■家電店チェーン最大手のベストバイが26日に発表した第3四半期(8月~10月期)決算では消費者の買い控えが拡大しており予想以上に落ち込む内容となった。
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収益性が改善したものの既存店・前年同期比が12四半期連続下回った。
売上高は頼りにしていたアイフォン新製品やAIパワーのノートブックが好調だったが牽引するまでにならず前年同期比3.2%減となる94.5億ドルだった。一方、純利益は2.73億ドルと前年同期比3.8%の増加となった。
粗利益率は会員向けサービスが好調で23.5%と前年同期の22.9%から0.6ポイントの増加となった。ただ一般販売管理費率は19.8%と前年同期の19.2%から0.6ポイントの上昇で利益分が相殺されたかたちだ。
営業利益率は3.7%と前年の3.6%から0.1ポイントの微増となった。
既存店ベースはアプライアンスにゲームなどのエンターテイメントが足を引っ張り2.9%の減少だった。これによりベストバイの既存店ベースは12四半期連続して前年を下回った。
国内店の既存店ベースは2.8%の減少。
ベストバイCEOのコリー・バリー氏は9月と10月が特に低調だったと強調している。
同氏は「マクロ経済不安に顧客がセールや割引を待っていたことや選挙前で消費者の注意が散漫だったこと、必需品以外の(可処分商品)カテゴリーのマイナス影響、セールイベントの需要低下」を理由に述べた。
国内の売上高の約3分の1ほど(31%)を占めるオンライン売上は1.0%の減少だ。
なおベストバイではネット注文の45%がカーブサイド・ピックアップやボピスなどの当日受け取りが占めているという。そのうち90%以上の注文がわずか30分以内に受け取りが可能となっているという。
ベストバイではストアアプリの顧客体験を大幅に改善していることで、アプリを介したネット売上比率は過去3年間で2倍に増加し、オンライン売上の約20%以上に達していると以前の決算で明かしている。
商品カテゴリー別の既存店売上前年同期比では売上の47%を占める「コンピューターとモバイルフォン(Computing and Mobile Phones)」はスマートフォンやタブレットが好調だったことで3.8%の増加となった。前年同期は8.3%の減少だった。
売上全体の28%を占める、ホームシアターなどの「コンシューマーエレクトロニクス(Consumer Electronics)」は前年同期から5.8%の減少だった。前年同期は9.5%の減少だった。
全体の12%となる白物家電の「アプライアンス(Appliances)」は金利高による住宅市場の不活発が続いており14.7%減と二桁になる大幅な減少が続いている。前年同期も15.1%の減少だった。
全体の5%となる「エンターティメント(Entertainment)」は18.8%の減少となった。技術サポートや設置、修理などを提供する「サービス(Services)」は売上全体の7%となり、既存店ベースは6.0%の増加(前年同期は6.9%の増加)だった。
1%の「その他」となるカテゴリーは12.9%の増加となっている。
ベストバイでは顧客体験の向上のためパーソナライゼーションの強化やデジタル・ウォレット、お気に入りの製品のセール時に通知されるディール・アラート、ギフト検索などの新機能を追加している。
また便利なチェックアウト機能やコンテンツの読み込み時間の短縮など、アプリの改善と刷新に注力しているのだ。
ベストバイは10月、画面サイズが97インチ以上となる「エクストラ・エクストラ・ラージテレビ(XXL TV)」に注力していく考えを発表した。
テレビを4つの48インチ画面に分割できるマルチビュー機能を搭載した、超特大スクリーンテレビを約700店に展示販売するのだ。
特大サイズのテレビ販売を拡大することで配送と設置でサービス部門の訴求を行うのだ。
ただ顧客の買い控えが予想以上に響いておりベストバイでは既存店ベースの見込みを当初の1.5%減~3.0%減から2.5%減~3.5%減と下方修正した。
トップ画像:ベストバイは97インチ以上のサイズとなるテレビに注力している。キングサイズのベッドなみの画面がテレビの売れ筋だ。
⇒こんにちは!アメリカン流通コンサルタントの後藤文俊です。テレビのスクリーンサイズは10年前、65インチで「大きいなぁ」という印象でした。でもいまや100インチ前後の時代になろうとしています。市場調査会社サーカナによると今年1月~9月までに販売された97インチ以上のテレビは3万8,100台で、昨年の同時期に比べて10倍にもなっています。これまでのところ、97インチ以上のテレビの平均価格は昨年の6,662ドルに対し3,113ドルとなっています。100インチ前後のテレビはキングサイズのベッド。うっすいキングサイズベッドが壁に掛かっているようなものです(笑)。でもアメリカの人々にとって「大は善」。約7年に1回の割合で買い替えるとするテレビはどんどん巨大化しているのです。過去15年間でアメリカ国内のテレビ・サイズは、平均して1年に1インチ大きくなっているのです。数年前にはコロナ禍で人々が自宅で過ごす時間が急に増えたこともあり、テレビの大型化傾向に拍車がかかりました。事実、2021年と2022年は平均2インチ大きくなり、すでに85インチが人気サイズとなってます。
ということは10年後には150インチ以上になって画面も6分割以上できるようになっていますねって、デーブ・スペクターか!
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