■ファストフードチェーン最大手のマクドナルドは先週、ロサンゼルス郊外にテイクアウトに特化した新フォーマットをオープンした。
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イートインスペースを持たないツーゴー専門店はダラス郊外にオープンした店に次いで2店舗目となる。
「オン・ザ・ゴー(On the Go)」と呼ばれている最新店はロサンゼルス・ダウンタウンから南に30分のところにあるベルフラワー地区(10146 Artesia Blvd. Bellflower, CA 90706)にある。
テスト展開となるオン・ザ・ゴー店はドライブスルーにモバイル注文用のカーブサイド・ピックアップスペースをもつ"お持ち帰り"をフューチャーしている。
イートインスペースがなく、レジや注文端末も持たないのだ。
建物の一角にはモバイルオーダー用のピックアップ窓口に宅配業者用の「マックデリバリー(McDelivery)」ロッカーがある。一部の海外店で導入されている宅配用ロッカーは、オン・ザ・ゴー店が全米初だ。
ドライブスルーでは2つのレーンがあり利用者は注文を行ったあと支払い窓口で代金を支払い、ピックアップ窓口で注文品を受け取る。
一方、駐車スペースが4台分となるカーブサイド・ピックアップではスタッフがクルマのところにまで注文品を届けてくれるのだ。
デリバリーロッカーでは宅配業者が4桁の注文番号をタッチスクリーンに入力すると、ロッカー(8個)が開くので注文品をピックアップする。
イートインを持たないテイクアウト専門店は2022年12月、テキサス州フォートワース郊外のホワイト・セトルメント地区(8540 West Fwy, White Settlement, TX 76108)にオープン。
セトルメント店にはドライブスルーとは別に「オーダー・アヘッド・レーン(Order Ahead Lane)」をもちドライブスルーとは別にあるレーンで注文品を渡すことになる。
モバイルオーダーをドライブスルーに応用し、さらにスピードアップを図るためベルトコンベアで注文品をドライバーのところまで運ぶシステムだ。
オーダー・アヘッド・レーンはドライブスルー・レーンの外側にあるためキッチン側の上昇運搬用の垂直コンベア、平行運搬のコンベア、下降用の垂直コンベアが一つのサイクルとして動いている。
ピックアップ窓口ではトレイが前に押し出されるようにして注文品をドライバーの近くにまでくるようになっているのも特徴だ。
オーダー・アヘッド・レーンの利用はとてもカンタンだ。モバイルオーダーの決済時の画面「ピックアップ方法(Pick up how you want)」にある「オーダー・アヘッド・レーン(Order Ahead Lane)」「カーブサイド・ピックアップ(Curbside)」「カウンター受け取り(Counter)」のオプションから選択するだけ。
カウンターを選択すれば店内に入って受け取りカウンターで受け取ることになる。店内にはイートインスペースやレジはないが、現金決済可能な注文用タッチパネルから注文ができるのだ。
アメリカ国内にはファストフードなどにドライブスルーが約20万ヶ所あると言われている。アメリカ人は年間約60億回ドライブスルーを利用している。
コロナ禍以降、ドライブスルーの利用が急増しファストフードチェーンではドライブスルーの売上が全体の7割以上を占めるところもある。
ドライブスルーを持たなかったシェイクシャックなどもドライブスルーを導入するだけでなく、モバイルオーダーも強化しカーブサイド・ピックアップを拡大しつつある。
48州に約3,000店を展開するチキン・サンドウィッチ・チェーンのチックフィレ(Chick-fil-a)は今年8月、ジョージア州アトランタ郊外にドライブスルーオンリー店をオープンした。
今年3月にはニューヨーク市内マンハッタンのアッパー・イーストサイドにチックフィレでは初となるピックアップ・オンリーストアをオープンした。
デジタル・トランスフォーメーション(DX)を利用してお持ち帰り用の待ち時間を大幅するのが狙いだ。
マクドナルドのテイクアウト専門店はまだテスト段階だが、ドライブスルーにモバイルオーダーによるカーブサイド・ピックアップ、デリバリー等の需要が増えることで従来店とは異なる補足的に展開できることになりそうだ。
トップ画像:先週オープンしたばかりの「オン・ザ・ゴー(On the Go)」店はロサンゼルス・ダウンタウンから南に30分のところにあるベルフラワー地区(10146 Artesia Blvd. Bellflower, CA 90706)にある。イートインがないツーゴー専門店だ。
オン・ザ・ゴー店(オープンセレモニー直前のようだ)の航空画像。店の隣にはカーブサイド・ピックアップ・スペースが4台割かれている。2つのドライブスルーレーンが見える。
ドライブスルーでは通常どおり。利用者が注文を行ったあと支払い窓口で代金を支払い、ピックアップ窓口で注文品を受け取る。
建物の一角(屋外)にはモバイルオーダー用のピックアップ窓口に宅配業者用の「マックデリバリー(McDelivery)」ロッカーがある。一部の海外店で導入されている宅配用ロッカーは、オン・ザ・ゴー店が全米初だ。隣ではモバイルオーダー・ピックアップの窓口から注文品を受け取っている。
テキサス州フォートワース郊外のホワイト・セトルメント地区のテイクアウト専門店はドライブスルーとは別に「オーダー・アヘッド・レーン(Order Ahead Lane)」をもちドライブスルーとは別にある外側のレーンで注文品を渡すことになる。イートインスペースはないが、現金支払いも可能なセルフオーダーの端末がある。
⇒こんにちは!アメリカン流通コンサルタントの後藤文俊です。アメリカでは以前に比べればファストフード店でのレジ待ち行列は大幅に減少しました。コロナ禍からドライブスルーやモバイルオーダーの利用が急増しているからです。シェイクシャックはドライブスルーを持たない店舗を閉鎖しながら新店にはドライブスルーを導入しています。いつも長い行列になっているチックフィレではエントリー記事にあるようにドライブスルー店をオープンしています。ドライブスルーを設置できないウォルマートから"テナント撤退"しているマクドナルドではドライブスルー売上が全体の7割以上を占めているとか。そういえばカルト的な人気を誇るイン&アウト・バーガーでは、地域住民から出店ボイコットを受けているとのニュースが先日ありました。ロサンゼルス郊外のウッドランドヒルズ地区で、住宅所有者団体がイン&アウトバーガーの建設計画を中止するよう裁判官に要請しているというのです。理由は道路にまで長く伸びるドライブスルーで混雑が起き、近隣住民のQOLが落ち、結果的に住宅価格に影響するからです。
マクドナルドやチックフィレに限らず、他の外食チェーン店もテイクアウト専門店の展開を視野にいれるでしょうね。テキサス州の地場スーパーであるHEBは、グローサラント(True Texas BBQ)用にドライブスルーをスーパーの建物に設置している事例もあります。
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