楽天グループ(以下、楽天)が11月6日の今日、無人配送サービス「Rakuten 無人配送」を発表した。同日から、東京都中央区晴海全域、月島2、4丁目の一部、勝どき2丁目の一部地域で導入を開始。自動配送ロボットによる配送サービスを都内で提供するのは、同社として初の取り組みとなる。
楽天は、2019年にロボット配送の取り組みをスタート。千葉大学やうみかぜ公園、東急リゾートタウン蓼科、筑波大学などの私有地で実証試験を重ね、2021年に馬堀海岸住宅地で日本初となるロボットの公道走行による商品配送サービスを行った。2022年には、川崎重工業やTIS、日本郵便、パナソニックグループなど7社と共同でロボットデリバリー協会を設立したほか、つくば駅周辺で人が同行しての自動配送ロボットによる配送サービスを1年以上展開した。
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同サービスでは、米Cartken社が開発し、三菱電機グループのメルコモビリティソリューションズが国内向けに適合させた自動配送ロボットを使用する。縦71cm、横45.5cm、高さ61.8cm、約24Lまでの荷物を積載でき、最高速度は5.4km/h。約10時間稼働する。機体前方と後方部には高解像度カメラと距離測定カメラを搭載しているほか、地域内に配備されるオペレーターが常時遠隔で監視する。横断歩道ではロボットが自動で一時停止し、遠隔監視者の指示で発進。公道で目の前を人が横切る際などは自動で停止するよう、非常停止装置が配備されている。商品の保温・冷蔵にも対応しているという。
Image by 楽天
無人配送の対象は、「スターバックス コーヒー 晴海 トリトンスクエア店」「スーパーマーケット文化堂 月島店」「吉野家 晴海 トリトンスクエア店」の3店舗。同地域内に構えるオペレーション拠点からロボットが店舗まで向かって商品を引き取り、注文者まで配送する。サービス導入に際して同社は、無人配送専用のアプリを開設。使用者は同アプリから注文し、最短30分後から最長6日先まで、10時から21時までの15分ごとの配送枠を指定できる。配送先として指定できる場所はマンションやオフィス、公園など全62ヶ所。1日最大24便が運行可能で、配送料は各100円となる。なお、同自動配送ロボットは広告媒体としても運用される予定だ。
同社は、メディア向けに自動配送ロボットのデモンストレーションを実施。実際に配備される晴海地域内で、公道の走行や横断歩道の発進・停止、商品の積み込み・受け取りの様子を公開した。
Image by FASHIONSNAP
歩行者の前で一時停止する様子 Video by FASHIONSNAP
現在日本では、EC市場の成長や道路交通法の改正、働き方改革関連法によりトラックドライバーの労働時間が短くなり、輸送能力が不足する「物流の2024年問題」などにより、自動配送ロボットによる無人配送の需要が高まりつつある。また、画像認識技術を活用することで高価なセンサーの数を最小化し、コスト配送が可能になっている。同社は今後、サービスの展開地域と、地域内におけるオペレーション拠点とロボット台数の拡大を進めていくという。
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