今年のお買い物を振り返る「2024年ベストバイ」。17人目は、FASHIONSNAPを運営する株式会社レコオーランドの代表取締役を務める光山玲央奈。これまでは「ミリタリー」をコンセプトに会社の防災用品を選んでいましたが、刷新すべく新しく選んだコンセプトは「登山」。ファッションから登山用品まで今年買って良かったモノとは?
目次
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GUCCI シャツ
FASHIONSNAP(以下、F):「グッチ(GUCCI)」のシャツですね。いきなり登山用品が来るかと思いました(笑)。タグが変わってサバト期ですね。
光山玲央奈(以下、光山):登山用品はこのあと登場するのでご安心を(笑)。タグが変わるだけでもアイテムの印象ってガラリと変わりますよね。サバトが手がけたファーストコレクションのランウェイで登場したアイテムなんですが、詳細は分からず。というのも、店頭に並ぶアイテムがものすごく絞られていて、これも買いに行ったときに1着しか入荷してなかったらしいです。
F:ものすごくデリバリーが限られていたのは知っていましたが、本当に少数だったんですね。着心地はどうですか?
光山:ものすごくシェイプが効いていて、背筋がピンと伸びますね。ここ最近はコンフォートなパターンの服が多かったので、新鮮です。これは太れないぞと思いました(笑)。
F:サバトのコレクションを見て「トム フォード(TOM FORD)」との共通点を挙げる業界関係者が多いですよね。
光山:そうですね。シルエットもそうですが、細かいディテールだったり全体の雰囲気でそう感じますね。「ああ、あの時のグッチが帰ってきた」としみじみ思います(笑)。僕のグッチの入り口はトム フォード期でしたからね。グッチ=エレガントってイメージは今でもありますし。
F:ミケーレが就任した時もグッチを買っていましたよね?
光山:買いましたね。スーツとショートパンツかな。ミケーレのスーツは裏地のカラーにこだわりが見られ、初めてスーツをシルエット以外の部分で選んだのを覚えています。あれ以来、スーツは基本的にはグッチで買うようになりました。
F :そんなミケーレは「ヴァレンティノ(VALENTINO)」に移籍。
光山:今年はクリエイティブ部門のトップの移籍が玉突きの如く起きましたね。ちゃんと覚え直さないと頭の中がしっちゃかめっちゃかになりそうです(笑)。
F:サバトグッチの評判は上々ですが、他にも気になるアイテムはありましたか?
光山:スーツを買おうと思ったんですが、まだサバトデザインになっていなかったので変わったら買おうかなと思っています。ただ、どれくらい細くなるのか、プライスはどうなるのかというのが目下気になるポイントですね。
F:近年のプライスの上がり方は凄いですからね。
光山:ただ、このシャツが11万円くらいだったので、「もしかしたらそこまで上がらないかも」と勝手に期待しています。いや、そうであってほしいです(笑)。
VALENTINO ダブルコットンTシャツ
F:つ、ついに復活なんですね!2014年以来の登場です。
光山:前回取り上げたのは約10年前ですね。ピエール パオロ・ピッチョーリ(Pierpaolo Piccioli)のクリエイティブ ディレクター退任が決まったと思ったら、ここで復活なの!?って感じですよね(笑)。
F:名前がダブルコットンTシャツと微妙に変更されていますが、他にも変わったポイントはありますか?
光山:一番変わったと思ったのがプライスですね。あとはシルエットとタグくらい。それ以外はほとんど変わっていないと思います。
F:10年前は1枚7万円というプライスで驚愕を与えてくれましたが、今回はいくらだったんですか?
光山:約14万円になっていました…(笑)。さすがに前回みたいな大人買いはできませんでしたね。
F:そ、それは上がりましたね…。前回は何枚買ったんですか?
光山:14枚ですね。2週間着続けられるように買ったんですが、着てるもの10枚、デッドストックで4枚という感じになっています。今回は結構頑張って3枚買いました。
F:ヴァレンティノは、クリエイティブ ディレクターがピッチョーリからアレッサンドロ・ミケーレ(Alessandro Michele)に替わりましたが、これは販売するんでしょうか?
光山:定番として残すのかなと思っていたんですけど、消えてましたね。幻の1回かぎりの復活だったのかなぁって思います。
F:ミケーレのヴァレンティノはどう思いました?
