辺見えみりがディレクター、ユナイテッドアローズの新ブランド「コンテ」が滑り出し好調　青山には路面店がオープン

Video by: FASHIONSNAP

　ユナイテッドアローズが、女優の辺見えみりをディレクターに起用した新ブランド「コンテ（conte）」の初の常設店舗となる青山店を9月6日のオープンに先駆けて公開した。取材会には辺見と事業責任者の神永和洋氏が参加し、店内を紹介したほか、8月にスタートしたECサイトでの先行予約やポップアップでの手応えを語った。

全身ショット — ディレクターの辺見えみり。内覧会ではコンテのセットアップ、ヨンのアクセサリー、カルティエのヴィンテージタンク、ネブローニのパンプスを着用。
Imaged by FASHIONSNAP

　コンテは、ユナイテッドアローズのウィメンズブランド2024年秋冬シーズンにデビュー。ブランドステートメントに“新しいベージュ”を意味する「Novel BEIGE」、コンセプトに「NATURAL MODE」を掲げ、30代後半〜50代の大人の女性をターゲットに快適で心地良くありながら都会的な装いを提案している。

ADVERTISING

　ブランドを象徴するのは、多様なトーンで展開する「ベージュ」カラー。フェミニンな色味やシルエットをベースにしつつも、素材やディテールでメンズライクな要素を取り入れることで、甘さを抑えた上品なバランスを備えた、オン・オフ両方で着られるアイテムに仕上げている。

　共感を呼べるウィメンズブランドの成長が課題だったユナイテッドアローズは、コンテの立ち上げ当初から常設店舗の出店を構想。路面店の新規出店は2019年以来5年ぶりだという。出店先は、辺見自身もよく利用するという骨董通りを選定。もともとは写真館だったといい、オーナーがテナントを募集していたタイミングが重なり出店が実現した。

青タイルが印象的な外観 — 青山店の外観。店舗開発には半年強の期間をかけた。
Imaged by FASHIONSNAP

　店舗づくりにも携わった辺見は、外壁の青タイルをそのまま活かしつつ、新しい時代につながっていくようなイメージで、ブランドの世界観を内装デザインで体現。ナチュラルなトーンをベースに、奥行きのある空間でも自然光を随所に感じられるようライティングにこだわり、大理石のテーブルや真鍮のパーツにより高級感を演出しながら、ヴィンテージ家具などで木の温もりを取り入れることで親しみやすい距離感を意識したという。試着室は2部屋設け、そのうちの1部屋はガラスブロックで仕切ったデザイン。ブランド店舗の象徴の一つとして、今月12日にオープンする新宿店など他の店舗にも取り入れていきたい考えだ。

1 / 11

ラックごとでスタイリングを提案。マネキンにはコートなど代表的なアイテムを着用させている。

Image by FASHIONSNAP

　アイテムはオリジナルアイテムが8割で、残り2割は「ジルサンダー（JIL SANDER）」のバッグやアクセサリー、「ネブローニ（NEBULONIE）」のシューズ、「カルティエ（Cartier）」の「タンク（TANK）」のヴィンテージといったセレクトアイテムや、ジュエリーブランド「ヨン（YON）」とコラボレーションした「C」モチーフのジュエリーなどで構成。また、青山店限定として、辺見が展開するスキンケアコスメブランド「ミズカ（mizuka）」や「キトワ（KITOWA）」のアイテム、作家の伊藤環が手掛けた器も並べるなど、辺見が理想とする女性像のライフスタイルを体現したという。

Image by FASHIONSNAP

　ターゲット層の40代の女性でもある辺見は「40代の女性として、新しいことにチャレンジすることがすごく難しい年代になってくると思うが、このお店に来たら少しでも挑戦してみたいというお客様の高揚感を作ることができるお店を目指して作った」とコメント。自身が店頭に立つことはないが、イベントの開催は視野に入れているという。

◆EC先行予約は計画比約7倍の売上　ポップアップも好調

　常設店舗の出店に先駆けて、コンテでは8月からユナイテッドアローズのECサイトで先行予約を実施。計画値に対して約7倍の売り上げを記録し、想定以上に推移しているという。また、麻布台や六本木、横浜で開催したポップアップも同2倍の売り上げを計上するなど、ブランドとしては好スタートを切っている。

　購買層のうち、40代を中心としたターゲット層は約8割、かつユナイテッドアローズとしてのウェブの新規顧客も3割ほどを占める。同社としても新規顧客の獲得が課題だったことから狙い通りだという。コートが特に好評で動いている。

　好調な滑り出しについて、辺見は「最初のお披露目会の時にお話させていただいた時は、どんな反応があるのか全くわからない状態だったので、自分が良いと思っているものがお客様にも響いたことへの喜びは大きいが、プレッシャーも大きくなってしまった」と本音を覗かせながらも、「お客様と一緒に、お客様とともに一緒に私も成長していけるようなお店にしていきたい。私自身もすごくスキルアップさせていただいている。長く続いていくブランドであって欲しい」と展望を語った。