Bravissimoの公式サイトより
ワコールホールディングスは9月26日、英国に構える同社連結子会社 Wacoal Europe(以下、WEL)を通じて、イギリスで女性用インナーウェアや水着等の企画開発および販売を行う Bravissimo Groupの全株式を取得し買収した。取得価額は4570万ポンド(約85億円)。
Bravissimo Groupは、1995年に創業。Dカップ以上の大きいカップサイズのアイテムを中心に展開する同社ブランド「Bravissimo」を運営し、同ブランドの売上構成比はグループ全体の40%を超える。そのほか、WELや他社ブランドのインナーウェア、水着などを扱う直営店を英国で25店舗展開している。フィッティングを重視したオフライン・オンライン双方での消費者とのコミュニケーションを強みとしており、店頭では経験豊富な販売員がコンサルティングサービスを行い、ECサイトでは電話やメール、ライブチャットによるサポートに加え、ビデオ通話を利用したバーチャルフィッティングも実施している。直近の売上高は、2021年度の5191万6000ポンド(約96億円)から2022年度は5816万ポンド(約107億円)に増加し、2023年度は5803万2000ポンド(約107億円)を記録。営業利益は2021年度から2022年度にかけ、287万ポンド(約5億3000万円)から92万2000ポンド(約1億7000万円)へと落ち込んだが、2023年度で342万7000ポンド(約6億3000万円)まで盛り返した。
ADVERTISING
ワコールホールディングスは、海外事業において、主要市場の英米中での着実な成長実現、サプライチェーンの最適化による高収益構造への変革を果たすべく、新しい事業機会の創出に向けて検討を重ねてきた。中でも英国では、EC事業の強化を加速すると同時に、競争優位の源泉である商品の快適性や着け心地を正しく消費者に実感してもらうフィッティングサービス機会供与の増加、平均市場成長率を超えて伸長するラージサイズ商品市場でのドミナントポジションの堅持・向上に注力している。
今回の買収により、卸売事業が主体だったWELは消費者へ直接アプローチできる直営店を拡げることが可能となり、その結果、これまで以上に販売結果や消費者情報を迅速に分析できるようになることから、サプライチェーンにおける事業効率向上を目指していくという。一方Bravissimo Groupにおいては、WELの卸売事業の販売ネットワークを最大限に活かし、自社ブランド Bravissimoを英国外市場に拡大することができる。同ブランドをワコールホールディングスの一員に加えることで、WELは、従来から強みとしている大きいカップサイズマーケットにおいて独占的地位の確立を目指す。同時に、両社の優れた特性を組み合わせ、将来的には商品のデザイン・企画開発、生産や物流といった点で競争優位性を高めていくという。
ADVERTISING
RELATED ARTICLE
関連記事
RANKING TOP 10
アクセスランキング
銀行やメディアとのもたれ合いが元凶? 鹿児島「山形屋」再生計画が苦境