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2024年11月のトレンドを定点観測 ミニマルでシックなムードに回帰か

2024年11月のトレンドを定点観測 ミニマルでシックなムードに回帰か

ACROSS編集部
ACROSS

トレンドの転換期に浮上する色=ニュートラルなグレー。ミニマルでシックなムードがストリートに戻ってきた。

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徐々に秋らしい涼しさを感じられるようになってきた11月、先月に続き不安定な天候に頭を悩ませながらのプレサーベイとなりました。じっとストリートを観察してみましたが、バギージーンズやデザインパンツがなんとなく多いのは春先と変わらず。ようやく着られるようになったアウターもあらゆるアイテムが混在しており、絞り切れない状態でした。先月の定点観測も似たようなムードのなか結局「女性ロングヘア」を記録したのですが、今月カウントアイテムとして注目したのは昨秋頃から徐々にストリートに増加してきたミニマルなムードの「女性グレーアイテム(ウェア)」。ズームアップアイテムはここ数年で定番化した「レザータッチ(調)アウター」と、Z世代のファッショナブルな男性を中心に急増している「ニットキャップ/ニット帽」としました。

カウントアイテム:女性グレーアイテム(ウェア)うちグレーボトムス 90sのムード漂うミニマルかつエフォートレスなグレーが急増中。

今年の4月に「男女グレー系ボトムス」を取り上げた際にも多く見られた褪色したブラックジーンズや制服っぽいミニ丈のプリーツスカートが引き続き人気であることに加え、フーディーやカーディガン、テーラードジャケットなどのトップスもグレーのものが増加しています。Y2Kの足し算的なポップさを中和するようなニュートラルなグレーは、華やかな80sへの反動で90sにミニマリズムが勃興したように、トレンドの過渡期に台頭するカラーと言えるのかもしれません。1991年10月の定点観測で取り上げた「黒+グレーコーディネート」のように色数の少ないミニマルな着こなしが目につきます。とはいえトップス、ボトムスともにタイトでコンパクトなシルエットが主流だった当時に比べると、ゆったりとしたサイジング(主にボトムス)の着こなしというのが大きな違い。さらに「グレーはパキッとしすぎなくて簡単におしゃれに見える気がする。オールブラックとかだとやりすぎな雰囲気になっちゃう」「グレーは気合が入りすぎず、ぼやけすぎない感じ」との意見がインタビューでも挙がったように、ミニマルかつシックでありながらエフォートレスな装いに惹かれるマインドがストリートに満ちている様子が窺えます。

■各地点の「女性グレーアイテム(ウェア)」はこちら

(左)「今年はよくグレーを見かけるし、パキッとしすぎなくて簡単におしゃれに見える気がして。オールブラックとかだとやりすぎな雰囲気になっちゃう」と話してくださった27歳の女性。 (中)今秋冬はニットのバリエーションが豊富でグレーのものも多い。90sっぽいミニマルなコーディネートが新鮮。 (右)スカートオンパンツのレイヤードスタイルはすっかり一般化。エッジの効いたデザインのウェアをモノトーンでシックにまとめるのが今年らしい。

ズームアップアイテム①:レザータッチ(調)アウター 90sっぽいミニマルでクールなムードがストリートに浸透。

近年繰り返しテーマにしており、2023年12月にも取り上げた「レザータッチ(調)アウター」は1年経った現在も人気継続。ヴィンテージ感ある茶系というよりはソリッドでモードな印象の黒のものが中心となっています。アニマリックで艶っぽくミニマルな90sっぽいムードは、グレーアイテムとの共通項でもあります。ライダースジャケットやテーラードジャケット、シャツジャケット、ロング丈のトレンチコートなどそのデザインは多様。年齢や性差、ファッションのテイストも問わず幅広い層に浸透しています。「フェイクレザー」という単語が放逐され「エコレザー」「ヴィーガンレザー」などの呼称がすっかり定着し、同時に比較的安価でありながら高品質なレザータッチ(調)アイテムが増加したことも長らく続くトレンドの背景にありそうです。

■各地点の「レザータッチ(調)アウター」はこちら

(左)タトゥー彫師ヤベージャンのものとで修行中という23歳の男性。ソリッドでクールな着こなしが胸元のタトゥーを引き立てていた。(中)柔らかい印象のレザータッチアウターが一般化。グレーのスラックスと合わせたミニマルな装いも多い。(右)全身レザーコーディネートも散見された。映画『マトリックス』の世界から抜け出てきたよう。

ズームアップ・アイテム②:ニットキャップ/ニット帽 折り返さずに目深にかぶるクールでダウナーな着こなしが主流に。

実は今月のプレサーベイで最も早く候補に挙がり決定したアイテムがこちら。春先はいわゆるベースボールキャップが人気でしたが、夏頃からファッショナブルな大学生を中心にタイトなニットキャップが目立つようになっていました。特に大きなロゴやグラフィックが編み地で表現された薄手のものを、折り返さずに目深にかぶるスタイルが今年の大きな特徴のようです。ニットキャップ自体は2000年代以降の定点観測でも繰り返し取り上げてきましたが、当時は裏原/アメカジ、もしくはクラフト感のあるほっこりしたテイストのものを浅めにかぶるスタイルが主流。対して2024年は、パンチの効いたデザインのものをクールかつダウナーなムードで着こなすスタイルへと変化しています。

■各地点の「ニットキャップ/ニット帽」はこちら

左)「2000年代初頭のパリスヒルトンや『ミーン・ガールズ』の世界観が好き」と話してくださった24歳の女性。バッグはなんとサマンサタバサのヴィンテージ。(中)グレーカラーのワイドパンツにボリューム靴、ロン毛+コンパクトキャップ、モノトーンカラーコーディネートなど、2024年のトレンドが詰まった2人組。(右)薄手のニットキャップをくしゅっと弛ませたスタイルがこなれ感たっぷり。90sのフレンチカジュアル風のシックな着こなしはまだまだ拡がりそう。

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