光山:思った以上に良かったです。よく行くヴァレンティノの店員の方に「ミケーレになったらどんな感じになるか気になって寝られないです」って何回も言われてたことから思うに、中の人の方が気になってたんでしょうね(笑)。まぁ、グッチ1兆円突破の立役者だったミケーレは、トム フォード以来の功労者なので、どこに行っても大丈夫だと僕はあんまり心配していなかったですけど。
F:でもミケーレの移籍は、内外にかなり衝撃を与えたと思います。
光山:そうですね。ただ去年グッチ擁するケリング(Kering)がヴァレンティノ株式の30%を取得したことを考えると、ミケーレのヴァレンティノ入りはだいぶ見方が変わりますよね。2028年までにはヴァレンティノ社の株式100%を取得するオプションも契約に盛り込まれてますし。振り返ってみればケリングの戦略的な布石とも取れる人事だと思いますね。
F:一旦クールダウンしているラグジュアリー業界だからこその種まきなんですかね。
光山:色々なブランドがクリエイティブのトップを変えた年でしたから、4年後くらいに「あの時のあれはこのためだったのか!」みたいな事がありそうですよね。
ZENBIVY ウルトラライトキルト + ウルトラライトシーツ
F:いよいよ防災用品というか、登山用品が登場ですね。新しい防災用品のコンセプトが「登山」とのことでしたが、そもそもなぜ刷新するんですか?
光山:5年前くらいに防災用品を選んだ時は、「ミリタリー」だったんですけど、とにかく重いんですよね。食料も缶詰が多いので、リュックに詰めると長時間動けないなと思ったんです。なので、缶詰の賞味期限切れをきっかけに刷新することにしました。
F:それで全部詰めて行動できる登山なんですね。しかもUL(ウルトラライト)を基本軸にしているとか。
光山:軽いに越したことはないですからね。ファーストチョイスはUL系でその後クラシックなものを試すというやり方にしてます。
F:それで選ばれたのがこの「ゼンビビィ(ZENBIVY)」のウルトラライトキルトとウルトラライトシーツなんですね。寝袋は包み込むようなマミー型が主流ですけど、これはお布団みたいですね。
光山:マミー型の良さもあるんですけど、最近はエアマットが進化していて背中側にダウンがなくても全然イケる、ということでバッサリと背中側を無くしているキルト型が増えているんです。まぁ、−30°Cとかの極寒は難しそうですけど。
F:これは快適温度が−7℃で限界温度が−12℃まで対応という感じです。中身は900フィルパワーExpeDRYを使用しているとのことですが、寝心地はどうですか?
光山:正直な話、家の羽毛布団より全然良いです(笑)。やっぱり本当に良い素材を使って作られているんだろうなって感じます。被った瞬間から暖かくて、しかも737gとこの温度対応では超軽量なのでストレスフリーです。家の羽毛布団の重量を測ったら1500gくらいなので半分の重さでした。
F:ゼンビビィのキルトは2ピース構造になっているのが特徴です。
光山:これは画期的ですよね。これのおかげで寝袋がしっかりマットに固定されるので、なかでゴロゴロしても落ちないんですよね。UL系で評判の「エンライトイクイップメント(ENLIGHTENED EQUIPMENT)」や「キュムラス(CUMULUS)」、定番の「モンベル(mont-bell)」♯3とか色々試したんですが、これが一番寝心地と使い勝手が良かったです。
F:アイテム選びで重視したポイントは?
光山:窮屈でないところと、マットから落ちないところですね。マットって大体横幅51cmのものが多いんですけど、マットに寝袋が固定されていないと寝袋ごと落ちちゃうことが多いんです。なのでこの2ピース構造は本当に画期的でした。一度も落ちたことがないですね。それにここに枕を固定できるのも素晴らしいです。
F:本当ですね!枕も固定の方がいいんですか?
光山:枕も固定されてないとどこか行っちゃうんですよね、まぁ、すべては自分の寝相が悪いせいなんですけど(笑)。
F:ループがカラフルなんですね。
光山:同じ色のクリップで止めてくださいという意味ですね。
F:な、なるほど。こんな小さなところまでさすが考え抜かれていますね。ちなみにマットはどこのを使ってるんですか?
光山:「ニーモ(NEMO)」テンサー オールシーズン レギュラーワイドです。普通は横幅が大体51cmでマミー型で足元に行くに従って狭くなるんですけど、これは封筒型のワイドサイズ(64cm)で足元もゆったりです。空気がパンパンに入って沈まないのも良いですね。とはいえ、いまだにどういうマットが体に合っているのかは分からずで、エアマットとインフレータブルマットと並行して色々試してます。
F:これはどこかのショップで買ったんですか?
光山:いえ、米国のゼンビビィオンラインショップで個人輸入しました。
F:いくらだったんですか?
