若い頃はさほど意識をしていなかったが、2014年頃から毎年、自分が何月何日に長袖を着用し始めたかということを意識するようになった。
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要するに夏の間はずっと半袖で過ごす当方だが(タンクトップは着用しない。腋汗が止まらずに逆に不快だから)、長袖を羽織るくらい涼しくなるのは何時頃からなのかというのを毎年、気にするようになった。
2014年以降は基本的に10月のどこかから長袖を羽織るようになっている。
9月は暑くて当方の体感気温では長袖を羽織ることはできない。
2023年10月は一旦、半ばごろから長袖シャツを羽織るようになったのだが、10月下旬からまた暑さがぶり返したので半袖に戻った。11月3日から始まる三連休は夏日だったので、半袖生活を続け、三連休後に気温が下がって長袖シャツを羽織るようになった。
で、今年は昨年にも増して暑い10月だったと感じていたので、20日ごろまでは余裕で半袖生活を続けていた。だが、実際のところは25日ごろからは「朝晩は長袖を着てもいいかなあ」とは思い始めていたが、11月3日にはまた高気温になる予報が出ていたので、それが終わってから長袖を着用するようになった。
連続して半袖で居続けたというのは、今年の10月が当方個人の最長記録だろう。
これほど暑さが長引いた10月というのは新記録ではないかと思う。
11月も比較的高気温でスタートしたが、さすがに半袖でなくてはならないほど暑いわけではなかったので、11月5日からは長袖生活を続けていたが、それでも暑い日はあったし、11月17日は朝からムワっとする暑さだった。
ところが、予報通りに11月18日から一気に最高気温が下がり空気も冷たくなり、そこからはずっと長袖生活で、ようやく薄中綿入りブルゾンなんかも着用できる気温となっている。
こうなると、秋冬物衣料は好調に動くことが予想されていたが、実際、11月は18日以降の冷え込みによって各社の月次売上高は好調だった。恐らく17日までは相当に苦戦していたのではないかと思う。
ユニクロ、しまむら、無印良品などは気温によって売上高が大きく左右されるため、好調に転じることは予想通りだったといえる。
国内ユニクロ事業(既存店+Eコマース)
売上高:112.2%
客数:107.2%
客単価:104.7%
しまむら
売上高:104.7%
客数:102.8%
客単価:101.9%
良品計画(直営既存店+オンラインストア)
売上高:119.2%
客数:107.1%
客単価:111.3%
という具合だ。
一方、これらとは客層や客単価額が大きく異なると思われているユナイテッドアローズも好調に11月を終えている。
ユナイテッドアローズ(小売+ネット通販 既存店)
売上高:113.7%
客数:111.9%
客単価:102.8%
ユナイテッドアローズは11カ月連続の前年実績更新となっており、暑さで軒並み苦戦した10月でさえ前年実績をクリアしているのだから、先物買いのイシキタカイ系客もいるところにはいるということがわかる。ただ、多数派ではないため、他社にはその恩恵が及ばないということなのだろう。
このほか、これまで散々な業績が続いていたバロックも前年実績をクリアしている。
バロックジャパンリミテッド
売上高:102.9%
客数:102.8%
客単価:101.1%
また、ワールドとオンワードも同様の傾向である。
ワールド(既存店売上、EC除く)
売上高:104.7%
客数:非公開
客単価:非公開
オンワードHD
売上高:107.9%
客数:非公開
客単価:非公開
この11月は18日からの冷え込みによって業界全体も好調だったといえるだろう。
12月についてもここまではめちゃくちゃ低気温ではないながらも23年12月よりは低めの気温で推移しており、冬物衣料品が相当好調に動くのではないかと思われる。また12月から来年2月まで暖冬ではないという長期予報が出ているので、1月の正月バーゲン、冬物処分も捗ることになるだろう。懸念しては2月が寒いという予報なので春物の立ち上がりは鈍いのではないかと思われる点にある。
それにしても、ユナイテッドアローズ、バロック、ワールド、オンワードの4社の顧客はファッション需要が多いと考えられており、実際、しまむら客やユニクロ客に比べるとその通りだろうと思うが、その客層でさえ、売れ行きは体感気温に大きく左右されるようになっていると言えるのではないだろうか。
「先物買い客」が全くいないとは思わないが、そのような購買行動をとる人の割合は年々減っていると推測される。
来春以降は各社ともにこれまで以上に天候・気象情報を重視することになるだろう。特に3月が暖かいのか寒いのか、9月と10月が暑いのか寒いのか、この辺りに対しての各社は情報収集により一層の力を入れるのではないかと見ている。「天候・気温こそ売れ行きを左右する」最大の要因になったと考えるのが適切ではないかと思う。
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