資生堂のエイジングケアブランド「エリクシール(ELIXIR)」が2022年の戦略転換以降、好調を維持している。本格的なエイジングケア層の40代以上に向けた商品の連続的な投入、TVなどの大型広告だけでなくデジタルのマーケティングにも注力し、認知拡大と話題化の継続を図ったことが功を奏した。9月21日に発売を控える薬用高機能美容液「エリクシール ザ セラム aa」(医薬部外品、50mL 税込8910円、つけかえ用 同8360円 ※編集部調べ)は、予約数がブランド過去最高となる10万個を突破。新客の獲得とリピーターの醸成にも投資し、2024年は2桁成長を見込む。
2022年の戦略転換は投資の選択と集中を軸に推進。年間の新商品数を絞りながら、より多様化するエイジングケアのニーズに応え、個々の機能性が高いものを開発する方針にシフトした。ブランド過去最大となる前年比2.3倍の投資を実施した結果、エイジングケアラインは前年比33%増、ブライトニングラインは同69%増の成果を達成。同時にブランドのエイジングケアを担う、薬用有効成分の純粋レチノール配合のシワ改善美容液をコミュニケーション面でテコ入れし、同23%増といった躍進を遂げた。
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商品数を絞りつつも、エイジングの悩みに多い「くすみ」「たるみ」「シワ」「乾燥」などに対して、資生堂の肌研究の最新知見やエリクシールならではのコラーゲン研究を組み合わせたパワフルな商品を投下。昨年、6年ぶりにリニューアルしたシワ改善クリーム「エリクシール シュペリエル エンリッチド リンクルクリーム」(医薬部外品)を筆頭に、“ゆるみに全方位ケア”と謳った「エリクシール トータルV ファーミングクリーム」や、大人ぐすみに対応する化粧下地「エリクシール デーケアレボリューション トーンアップ SA+ aa」(SPF50+・PA++++)などが今年にかけて登場した。同化粧下地は発売3ヶ月で年間目標を達成するなど、注目を集めた。
エイジングケアマーケティング部の越間美布バイスプレジデントは、「いずれも発売前のギフティングやサンプリングによって、SNS上での”オーガニック投稿”が活発で、“購入前の期待感”が醸成できたことが売上につながった。オーガニック投稿数は昨対比1.5倍に増加し、いい仕組み化ができている」と分析。このオーガニック投稿の活性化は、インフルエンサーなど拡散力を持つユーザーへの商品説明会のようなコミュニケーションの場で、商品に対する感想や「自分だったらどう紹介するか」といったキーワードを積極的に聞くことで、一般ユーザーに刺さるキャッチーなキーワードの設定に役立てたことが奏功したと話す。
また、リピート購入の促進のため、OMO戦略にも力を入れる。昨年はユーザー自身がスマートフォンで肌効果をトラッキングでき、満足度を可視化できる仕組みとしてオンラインの肌測定コンテンツ「AIスキンアナライザー」をリリース。店頭では引き続きていねいなカウンセリングを実施しながら、同コンテンツも提案することで継続利用を促している。
2024年の1〜6月の売上高は前年同期比17%増、営業利益は同1.6倍で好調を維持。新客は同38%増と順調だ。新作美容液は、2万種類以上から見つけ出したブランド初搭載となる独自の高機能成分「コアキシマイド」を中心に、シミ・そばかすを防ぐ美白有効成分「m-トラネキサム酸」や「M-バウンサーCP」など21種類のスキンケア成分を配合。独自技術「倍速エッセンステクノロジー」を採用し、コアキシマイドを約2倍速くリリースすることを実現した。
越間バイスプレジデントは、「美容液カテゴリーは化粧品市場において群雄割拠。その中で過去最大の売り上げを出し、同カテゴリーでのトップシェアを目指す。さらなる愛用者基盤の拡大で、日本でのスキンケア市場シェアNo. 1を盤石化させたい」と期待を寄せる。
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