アダストリアが新会社 アンドエスティを設立、EC事業を移管し流通総額1000億円のプラットフォームを目指す
左から、アンドエスティ 田淵淳也取締役CSO、田中順一取締役CMO、木村治代表取締役CEO、小林千晃取締役CBO、櫻井裕也取締役CTO
Image by: FASHIONSNAP
左から、アンドエスティ 田淵淳也取締役CSO、田中順一取締役CMO、木村治代表取締役CEO、小林千晃取締役CBO、櫻井裕也取締役CTO
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アダストリアが新会社 アンドエスティを設立、EC事業を移管し流通総額1000億円のプラットフォームを目指す
左から、アンドエスティ 田淵淳也取締役CSO、田中順一取締役CMO、木村治代表取締役CEO、小林千晃取締役CBO、櫻井裕也取締役CTO
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アダストリアが、 新会社のアンドエスティを新たに設立し、自社ECサイト「アンドエスティ*(and ST)」の運営を中心としたアンドエスティ関連事業を100%子会社であるアンドエスティに移管することを発表した。10月23日に開催されたアンドエスティの事業戦略説明会では、今回アンドエスティの代表取締役CEOに新たに就任した木村治代表取締役社長をはじめ、アンドエスティの取締役に就任するアダストリア執行役員を含む4人の担当者が登壇した。
*アンドエスティ:10月23日付で「ドットエスティ(.st)」から名称変更した。
アダストリアは、中期経営計画のテーマに掲げる「アパレルカンパニーから、グッドコミュニティ共創カンパニーへ」を実現するべく、かねてより自社ECサイトで他社製品を取り扱う「オープン化戦略」を推進。現在はランジェリーブランドの「ピーチ・ジョン(PEACH JOHN)」やアイウェアブランドの「ゾフ(Zoff)」をはじめ、17社22ブランドが出店している。今後は、会員数1800万人を超えるプラットフォーム「アンドエスティ」を自社ECサイトにとどまらない新たな“ファッショントータルプラットフォーム”へと進化させるため、新会社を設立して同事業を独立運営することで、さらなる外部企業の参画を促すという。
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新会社のアンドエスティでは、「モール&メディア」「プロデュース」「ソリューション」の3つの事業を軸に展開。前身の「ドットエスティ」のサービスが始動した2014年には80億円規模だった流通総額は、現在400億円規模にまで成長しており、2030年には1000億円達成を目指すとしている。
中核となるモール&メディア事業では、取り扱う商品カテゴリーを拡張すべく、コスメやランジェリーを含む新規パートナー企業の出店拡大に注力。既に2025年春には「ディーン アンド デルーカ(DEAN & DELUCA)」の新規出店が決定しており、食から雑貨までさらに展開カテゴリーを増やす。また、デジタルとリアルの融合を体現する場として、現在22店舗を展開するOMO型(ECで注文したアイテムを実店舗で受け取ることができる)店舗「アンドエスティストア(and ST ストア)」の出店を拡大するほか、2025年春には集客が見込める一等地に旗艦店のオープンを予定している。
そのほか、現在アンドエスティ会員に特典として付与している「dポイント」に加え、新たに「楽天ポイント」との連携も予定。2025年秋を目処に、「and STポイント」「dポイント」「楽天ポイント」のトリプルポイントの付与開始を計画している。
プロデュース事業では、ブランド開発や企画・生産・店舗開発・店舗運営といった同社のバリューチェーンの強みを活かし、アンドエスティ出店企業に対してサービスを展開。商品企画や販促施策、クリエイティブ、店舗運営など、各ブランドのニーズに合わせたプロデュースを行うことで、取引先企業の事業やブランド拡大を支援するという。
アンドエスティ取締役CBOの小林千晃氏は、同事業の先行例として、アダストリアプロデュースによる「ピーチ・ジョン(PEACH JOHN)」のブランド初となるアパレルコレクションを紹介。ゲスト登壇したピーチ・ジョンの伊吹ライラ執行役員 商品企画部長は、「アダストリアさんには、ピーチ・ジョンというブランドをとても客観的に見ていただき、多くの可能性があることを示してもらった。10月30日に発売する初のアパレルコレクションでは、企画段階から一緒に取り組みながら、ピーチ・ジョンらしさをデザインやディテールでうまく表現したファッションアイテムを作っていただいた」と話した。
ソリューション事業では、同社の既存のテクノロジーやプラットフォームを活用した、さまざまなサービスを展開。目玉としては、国内初のデジタルバンク「みんなの銀行」との協業による、and STポイントの現金化も含めた利用範囲の拡大や、口座決済サービス、ウォレット機能の提供を予定しているという。同社取締役CTOの櫻井裕也氏は、「まだ詳細については言えないものの、将来的には利便性と経済性に“楽しさ”をプラスした、“アンドエスティ経済圏”を作っていきたいと考えている」と構想を語った。
そのほか、出店企業にデータ連携や物流倉庫連携などのマーケットプレイス機能の提供や、アダストリアの全国4000人のショップスタッフがコーディネートやライフスタイルを投稿するアンドエスティ内のコンテンツ「STAFF BOARD」など、同プラットフォームならではのシステムソリューションを提案していくという。
今回アンドエスティの代表取締役CEOにも就任した木村社長は、「我々は、アンドエスティを通して今までにない新しいプラットフォームが作れると思っている。多様なコンテンツやサービスと、企業、スタッフ、お客様から成る多様なコミュニティの両輪をアンドエスティ上で繋ぎ、コミュニティを構築していくことで、社員やお客様を含めた皆を繋げる“ファッショントータルプラットフォーム”として、アンドエスティはこれから進化をしていく」と話し、説明会を締め括った。
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