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冬の風物詩・表参道イルミネーションはいつ始まった? 30年の歴史を紐解く

冬の風物詩・表参道イルミネーションはいつ始まった? 30年の歴史を紐解く

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表参道イルミネーション|イルミネーションヒストリー X 1st〜3rdシーズン:OMOHARA TIPS Vol.11

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(2024/12/20)

表参道・原宿エリアの文化や歴史にまつわるちょっとしたネタをご紹介する「OMOHARA TIPS」。今回は表参道のイルミネーションをピックアップ!

12月の約1ヶ月間、1.1kmに渡るけやき並木を煌びやかに彩る表参道のイルミネーション。原宿駅前の神宮橋から表参道交差点まで、まっすぐ伸びるダイナミックで豪華なイルミネーションは、この時期の表参道だけで見られる特別な光景だ。

編集部撮影(2017)

その景色を一目見ようと多くの人が訪れるオモハラの冬の風物詩だが、その歴史は長く、点灯していなかった時期を挟んで主に3つに分けられる。海外ドラマ風に言うと1991年〜1998年がファーストシーズン、2009年〜2019年がセカンドシーズン、2021年〜がサードシーズンと言ったところだろうか。

では、シーズンごとの表参道イルミネーションのヒストリーをダイジェストで振り返ってみよう。

記念すべきファーストシーズンは今から30年以上前に遡る。はじまりは1991年。欅並木を使ったイルミネーションは、初年度は試験点灯というかたちで行われ、1992年から本格的な点灯を開始。当時はまだ街を挙げての大規模なイルミネーションというのは珍しく、多くのカップルが訪れる冬の人気デートスポットとして定着していた。

しかし、見物客が集中してしまい交通渋滞を引き起こす問題に発展してしまう。また、電飾による欅並木への負担を懸念する声も上がっていた(当時はLEDではなく、白熱球だったため電飾が熱を持ちやすいのは言わずもがな)。

こうした状況を鑑みて、イルミネーション事業を運営・推進する原宿表参道欅会は1998年にやむなく中止の判断を下した。惜しむ声もはもちろんあっただろうし、欅会としても苦渋の決断だったに違いない。けれど、オモハラの街はここで暮らす人や働く人の支えがあってこそ成立している。イベントを通してみんなが幸せになれること。それがオモハラの街のあるべき姿と考えたのだった。

と、ここまでがファーストシーズン。以来10年間、欅並木に光が灯されない期間が続く。

編集部撮影(2017年)先日オープンした「V.A.(ヴイエー)」がまだ「モントーク(montoak)」だった頃。

沈黙の10年間を経た2009年。新たな文化・情報を発信し続ける表参道の街として、より新しい形、そして環境問題に配慮し、さまざまな角度から持続性を追求した結果、実に11年の時を経てイルミネーションが復活!!待望のセカンドシーズンがスタートした。

約63万球の照明は白熱球から消費電力の少ないLED電球に変更され、取付方法も工夫することで木々への負担も軽減。老化や衰退により電飾が施せない木には、その理由と共に欅けやきの生態やCO2吸収量などを示すプレートを設置した。表参道の象徴である欅を通じ、環境保全への理解促進を図るウォークラリーなどのイベントも実施された。訪れる人からは「学生時代に何度も来ていた。復活してうれしい」などの声も多くあったという。

出典:森ビルコーポレートサイト(2009年撮影)新たなデザインとなり復活した表参道イルミネーション「表参道H.I.S.イルミネーション ベルシンフォニー」

「景気低迷により明るい話題のない中、表参道から元気を発信したいという想いで開催を決めました。街を訪れる人を笑顔にしていきたい」

原宿表参道欅会の松井理事長(当時)の言葉には、オモハラというカルチャー発信拠点としてのプライドが感じられる。

2009年〜2019年まで表参道イルミネーションのセカンドシーズンが続いたが、2020年はコロナ禍の影響もあり中止を余儀なくされてしまう。直近の10年間で点灯していない唯一の年だ。しかし、ちょうど明治神宮鎮座百年の年。合わせて「原宿表参道 百年の灯りライトアップ」として低木のみに光が灯された。

編集部撮影(2020)「原宿表参道 百年の灯りライトアップ」

そして2021年、2年ぶりに表参道イルミネーションが開催され、サードシーズンに突入。翌年の2022年からは表参道に旗艦店を構えるフェンディ(FENDI)が、本年(2024年)に至るまで単独スポンサードを担い、原宿表参道欅会運営のもと開催されている。技術の発展に依ってか、電飾の数も公表では90万球と2009年リスタート時よりも今では約30万球弱ほど増量してより華やかに、明るく欅並木が彩られているはずだ。

編集部撮影(2024年)

人々を魅了し続けている表参道のイルミネーションにも歴史あり。さまざまな人の手と努力によって、この美しく壮大な景観が作られていると思うと、ちょっと見え方が変わってくるのでは?

編集部撮影(2024年)今年はROLEXができて、ファサードとの反射が良い感じ

さらに期間中は、原宿表参道欅会会員企業がボランティアという形で、表参道のゴミ拾いを行っている。上を見上げるイルミネーションだけでなく、下に目を向け歩く道も綺麗に保つのがオモハラクオリティというわけ。ぜひそんなところにも注目して、来週に控えたクリスマスの夜は表参道イルミネーションに足を運んでみてはいかがだろうか。

編集部撮影(2017)1945年(昭和20年)の山の手空襲を経て、今も残る表参道の歴史ある灯籠と、平和を象徴するようなイルミネーションのコントラストもここでしか見られない特殊な景観だろう。

そうそう、表参道といえば、こちらも忘れてはいけない。クリスマスよりも前に、まもなく訪れる冬至(毎年12月21日)と表参道との密接な関係性を紹介したTIPSも併せてチェックしてほしい。

>>【ちょいネタ】表参道と冬至の密接な関係 表参道に隠された“レイライン”に迫る

■表参道フェンディ イルミネーション2024
開催期間:
2024年12月2日(月)〜12月28日(日)
※低木への装飾は2025年1月5日(日)まで
開催場所:
表参道 (欅の木・植栽帯:神宮橋〜表参道交差点)
電話番号:
03-3406-0988(原宿表参道欅会) 
点灯時間:
日没〜22:00

Text:Yuya Tsukune
Edit:OMOHARAREAL編集部

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