最近日本では電動キックスクーター、別名eスクーターの話題が絶えない。特にスタートアップのLuupによる資金調達など、新たな電動マイクロモビリティとしてその勢いはどんどん増している感じがする。
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その一方で、SNS上では「危なすぎる」「廃止すべきだ」「海外では禁止している街が多い」などの意見も散見され、かなり炎上気味な状態。
そんな中で、東京に加え、世界の他の街のeスクーターを取り巻く状況も踏まえ、個人的な考察をしてみたいと思う。
そもそもなぜこんなにも反対論が多いのだろうか?
それはおそらく、その車輪の小ささと重心の高さだろう。こちらのスクーターレースの動画を見てもわかるとおおり、細かなコーナーでは転倒する人が多発しており、その操作には一定の技術が必要とされる。
反対派の中には、この不安定さを指摘する人も少なくない。
eスクーターレースの様子
その一方で、ここ一年ほどで東京都内でeスクーターに乗る人たちを見ることが多くなったように感じる。
また、駅前や商業施設などにLuupのステーション設置を目にすることも少なくない。
では、世界の他の街ではどうなっているのであろうか。
まずはbtraxの本社のあるサンフランシスコでは、市民の日常の足としてかなり重宝している。市内のいたる所にBirdやLimeなど、複数のシェアリングeスクーターが置かれ、アプリ経由で気軽に利用することが可能。
ちなみに、btraxのオフィスにも二台ほどeスクーターが常備されており、スタッフがいつでも利用できるようになっている。
先日訪問したバルセロナではどうだろうか?
こちらでも、多くの人たちが徒歩や自転車、メトロに合わせ、eスクーターでの移動を行なっていた。
サンフランシスコやバルセロナで普及する一方で、eスクーターを禁止する都市も少なくない。
例えば、ニューヨーク市やパリ、マドリッドやメルボルンでは、その危険性からeスクーターの利用を禁止している。
Eスクーターが日常的に普及している都市と、完全に禁止する都市。
なぜここまでの差が出ているのだろうか?それは、それぞれの都市の構造によるところが大きい。例えば、サンフランシスコの市街地の道は、車道と歩道に加え、”Bike lane” と呼ばれるかなり広めの自転車専用レーンがあり、eスクーターもそこを走ることが可能。
それにより、車道を走りながらも、安心して自動車との “共存” が可能なのだ。
バルセロナ市街地には自動車が侵入禁止の道が多くあたり、時間によりバリケードが設置され、自動車が入れないようにしている。これにより、安全にeスクーターが利用可能になる。
ちなみに、車道でeスクーターを乗るのは少し怖い感じがするが、歩道を走るのは、歩行者を危険にさらす可能性が高く、禁止されているので、絶対にやめた方が良い。
こちらの動画のように、出会い頭でぶつかり、歩行者へ多大なる被害を与えてしまうことになる。
こんな感じで、それぞれの都市によってeスクーターへの法規対応が大きく異なる。
そんな中、日本国内ではLuupに代表される、シェアリングスクーターに対しての強い批判をする保守派と、新しいモビリティへの期待が高まる確信派との間での激しいぶつかり合いが定期的に見られる。
しかし、それはeスクーターという乗り物自体だけにフォーカスを当てているうちは、かなり的外れな気もする。
Eスクーターが危ない乗り物なのか、東京をはじめとする日本の都市で普及させるべきかどうかに関しては、都市のインフラと併せて考える必要があるだろう。
例えば、上記で紹介したサンフランシスコの場合、自転車専用レーンのおかげでかなり安全に感じる。
その一方で、パリのような道が狭く、歩道と車道の距離が近いような都市においては、危なかっかしすぎて乗る気にもならない。
今後、東京でeスクーターを安全に普及させるには、まずは都市のインフラの整備から行う必要があるように思われる。
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