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ミニマル一辺倒に飽き? マキシマリストファッションに注目集まる

女性のマキシマリストファッションの例
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ミニマル一辺倒に飽き? マキシマリストファッションに注目集まる

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 クワイエットラグジュアリーやノームコアなど、長らくファッション界を席巻してるのがミニマルな装い。一方で、たくさんの好きなものに囲まれる暮らしを楽しむ人をマキシマリストと呼びますが、ファッションにおいてもマキシマリストスタイルが人気を集めはじめています。好きなものを好きなように重ねて組み合わせ、時に過剰にも見えるマキシマリストは、ミニマル一辺倒に飽きつつある人に刺さっている様子。そこで今回は、そんなマキシマリストファッションに注目したいと思います。

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「個性」を重視が夏のトレンド

 若い世代を中心にSNSがトレンドの発信源として活用されていますが、画像シェアと検索エンジンの「Pinterest」が人気検索キーワードをもとに発表した2024年の夏トレンドが「個性的な装い」。ファッションはこうあるべき、というルールや常識にとらわれず、自分の“好き”という感覚を信じて好きなように着こなすのが人気です。例えば1996年に創刊され人気を博したスナップ雑誌「FRUiTS」に掲載されていたような原宿ファッションや、デザイナーでタレントの篠原ともえさんの「シノラー」と呼ばれるポップで派手なスタイルなど、とことん個性を主張し自分らしさを表現するのが鍵。普通であることを追求するノームコアとは真逆で、とにかく盛るのがこの夏のトレンドです。

「マキシマリスト」とは?

 ファッション界のマキシマリスト代表といえば、奇抜かつオリジナリティのある装いで多くのデザイナーに愛されたファッションアイコン、アイリス・アプフェルでしょう。80歳でファッション界から注目を集め、2024年3月に102歳でこの世を去った彼女のスタイルはまさに唯一無二でした。ジャンクショップで見つけた掘り出しものや自作のアイテム、特大のメガネをこよなく愛し、腕にはいくつものバングル。何もかもが過剰なのに不思議とモダンで洗練されて見えるアイリスのスタイルは、2005年にメトロポリタン美術館服飾研究所で回顧展が開かれ、ドキュメンタリー映画にもなるほど話題に。個性が爆発する彼女のスタイルに再注目が集まる今、服で自分らしさを表現する人が増えつつあります。

アクセサリーはボリューミー&レイヤード

 アイリス・アプフェルやかつての原宿ファッションに共通するのは、アクセサリーやジュエリーの数の多さ。それも華奢なタイプではなく、ボリューミーなアクセサリーをいくつも重ねるレイヤードがマキシマリストの鉄則です。

大ぶりアクセサリーが今っぽい

 大粒のパールやたくさんのチャームがついたネックレス、幅広のバングルなど、アクセサリーやジュエリーはどんどんビッグサイズへと移行中。これらはひとつでも首元や手元に視線を集めるため、コーディネートの絶妙なスパイスとなってくれます。アクセサリーの色もレッドやイエローなどのヴィヴィッドなものが多く、そのボリューム感と相まってインパクト抜群。アクセサリーに限らず、アイウエアも幅広フレームのビッグサイズを選んだり、バッグにチャームをつけて自分らしくアレンジしたりするのもおすすめです。また、アクセサリーだとマキシマリスト風の装いを気軽に取り入れられるので、全身で挑戦するのはハードルが高い、と考えている人は大ぶりのアクセサリーを投入してみてはいかがでしょう。

レイヤードでボリュームを出しても

 大ぶりのアクセサリーが手元にない場合、手持ちのものを複数レイヤードして楽しむアイデアも人気です。例えばCHANELはパールやチェーンにリボンなど、複数のコスチュームジュエリーをふんだんに重ねるスタイリングをずっと以前から提案していますが、それぞれが異なる素材やデザインのものでも気にせずレイヤードすることで遊び心を感じさせ、着こなしのアクセントになってくれます。通常だとバランスを見ながら引き算しつつ重ねるのがアクセサリーをレイヤードする際のポイントですが、マキシマリストはルール無用。好きなものを好きなだけ、思いのままにレイヤードし、そのアンバランスさも含めて楽しんでください。

手元にアクセサリーをレイヤードしたマキシマリストファッションの例

ブローチもトレンドに

 アクセサリーにもトレンドのサイクルはありますが、今シーズン最も注目されているのがブローチ。これは2024年春夏コレクションでも顕著で、CHANELをはじめ名だたるブランドがスタイリングにブローチを取り入れていました。このブローチもさりげないものではなく、しっかりと大ぶり。ビッグサイズブローチを胸元に添えるのはもちろん、程々のサイズを複数個つけるのも人気です。こちらもどこにどのようにつけるかに決まりはなく、襟でも首元でもお好きなところに。服に直接針を刺したくないという人は、ストールや帽子につけても素敵です。ブローチは年配の女性のイメージが強いと敬遠する人もいますが、ポップなデザインのものなら若々しい印象に見えますよ。

個性のカタマリ「ワイルド&パンキッシュ」にも注目

 長くトレンドが続いているY2Kの影響からか、パンクやダークなテイスト、グランジスタイルなどに着目するデザイナーが増えています。東京コレクションでFETICOがゴシックな雰囲気の黒いドレスを発表し、メイクもダークチェリー色のリップに白い陶器肌などが人気の様子。また、海外のコレクションでもレースをふんだんに取り入れフェティッシュな肌見せをしたデザインや、ヘアメイクもグランジを意識し、作り込みすぎず自然でワイルドなスタイリングなどが続々。これらはどれもエッジーなデザインですが、個性を表現するという意味ではマキシマリストと同じ。好きなものを好きなように纏う、これこそが今季のファッションの要といえそうです。

 ここ何年かは、ファッションもインテリアもミニマル一辺倒でしたが、その反動であるかのようにマキシマリストがトレンドに浮上しました。例えやりすぎに見えても、身につけていて心地よく、自分らしさを表現できるスタイルは、決まったルールがないぶん少し難しく感じるかもしれません。けれどファッションにおいては自分がルール。そのくらいの強気な姿勢で個性を表現する方が、格好良く着こなせるはずです。

TEXT:横田愛子

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