夏のスタイリングに欠かせないのがサンダル。おしゃれは足元からと言うように、見た目にも涼しげなサンダルを履きこなすと夏のコーディネートが格段にレベルアップします。サンダルにも毎年トレンドはありますが、今年もスポーツサンダルが人気継続中の様子。足元はスタイリングの決め手となるので、その日の服装に合うサンダルを複数持っておくと着回しの幅が広がりますよ。今回はサンダルの種類について紹介します。
ADVERTISING
サンダルとは
サンダルとミュールやパンプスの違いをご存知ですか? サンダルは足全体を覆わず、甲やかかとを紐やベルトなどで留めるタイプの靴のこと。よくミュールと混同されますが、ミュールは足の甲が覆われ、かかとにベルトやストラップがついていない靴のことです。またパンプスは、爪先やかかとが覆われているものを指しますが、オープントゥのように爪先が覗く場合でもかかとが覆われていればパンプスになります。サンダル、ミュール、パンプスともに、ヒールのあるタイプもフラットなタイプもあり、ヒールの有無や高さ、形状によって安定感や見た目の印象がかなり変わるもの。美脚に見えるヒールの高さは7cm、歩きやすいのは3cmだとされています。
【サンダルの種類と合わせ方】
サンダルのバリエーションはかなり豊富。トレンド継続中のスポーツサンダルから夏の定番であるエスパドリーユにビーチサンダルまで、デザインも印象も全く異なります。様々なサンダルの種類の紹介と共に、似合うファッションをご紹介します。
トングサンダル
サンダルの中でも足を覆う部分が少なく、暑い季節にぴったりなのがトングサンダルです。トングとはフランス語で「紐」のことで、下駄の鼻緒のように親指と人差し指で鼻緒を挟む形状になっています。デザイン的にはカジュアルですが、レザー素材やデザインによっては大人っぽくもなり、甲の露出が多いため抜け感を出せるアイテムとして人気です。ビルケンシュトックの定番モデル「Gizeh」などが代表的ですが、健康的なコンフォート系以外にもデザインの幅が広いのも特徴。コンフォート系なら麻のワイドパンツなどリラックス感のあるファッションに、大人っぽく履くのなら黒や白のレザーやエナメル素材を選び、モードな雰囲気を演出するとスタイリッシュに見えます。
ビーチサンダル
誰もが一度は履いたことがあるといってもいいのが、通称「ビーサン」と呼ばれるビーチサンダルでしょう。その名の通りビーチで履くサンダルとして世界中で愛用されていますが、実は日本発祥。神戸の長田区にあるゴム製造企業が1950年代に製造したのが最初で広がりました。形状はトングサンダルと同じですが、素材はゴム。サンダルの中でも一番ラフで、ビーチや近所履きに最適です。日本の「げんべい」やブラジルの「ハワイアナス」などが人気のビーチサンダルブランドで、多数のカラーが展開されています。ビーチサンダルを日常的に履く場合、鼻緒部分とベースが同色のものや、鼻緒が細めのタイプ、ほかにもゴールドなどのヌーディーなカラーを選ぶと子供っぽくなりません。
グルカサンダル
数年前にブームが到来して以降、すっかり定番になったのがグルカサンダル。グルカサンダルは19世紀に英国軍のネパール山岳部隊にいたグルカ兵が履いていた軍靴にルーツを持ち、レザーの編み込みデザインのアッパーが特徴的です。甲の露出が抑えられるので品よく綺麗目に履け、ロングスカートやオールインワンの足元にもお似合い。網目の隙間から肌がチラリと覗くので素足で履けば抜け感を出せますが、カラーソックスと合わせてソックスの色や柄を見せるのもおすすめです。足の甲全体を覆うデザインゆえにフィット感や安定感があり、たくさん歩く日のサンダルとしても最適。なお、厚底タイプを選べば、よりトレンド感を出すことができます。
スポーツサンダル