光山:うーん、正確には覚えてないんですけど、定価を見るとキルトで579ドルでシーツで111ドル、枕で65ドル、ドライサック29ドル、コンプレッションで19ドルですね。輸送費とか色々含めて13万円くらいですかね。
F:いい金額しますね(笑)。
光山:でもディスカウントとかも頻繁にやっているので、タイミングを合わせれば30%引きくらいで買えますよ。家の寝具にも使えると思いますし。
and wander ウッドテーブルトップ 70
F:これも山グッズと言っていいんでしょうかね。アウトドアプロダクトブランドの「ヨカ(YOKA)」と「アンドワンダー(and wander)」がコラボレーションしたテーブルトップです。
光山:アンドワンダーだから一応そういうことにしておきましょうか(笑)。家の整理整頓をするためにトラスコのトランクカーゴを買ったんですけど、「これってテーブルにならないのかなぁ」って思って探したらアンドワンダーが良さげなものを出していたのですぐに購入してカスタムしました。
F:カスタムというか、上蓋を裏返してこれをハメ込むだけですけどね(笑)。
光山:そうですね(笑)。
F:説明では「トラスコトランクカーゴ70Lの蓋を裏返して、天板を設置することで高さ約36センチメートルのローテーブルとして使用することが出来ます」とありますが、実際テーブルとして使ってるんですか?
光山:めちゃめちゃ使ってます。普段はトランクカーゴを積み上げて棚みたいな収納にしてるんですけど、大人数が来た時はそれを並べて大テーブルみたいにして使用してますね。大きいテーブルって普段あんまり使わないけど、たまーに必要になったりするじゃないですか。そういう時のためにいつでも大きいテーブルが作れるのは助かりますよね。
F:1枚で縦42センチメートル × 横81センチメートルですから、2個を縦に並べたら縦84センチメートル × 横81センチメートルの正方形、横に並べたら縦42センチメートル × 横162センチメートルの長方形テーブルになりますね。
光山:僕は8枚買ったので、4枚ずつ並べて縦84センチメートル ×横324センチメートルの大テーブルとして使うことも可能なんですよ。
F:そのサイズだと10〜14人用テーブルに匹敵しますね!
光山:普段の生活だとまず使わないサイズですけど、使わないときは収納として積み上げとけばいいですからね。便利です。それにベンチとしても使えますしね。
F:1枚1万450円というプライスも買いやすいですね。
光山:トラスコの70Lカーゴが4500円くらいなので、総額1万5000円でアンドワンダーのテーブルが作れちゃうのはスゴいんじゃないのかなって思います。ローテーブルが欲しいなって思っている人にはかなりオススメですね。
F:8枚買ったってことは、トランクカーゴも8個あるってことですよね?何を入れてるんですか?
光山:うーん、大なり小なりいろんなものを入れてます。普段使わないトランクには非常食を入れて、使うものには山道具を入れて、といった具合ですね。なので、いざ家でパーティするとき並べようとするとテーブルごとに中身の重さが全然違っていて、持ち上げるときに「うぉ、これ何入ってんだ」ってなったりします(笑)。
Helinox チェア ゼロ L
F:「ヘリノックス(Helinox)」のチェア ゼロのLサイズです。もともとチェアワンは持ってましたよね?
光山:はい。ふるさと納税の返礼品として4脚もらいました。さっきのアンドワンダーのテーブルでご飯を食べるとき用の来客イスとして今でも大活躍していますね。
F:それなのになぜ、チェアゼロを買ったんですか?
光山:登山してテント場で地べたの修行スタイルもいいんですけど、イスに座りたいなぁと思って軽いものを探したんですよね。そうしたらこれに行き着きました。
F:チェアワンは890g、チェアゼロは510g、このLサイズは何gなんですか?
光山:650gですね。チェアゼロのコンセプトで作ったチェアワンみたいな立ち位置です。本当にシビアに重量削るときはチェアゼロなんですけど、こっちのほうが全然座り心地いいんですよね。やっぱり座面の高さって大切な気がします。
F:チェアワンは35センチメートル、チェアゼロは28センチメートル、このLサイズは34センチメートルとチェアワンに近いですね。
光山:座面が低いと膝部分のポジションが難しいんですよね。なのでちょっと窮屈さを感じるというか。チェアワンは本当に座り心地がいいんですけど、座面の高さもかなり研究して出した数字なんだろうなって感じました。
F:この対抗馬みたいなのチェアって他にもあるんですか?
