Image by: FASHIONSNAP
ファッションブランド「マルベリー(Mulberry)」を展開するマルベリーグループ(Mulberry Group、以下、マルベリー)が9月30日、イギリスのスポーツ用品小売 フレイザーズグループ(Frasers Group、以下、フレイザーズ)から買収提案を受けたと発表した。マルベリーは翌日、フレイザーズからの提案を拒否すると公表している。
マルベリーは近年、コストの上昇や英国マクロ経済状況の悪化などにより、2024年度の通期収益は前年の1億5910万ポンドから1億5280万ポンドに減少し、営業損益は前期の1700万ポンドの黒字から2910万ポンドの赤字に転落するなど、業績が低迷している。
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これを受け同社は、約1000万ポンド(約19億円)を資金調達するために、56.1%の株式を保有する大株主のチャリス・リミテッド(Challice Limited、以下、チャリス)が新普通株式1000万株を各1ポンドで新たに引き受けること、加えて他の株主が新普通株式75万株を上限に、増資に参加できるオプションを提供することを9月27日に発表していた。
この発表から約24時間後にフレイザーズは、同社が保有していないマルベリーの発行済および発行予定の全株式に対する買い付けを提案。同社はマルベリー株式における37%を保有しており、買い付け条件はマルベリー株式1株につき130ペンス(約248円)に設定。フレイザーズが保有していないマルベリーの発行済および発行予定の株式評価額は、約5240万ポンド(約100億円)と発表されていた。
同提案を受けマルベリーの取締役会は、財務および法律アドバイザーをはじめ、チャリスとともに同買付に対し慎重に協議。27日に発表した資金調達オプションに加え、新CEOのアンドレア・バルドー(Andrea Baldo)のもとで事業再生を実行し、最終的にはマルベリー全株主に最高の価値を提供するための強固な基盤を得ることができると考えており、これを踏まえて同買収提案はマルベリーの将来における潜在的価値を十分に考慮していないと判断。また、チャリス側はマルベリーの戦略を支持し、同買収提案を賛同する意向はない姿勢を見せたことから、マルベリーはフレイザーズからの買い付けを拒否する決断をとった。
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