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アーバンリサーチが、「URBAN RESEARCH KYOTO(以下、アーバンリサーチ KYOTO)」を全面リニューアルし、今日11月8日にオープンする。今回のリニューアルでは、新コンセプトに“その時代に合わせた新たな定番”を意味する「new basic」を掲げ、国内外のハブとなるようなグローバルフラッグシップストアとしてストアデザインや商品ラインナップを一新。「エアポート」をイメージしてデザインされた店内では、1階にはオープンに際して新始動したハウスブランドの「デー(dDdDdDd)」をはじめ、「new basic」をテーマに選定したアーバンリサーチのオリジナル商品やバイヤーが厳選したセレクト品を展開、2階には「URBAN STREET MARKET」と題して複数のブースや座って休憩や飲食などができる場所を設け、定期的にポップアップやイベントを開催するスペースとして活用する。
アーバンリサーチ KYOTOは、京都河原町駅に程近い、終日多くの人で賑わう寺町通と錦小路通に面した活気ある商店街の中に立地。同店のディレクションは、「シーシー(SEE SEE)」のディレクターを務める湯本弘通とアーバンリサーチ クリエイティブ・ディレクターの村手謙介が、店舗設計は長田篤率いるMILESTONEがそれぞれ担当した。
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店舗外観は、アーバンリサーチにとっての国内外への発信の拠点となる「エアポート」に見立て、空港のような抜け感を意識してデザイン。壁面には打ちっぱなしのコンクリートを、外構には英国式の石積みの意匠をあしらい、グレートーンを基調に黒の窓枠でアクセントを効かせた。正面のウィンドウには、従来的なマネキン等を用いた商品のディスプレイは行わず、盆栽プロデューサーの小島鉄平が手掛けた盆栽を配置するなど、インパクトが強くアート性の高い表現を採用している。
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店内は、地下1階から2階までの3フロアで構成。1階と2階は店舗スペース、地下1階は社員同士がアイデアの交換や交流をできる場所としての新機能を持ったワーキングスペース「KYOTO STUDIO」へと転換し運営する。内装は、全体としてグレーをベースに黒でアクセントを加えたカラーパレットは一貫しつつも、1階は外観と同様エアポートを、2階は屋外のストリートに店舗が点在する様子をイメージしたデザインを採用。同店では、一般的なセレクトショップやアーバンリサーチの既存店舗に比べて什器の数を減らし、展開できる商品数を限定しており、「打ち出したいものを明確化するとともに、『余白』や『抜け』を感じられるスペースを作って厳選された商品だけを展開することで、よりお客様が買いたくなるような店作りを心掛けた」と湯本氏は話す。
ウィンドウと同様、店内にはマネキンやポップ等を配置せず、イメージや世界観、センスを重視。各ブースに設置されたQRコードをスマートフォンで読み取ると、同店の特設コンテンツページにアクセスできるようになっている。また、店内のBGMは全てDJに依頼しオリジナルで制作。1階と2階それぞれのイメージに合わせた音楽を採用しているという。
1階 入口から奥の階段に向かって滑走路のように真っ直ぐ伸びる店舗中央の通路
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1階では、「new basic」をテーマに選定したアーバンリサーチのオリジナル商品やバイヤーが厳選したセレクト品を中心にラインナップ。フロアの中央には、同店のリニューアルオープンにあわせてデビューするハウスブランド「デー」のアイテムを、その左右にはメンズとウィメンズを展開しているほか、店舗サイドのウィンドウからも見える店内奥には、スニーカーとキャップにフォーカスし、豊富なラインナップを壁一面に陳列した売り場を設けている。村手氏によれば、外からも見える位置にインパクトあるディスプレイをすることで、ブランドを知らない海外客が「自分が欲しいものがあるかも」と入店するきっかけを作る狙いもあるという。
ウィメンズ