光山:ありますね。この「ニーモ・イクイップメント(NEMO Equipment)」のムーンライトエリート リクライニングチェアが今年出たので買ってみたんですが、座り心地はチェアゼロのほうが良かったですね。リクライニング機能を搭載している上、グラウンドシート込みで520gくらいと超軽量で、チェアゼロと初めて比較対象となる意欲作として話題だったんですが、個人的にはチェアゼロでした。色々考えてもなんだかんだでヘリノックス一強っていうのは変わらずですね。
F:ちなみにUL的にはイスを持っていくのはアリなんですか?
光山:きっとナシなんでしょうね(笑)。だけど、いろんなアイテムを軽量化して何に重量を割り振るのかが重要な気がします。僕の場合はお酒を快適に飲みたいので、イスはマストでした。
F:いつもどれくらいの重量を背負ってるんですか?
光山:うーん、テント泊するときは行きで16〜18kgとか。帰りは11kgとかになってますけど。
F:この前ワイン2本と焼酎1本、ビール6缶におでん4人分とか入れて山に行っていましたよね?
光山:そうですね(笑)。リュックの積載重量の限界が18kgなので、行きはそれくらいを目指して色々入れていっちゃうんですよね。帰りは食料や水分が無くなって軽くなるので、帰りだけUL系って言われたりします(笑)。
メーカーズシャツ鎌倉 メリノウールTシャツ
F:「メーカーズシャツ鎌倉(Maker's Shirt鎌倉)」のメリノウールTシャツです。今年はウールTシャツ買いまくってましたよね?
光山:登山ブランドからアマゾンの安いやつまでメチャメチャ買いました。買いすぎて正直何が正解かわからなくなったんですけど、これが正解ですね。最高です。
F:オーストラリア産メリノウールSUPER100’sを使用していて、ウール100%のTシャツです。着心地はどうですか?
光山:すごく良いですね、シルエットも細すぎず太すぎずでちょうど良いです。ウールTってピタッとしているものが多くて苦手だったんですけど、これは適度にゆとりがあって、大人のウールTって感じです。
F:ジャケットに合わせられるように首元の後ろが少し高くデザインされているそうです。
光山:ジャケットと合わせることを考えているところが、メーカーズシャツ鎌倉っぽいですよね。色もカジュアルすぎず落ち着いた色味で良きです。
F:これは登山用に買ったんですか?
光山:普段着として買ったんですけど、登山する時も着てますよ。このクオリティで6900円という驚きプライスなので、気にせず使えますしね。色も上品で、1枚でもインナーでもって感じです。
F:メーカーズシャツ鎌倉は、もともとよく買っていたんですか?
光山:いや、そうでもないんですけど、これ買っちゃうと色々気になってちょこちょこ覗くようになりました。こういうのを発見しちゃうとファンになっちゃいますよね。なのでこのアイテムは本当にいろんな人にオススメしました。
F:何か不満点とかはありますか?
光山:うーん、染めの問題なのかもですけど生地の風合いが色によって異なる気がするんですよね。あと着丈の縮みが結構ばらつきがあるかな。あと少しだけ幅に余裕を持たせてほしいかもですね。ジャケットの下に着るという前提があるのでこのシルエットなんですが、登山で着たとき若干暑いんですよね。
F:それは作る側からすると想定外な気もしますけどね。
光山:ですよね(笑)。そういうことを含めてもオススメできるくらい良いプロダクトだと思います。
EVERNEW とろけるキルト
F:「エバニュー(EVERNEW)」のとろけるキルトです。これはストールですか?
光山:違うんでしょうけど普通にストールとして使ってます。寒かったりソファでゴロってする時には毛布みたいに使えるのでかなり便利です。
F:「インナーシュラフをキルト状にすることで、寝袋のブースターとしてだけでなくブランケットとしてマルチにテントサイトで活躍します」とのことで、一応スリーピングアイテム的な位置付けですね。
光山:オクタ(Octa®)のサーモフライ(Thermo Fly ®)という素材を使っていて、サラッとしたドライな肌触りなのにあったかいっていう不思議な感じです。ストールとして使うときは、裏返してこのフワフワの部分を表にしていて、ブランケットとして使うときはフワフワ部分を内側にしてます。
F:色味も落ち着いていて、登山用品のように見えないですね。
光山:そうですね。アウトドア系ってカラフルなものが多いイメージだったんですけど、最近はそういう感じでもないですね。
F:オクタは帝人フロンティア株式会社が開発した日本発素材で「8本の突起を放射線状に配列したタコ足型断面を持つ特殊形状のポリエステル」とのことです。
光山:8本だからオクタなんですね。アウトドアブランドがこぞって使っている素材ですが、最近はファッションアイテムでも使われるようになってきていて、日本の繊維や素材開発力の強さを再認識しますね。
F:会社としてのエバニューも今年で創業100周年とのことです。
光山:世界の長寿企業ランキングで創業100年以上の企業数は日本が一番多いんですよね。これってすごい事だと思います。
F:老舗ですが、こういった新しいアイテムを開発するところが長く続く秘訣なんですかね。
光山:もともとエバニューを知ったのはチタンのクッカーを買ったときなんです。新潟の燕三条で作っていて、0.3mmと極薄なのに蓋の閉まり方や耐久性が素晴らしくて感動したのを覚えてます。
F:家の調理器具もエバニュー使ってるんですよね?
