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■ディズニーはショップや飲食店でのDX展開に熱心だ。お客がアプリでスキャンしながら買い物を行うモバイル・チェックアウトにレストランでのモバイル注文もデフォルトになっている。
顧客体験を向上させるためDXへの投資が小売チェーン以上だったりする。
ディズニーはAIを使った新たなDXのテストを始めた。
野球やバスケットボールなどスポーツをテーマにした「ディズニー・オールスター・スポーツ・リゾート(Disney's All-Star Sports Resort)」でAIが商品を自動的に認識し、会計を済ませるイノベーションを導入したのだ。
同施設内の「エンドゾーン・フードコート(End Zone Food Court)」ではレジ会計に長い行列を緩和するためカウンタートップ型の決済システムの実証実験が行われている。
フードコートで食品などをピックアップしたトレイをカウンター(台座)に置くだけでAIが食品を自動的に認識し、無人で会計を済ませられるのだ。
コンピュータービジョンによる瞬時の3D画像認識でのセルフチェックアウトになる。
使い方は商品を40~50センチメートル四方のカウンターに置くと隣にある縦型タッチスクリーンに商品名と金額等を映し出す。
タッチスクリーンの隣にある決済端末でクレジットカードやデビットカードを非接触で支払いを終えることができるのだ。
アップルペイやグーグルペイのほか、「マジックバンド(MagicBand)」でも決済が可能だ。
腕時計のように装着するマジックバンドとは利用者が事前に登録しておくことでパークチケットやキャッシュレス決済、ディズニーリゾート内のホテル(ルームキー)に使える多機能ウェアラブルデバイス。
レシートも印刷可能な一方でキャッシュでの支払いは不可となっている。
AIレジのシステムはビジョンAI開発の「オートキャンティーン(Autocanteen)」とセルフレジ開発の「イーロ(Elo)」が共同で手掛けている。
競合するAIレジに「マシジン(Mashgin)」がある。マシジンのAIレジもカウンターに置くとAIが商品を自動的に認識するシステムだ。
サークルKのコンビニのセルフレジとして導入されている他、ロサンゼルス国際空港やダラス・フォートワース国際空港などにある一部の飲食店にもある。
ベッグベア・マウンテンやマンモス・マウンテンなどのゲレンデにあるレストランにもマシジンは導入されている。
スキーリゾートのゲレンデレストランはフードコートのようにセルフサービス形式だ。スキー客がトレイを持って好みの料理をとりながら(またカウンターで注文しながら)食事や飲み物・デザートを乗せていく。
最後にレジでトレイにあるメニューを見せながら会計を済ませるのだ。マシジンのレジでもトレイをAIカウンターに置くだけで料理や飲み物を即座に認識しお会計できるのだ。
マシジンではスマート・チャックアウトを利用することで最短10秒で支払いを完了でき、セルフレジよりも8倍も速く会計を済ませられるとしている。
マシジンのホームページにあるケーススタディ(Case Studies)ではスポーツスタジアムにある売店で導入した際の実績が掲げられている。
処理スピードが最大4.5倍となり、売上高も4倍と記されているのだ。マシジンのカウンタートップ・システムの設置は速ければ15分程度で完了。
AIレジの利用料金は月間で1,000ドルとしている。マシジンは今年初め、生体認証デバイス開発のスタートアップであるケヨ(Keyo)と提携することを発表。
ネット通販最大手のアマゾンが開発した「アマゾン・ワン(Amazon One)」のように、手のひらとIDもしくはクレジットカード等の決済手段と紐付けることでAIレジに置いた商品の会計が手のひら決済で可能となるのだ。
ディズニーが導入したDXのほとんどが一般のレストランや小売店でも導入が進んでいる。コンピュータービジョンが商品を認識するAIレジスターもコンビニやゲレンデ飯にも普及するのだろう。
トップ画像:AIレジのシステムはビジョンAI開発の「オートキャンティーン(Autocanteen)」とセルフレジ開発の「イーロ(Elo)」のAIレジ動画。同じものがディズニーリゾートのフードコートでテストされている。
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