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新ハウスブランド「デー」は、湯本氏がディレクターを担当。「自分にとって特別な1日をもっと心地よくする」をテーマに、スウェットやカットソーなどのウェアと、マグカップやプレートといった雑貨を揃える。スウェットは、1週間をイメージした7型のアイテムをS〜2XLの豊富なサイズ展開と多様なカラーで用意。また、上質なカシミヤを使用したスペシャルライフウェア「+ One day」もあわせて提案する。いずれもアーバンリサーチ KYOTOおよび、アーバンリサーチ公式オンラインストアのみで取り扱う。
湯本氏は、「スウェットは部屋着やワンマイルウェアはもちろん、コーディネートによってはラグジュアリーにも普段使いの外出着としても着こなせて、しかも廃れずに万国共通で着られるアイテム。『new basic』を提案するブランドとして、そういったものづくりを目指していきたい」と話す。
「デー」のアイテム
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2階は「URBAN STREET MARKET」と題し、ストリートにさまざまな店舗が並んでいるような形で、「RESEARCH - S」や「RESEARCH - 1〜6」「RESEARCH - F&D」といったブースを設置。国内外の多様なブランドやアーティストのポップアップを定期的に開催するほか、不定期でフード&ドリンクスタンドを展開する。
オープン日からは、「バブアー(Barbour)」や、「ロウワーケース(LOWER CASE)」のクリエイティブディレクター 梶原由景が国内外を旅して感じた「ホテルの今あるべき姿」を提案する架空のホテルショップ「hotel:LOWERCASE the SHOP」などが出店。そのほか、京都・河原町五条にある自家製パンとお酒が楽しめるパン屋「this is ormary store」や、「JAPAN MADE PROJECT」の一環として、京都の陶芸家 清水宏明氏と京焼・清水焼の窯元 陶仙窯の器など、地元・京都の店や作家の商品も販売している。「京都の地場の方たちのコミュニティの中に店舗を根付かせたい」との思いから、今後も京都のローカルなものと、東京やLAといった他の都市のものとの融合を意識した取り組みや展開を継続して行っていくという。
「Barbour」とバイヤーセレクトのヴィンテージアイテム
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また、2階の店舗正面側の窓側には、開放感のある広々としたスペースに大きな階段を新たに設置。座って休憩や飲食ができるほか、トークショーをはじめとした定期的なイベントの開催も計画。「グローバルフラッグシップ」の名の通り、国内のみならず、今後はニューヨークや台湾をはじめ、世界各地のアーティストを招いたイベントやポップアップなども予定している。
今回リニューアルオープンするアーバンリサーチ KYOTOについて、村手氏は「今年の4月に社長が交代したこともあり、新社長が率いる新しいアーバンリサーチのシンボルのようなストアを作りたいという思いから生まれた店舗。この店を見ていただければ、我々の会社がこの先の10年でやりたいことがわかるような、今後の会社としての方向性が可視化された場所になっています」と説明。セレクトショップとして本来やるべき提案や表現が、会社の規模が大きくなるにつれて難しくなっている側面があったことを受け、「まだ無名のブランドをいち早く取り入れたり、ストリートやヴィンテージとラグジュアリーを掛け合わせるような独自の提案をしたりといった、センスや感覚的な部分で勝負できるところがセレクトショップの強み。この店ではもう一度そういった部分をしっかりと表現することで、百貨店を含めた他の業態の小売とは差別化をした提案をしていきたい」と、同店に込めた思いを語る。
左:湯本弘通氏、右:村手謙介氏
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今後は、京都店での提案や取り組みを他店へも波及させることで、最終的には他の既存店の売上伸長を目指すとともに、将来的には東京やグローバルな場所への「グローバルフラッグシップストア」の新規出店も構想しているという。
◾️URBAN RESEARCH KYOTO
オープン日:2024年11月8日(金)
所在地:京都府京都市中京区寺町通円福寺前町285
営業時間:11:00〜20:00
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