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マルジェラやバレンシアガを経験、ウガンダ出身デザイナーによる「寄付された服」で作るブランドに熱視線

Image by: BUZIGAHILL

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マルジェラやバレンシアガを経験、ウガンダ出身デザイナーによる「寄付された服」で作るブランドに熱視線

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 デザイナー ボビー・コラド(Bobby Kolade)が手掛けるアパレルブランド「ブジガヒル(BUZIGAHILL)」が業界内で注目を集めている。今年6月に開催された第106回ピッティ・イマージネ・ウオモ(Pitti Imagine Uomo)では、ケリング(Kering)がサステナビリティに注力する新進気鋭のデザイナーを支援するブース「S|Style」に参加し、同社が展開する「マテリアル・イノベーション・ラボ(Material Innovation Lab)」と提携して製作したコレクションを発表。国内でも、今年5月に高島屋がブジガヒルをパートナーに抜てきし、共同でクラウドファウンディングプロジェクトを実施するなど、協業の取り組みが広まり始めている。

 ブジガヒルは、ウガンダ共和国の首都カンパラを拠点とし、アート、ファッション、アクティビズム分野で活動するアパレルブランド。同国には、世界中から「寄付」として日々大量の中古衣料品が届くが、それらの多くが実際には着られることなく「ゴミ」として廃棄されている。さらに、破格で取引される中古衣料品が飽和することで、同国のファッション関連工場は立ち行かず、産業そのものの発展を妨げていることが問題になっている。ウガンダ共和国は、地元の繊維産業の発展を目的に2023年9月に古着の輸入を禁止したが、同国にはそういった輸入古着の販売で生計を立てている事業者もまだ多く、完全な規制はできていないという実情もあるという。

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 デザイナーのボビーはスーダン出身で、ナイジェリア人の母とドイツ人の父を持つ。幼少期はカンパラとラゴスで過ごし、ベルリンのヴァイセンゼー芸術大学(Weissensee)でファッションデザインの修士号を取得した後、「メゾン マルジェラ(Maison Margiela)」と「バレンシアガ(BALENCIAGA)」のデザインチームに所属した。独立後2022年にブジガヒルを立ち上げ、様々なプロジェクトを通して同国の衣料品のまつわる社会問題について発信を行っている。

 ブジガヒルが最初に発表した「RETURN TO SENDER(差出人に返す)」というプロジェクトシリーズでは、ウガンダ共和国に届く古着を余すことなく再利用しリデザインしたアイテムを、その原料となった古着が廃棄された先進国に向けて販売。このほか、地場のクリエイターや古着の販売者、工房などとのコラボレーションを通して、地場のサプライチェーンに付加価値を与え、同国のファッション産業を成長させることを目指している。加えて、ボビーはポッドキャスト「Vintage or Violence」の共同司会者として、同国の繊維業の歴史や、ファストファッションと中古衣料サプライチェーンが地元環境に与える影響について問題提起を行ったり、美術館で実施されるシンポジウムに登壇するなど積極的に発信を続けている。

アイテムを分解して余ったパーツは他のアイテムに使用

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裂いたTシャツを手作業でより合わせたTシャツ

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 RETURN TO SENDERプロジェクトでは、カンパラの自社スタジオで古着の洗浄からデザイン、縫製までを一貫して行うことでウガンダ国内での雇用を創出。原料は一点ずつ洗浄と検品を行い、若手の女性の職人を起用したリデザイン、アップサイクルのプロセスを確立している。カンパラのアトリエには、同氏のクリエイションに憧れて国内に限らずヨーロッパからもインターン生が集まるという。

ブジガヒルのメンバー。後列左の黒いキャップの男性がボビー。

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 定番アイテムは4枚の古着をドッキングした4パネルシャツやフーディー(3万4100〜7万2600円)。このほか、元のアイテムのパーツを分解し再構築したアウター(5万9400〜8万9100円)や、パンツ(3万6300〜6万8200円)、小物(2万3100〜3万6300円/いずれも税込)などをラインナップする。アイテムは全て一点物で、原産地、素材、製作期間、個別パスポート番号が記されたブランドラベルが付けられている。

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 国内では、今年3月から「ユナイテッドアローズ(UNITED ARROWS)」原宿本店のウィメンズ部門などで取り扱っており、今後は10月9日から22日まで、日本橋、新宿、玉川、横浜、大阪、京都の高島屋CS case studyでポップアップイベントを開催する。なお、一部日程にはデザイナーも来店する。

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