スポーツサンダルはアウトドア向けにタフに作られたサンダルのことで、スニーカーブランドやアウトドアブランドから多数リリースされています。また、昨今のスポーツサンダルブームでファッションブランドでも取り扱うショップが増加中。人気が出始めた頃は白ソックスとのコーディネートが定番でしたが、学生っぽくなりかねないので大人には難易度が高め。ネオンカラーのソックスと合わせて遊び心を演出するなどのひと捻り利かせたコーデに挑戦するか、潔く素足で履くのが履きこなすコツです。服との合わせ方はスニーカーと同様の感覚で大丈夫ですが、全身スポーティーにするよりも、外しアイテム的に取り入れる方がおしゃれに見えるでしょう。
ウェッジソールサンダル
通常の靴でもよく耳にするウェッジソールとは、楔(くさび/ウェッジ)の形状をした靴底(ソール)デザインのこと。厚底で底面は平ら、かかとに向かって厚みを増すデザインは、横から見ると楔の形をしているのが特徴です。ソールにインパクトがあるのでボリューミーな足元を作れ、足裏全体を支える構造なのでヒールが高くても歩きやすいのがポイント。ソール部分の面積が大きいので、そこにデザインを施したものも多く、サンダルの場合は夏らしさを出すためにジュートやコルク素材のソールが多めです。ソールが厚くなるほど存在感が増すので、派手な色や濃い色だと足元が重く見えることも。軽やかで涼しげに見せたいのならベージュや白などを選びましょう。
プラットフォームサンダル
プラットフォームは言葉通り「駅のホーム」という意味で駅のホームに形が似ていることが名前の由来。いわゆる厚底を指します。ウエッジソールが横から見た際にかかとに向かって広がる三角形なのに対し、プラットフォームは爪先とかかとにあまり高低差がなく、履いている感覚はフラットに近いもの。ウェッジソールと同様に底面が全て地面につくので安定感があり、背を高く見せてくれるのが魅力です。しかし爪先部分も厚底なので存在感はウエッジソール以上。ソールが濃色だと夏には重たく見えることもあり、一方で白だと汚れが目立つのでこまめなお手入れが必須です。インパクトのあるデザインなので、コーディネートに取り入れる場合は全体のバランスを重視してみましょう。
サボサンダル
サボはスウェーデン発祥の木靴のことで、ころんと丸みを帯びた甲のデザインと木やコルク製の靴底が特徴的。サンダルとはいえ爪先は覆われており、かかと部分は露出しています。元々は農民が履いていた木靴がベースになっているのでナチュラルな雰囲気のものが多く、素材はスエードやレザーが大半ですが、クロックスのようなEVA素材のタイプも販売されています。コンフォート系のイメージが強いので、リラックスカジュアルやナチュラルなスタイリングと相性が抜群。素足よりも厚手のソックスなどと合わせ、リラックスしたコージーな足元に仕上げると可愛く履きこなせます。サボサンダルはオールシーズン履けますが、夏場なら白やベージュ系カラーが涼しげです。
エスパドリーユ
靴底にジュート(麻)を用いたジュートサンダルの一種で、フレンチシックな夏の着こなしに欠かせないのがエスパドリーユ。フランスとスペインの国境にあるエリアで親しまれた作業靴がルーツで、麻紐ソール×キャンバス素材のアッパーがスタンダードです。ナチュラルですが女性らしさもあり、ハイブランドからも多数のエスパドリーユサンダルが登場しています。夏のバカンスをイメージさせる靴なので、素足で履くのが最もお似合い。コットンワンピースやデニム、ハーフパンツなどによく合いますが、無地の服には柄入りを、ボーダーシャツには赤のエスパドリーユを合わせるなど、色と柄にこだわって選ぶとより素敵に見えます。
サンダルは夏の必須アイテムですが、素敵に履きこなすために欠かせないのは足のお手入れ。ネイルはもちろん、意外とかかとが目立つため、角質ケアや保湿をして美しい素足で履くのが何よりのポイントです。
TEXT:横田愛子
ADVERTISING
PAST ARTICLES
【Fashion HR】の過去記事
RANKING TOP 10
アクセスランキング
銀行やメディアとのもたれ合いが元凶? 鹿児島「山形屋」再生計画が苦境