光山:フライパンや鍋、トングなどは全部エバニューに切り替えました。軽くて丈夫なので家での使用はもちろん、外に持ち出すことも可能なので。それとスタッキングができるのがいいですよね。家の調理器具で悩んでる人にはおすすめしてます。
F:逆にネックな部分ってありますか?
光山:うーん、家で使う場合軽すぎて空のままだとコンロの出っ張り(調理油過熱防止機能)で浮いちゃうところくらいですかね。水とか入れて重さが出たら問題ないですけど。
今年を振り返って
F:今年はどんな1年だったでしょうか?
光山:とにかくモノを買った1年でしたね。こんなに物量的に買ったのは久しぶりかもです。
F:防災用品というか登山用品ですか?
光山:そうですね。ほぼ毎日何かしら買っていた気がします。初めて見る物や初めて聞くブランドが多くて沼でした(笑)。「へぇ〜、こんなブランドあるんだ」って思ってたらさっきのエバニューのように超老舗だったり、知見が広がった年でしたね。
F:これまでファッション文脈での買い物が多かったですからね。知見が広がって何か心境の変化とかありましたか?
光山:ラグジュアリーについて考えることが多かったですね。ラグジュアリーを構成する要素に「本物」があるんですけど、道具のひとつひとつが本当に考え抜かれていて、それを確かな技術で形にしているのが登山ブランドなんですよね。その中でも、哲学を持った「本物」を作り続けているブランドに触れるとハッとすることがありました。これはもしかしたら長い先にラグジュアリーブランドになるのかもしれないなって。
F:なるほど。もともと防災用品としてモノありきで入ったと思うんですが、なぜ登山しようって思うようになったんですか?
光山:最初は浄水器を4つくらい持っていって、高尾山6号路で水汲んで浄水具合を確かめてたりしたんですけど、さすがにここまで来てこれで帰るのもなぁっていう感じで登り始めたんですよね(笑)。そこからテントや寝袋などを試すためにテント場がある山に行ったりと、段々と標高が上がっていった感じです。
F:それはまた特殊な入り方ですね(笑)。風景はもちろんですが、街と違うところってありました?
光山:すれ違う人たちみんなが「こんにちは」って挨拶するのは新鮮でしたね。あれは街や海にはなかなかない文化ですね。やっぱり自然を愛する人って良い人が多いなって思いました。
F:登山って助け合いの文化が強いイメージですからね。
光山:それと、みんなギアが好きですね。老若男女こんなに使っているアイテムに対して語れる人が多いのは、面白いなって思いました。日本でもMYOG(Make Your Own Gear)に触発されてガレージブランドみたいなのが多く出てきているので、これから盛り上がりそうな気もしますね。
F:これは来年の買い物にも影響しそうですね(笑)。
光山:どうでしょう(笑)。でもデザイン全てに理由があるのが登山ブランドだとしたら、理由がなくてもオッケーなのがファッションなのでよりファッションの良さも感じています。そういった意味でも今年は刺激を受けた一年でしたね。
F:刺激を受けた来年の買い物を楽しみにしてます!ありがとうございました!
■光山玲央奈
FASHIONSNAP創業者。2009年に株式会社レコオーランドを設立し、代表取締役に就任。今年法人設立15周年を記念して長期休暇を取ろうとしたが、断念。20周年まで持ち越しになる。
■光山玲央奈のベストバイ
・2014年に買って良かったモノ
・2015年に買って良かったモノ
・2016年に買って良かったモノ
・2017年に買って良かったモノ
・2018年に買って良かったモノ
・2019年に買って良かったモノ
・2020年に買って良かったモノ
・2021年に買って良かったモノ
・2022年に買って良かったモノ
・2023年に買って良かったモノ
■2024年ベストバイ
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