミカル処方(紫外線吸収剤フリー)の日やけ止め「ビオレUV アクアリッチ ウォータリーホールドクリーム」を販売し、高い技術力を発揮し強力に打ち出す。
コーセーは日やけ止めとは別に得意とする技術を、日やけ止め商品に応用し新たな可能性を打ち出した。2025年2月に、メイクの美しい仕上がりを長時間持続させる「メイク キープ」シリーズから、汗・水・皮脂・身体の動き・こすれなど全方位からのくずれ要因に強い日やけ止めミルク「衝撃の紫外線ブロック」を展開する(国内での販売)。“絶対に日やけしたくない”という声にこたえるべく、大人気の「メイク キープ ミスト」の技術を応用し、“くずれにくい”という機能性を徹底的に追求した商品だ。日やけ止めは汗で崩れるため、2〜3時間に1度は塗り直さないといったハードルがある。“くずれにくい”に定評があるメイク キープの技術力搭載に人気が集まりそうだ。
さらに同社は2024年に発表した中長期ビジョンにおいて、グローバルサウス(ASEAN/インド)市場攻略のためにコスメタリー事業を育成することを掲げ、その中でカテゴリNO.1戦略の推進としてクレンジング、シートマスク、日やけ止めを挙げた。日本に留まらないアジア市場に向けてどういった戦略が推進されるのか注目される。
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