フレグランスブランド「エディット(EDIT(h))」を手掛けるモリヤマが、海外フレグランスのディストリビューター事業を開始した。これまで日本ブランドとして世界的なニッチフレグランスの見本市「エクソンス(Esxence)」に精力的に出展するなど、欧州のニッチフレグランス市場のリアルな空気に触れてきた視点を活かしたセレクトで、リトアニア発の「ファム パルファン(FUMparFUM)」と、香港を拠点にする「トバ パルファン(TOBBA PARFUM)」の2ブランドと契約。今秋から同社を販売元に、日本で展開していく。本場ヨーロッパで注目を集める気鋭のブランドをいち早く日本で紹介することで、日本のニッチフレグランス市場の活性化に貢献する。
エディットのクリエイティブディレクターを務めるモリヤマの葛和建太郎社長は、2018年のブランドデビュー以降、世界のニッチフレグランスが集まる交流の場であるエクソンスに参加し、現地で注目されているブランドやファウンダーたちとコミュニケーションを図ってきた。日本以上に急成長する世界のニッチフレグランス市場において、個性的でありながら高品質で日本のフレグランス愛好家たちにも受け入れられると感じるブランドが増えていると肌で感じてきたという。
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また、一方で海外での業界の潮流に触れながら、昨今の日本でのフレグランス市場の加熱に対して、「日常的にフレグランスを嗜む人はこれからもっと増えていくと思う。その時、世界の市場で本当に素晴らしいとされているブランドが買える状態であることが好ましい。楽しみたい人と奮闘しているブランドが相乗的に成長できる市場を少しずつでも醸成できたら」と葛和社長は意気込む。
そこで今年のサロン ド パルファン 2024への出展に際し、世界のニッチフレグランス4ブランドを招致した合同ブースをエディットがオーガナイズし、各ブランドのディレクターを招致。ディストリビューション契約を結んだリトアニア発の「ファム パルファン(FUMparFUM)」と、香港を拠点にする「トバ パルファン(TOBBA PARFUM)」はともに日本初上陸。そのほか、すでにノーズショップ(NOSE SHOP)で日本展開をしている、オランダのブランド「ハイラム グリーン(Hiram Green)」、ノルウェー・オスロ発の「ソン ヴェーン(Son Venin)」も呼び込んだ。「自分たちもブランドを運営し、日本市場と海外市場を見てきたその目で、紹介したいブランドを厳選した。日本で無名であったり、まだ認知が取れてないブランドであっても、実際の売れ行きやお客さまの反応を見ていると、十分な手応えを感じることができた」と振り返る。
ディストリビューション契約を結ぶ2ブランドの今後の日本の販路は調整中だ。「やみくもに販路を増やしたり、エディットの販路にそのまま導入するのではなく、それぞれのブランドに合う売り場をしっかりと見つけたい。海外の仲間たち(ニッチブランド)から、“あこぎな”ディストリビューターの話を聞いてきたからこそ、自分たちはブランド同士でウィンウィンになるようにていねいに取り組みたい」と思いを込めた。事業とはいえ、第一の目的には“草の根運動”的な市場の活性化を据える。「最低限の数字は計画するが、当事業で儲けを追求しようとは考えていない。まずはこの2ブランドと向き合い、共に日本市場で切磋琢磨していければ嬉しい」と語る。
エディットはデビューから7年目を迎え、国内で着々と顧客を増やしながら、海外支店の設立も進め、欧州での展開も着々と計画。また、来年には都内にフラッグシップストアをオープン予定で、「香りをたしなむ」仕掛けを準備中している。そのほかホテルでのバスアメニティの導入が決まり、話題の醸成および認知拡大に力をいれる。「これまでありがたいことに、フレグランスが好きなお客さまに支えられここまで来ることができた。次の段階として、ライトユーザーにも認知を広げていく必要がある。取引先の拡大やコラボレーションなども検討しているが、必要なタイミングと理由を保って実現していく」と見据えた。
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