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韓国・ソウル市は6月11日から7月11日までの1ヶ月間、「シーイン(SHEIN)」や「ティームー(Temu)」、「アリエクスプレス(Ali Express)」などの海外直輸入商品における安全性検査を実施した。その中で、女性用下着1件から膀胱がん発生リスクを高める発がん性物質、化粧品8件から皮膚感染症を引き起こす有害物質を確認した。
ソウル市は、同ECサイトで取り扱う食品容器140件、化粧品89件、衣類59件、衛生用品42件の計330件を調査。一部の項目において多数の製品を検査する有害項目選別検査と、国内基準に定められた全ての項目を測る全項目検査を実施し、シーインの下着から発がん性物質 アリルアミンが国内基準値の2.9倍である87.9mg/kgが検出された。アリルアミンは化学染料で、国際がん研究機関(IARC)では人体発がん性物質(Group 1)に分類されている。
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化粧品においては、アリエクスプレスとシーインで展開するリップスティック2件とアリエクスプレスのチーク2件から、皮膚に感染した場合に発疹やアトピー性皮膚炎などを引き起こす可能性がある黄色ブドウ球菌を確認。また、両ブランドのマニキュア4件からは基準値以上のニッケルとジオキサンが検出された。ニッケルは基準値を超えるとアレルギー性皮膚炎を誘発し、ジオキサンは呼吸器や眼粘膜、肝臓、腎臓に影響を与える危険性がある。加えて、リップスティック2件やチーク2件、ファンデーション3件などの一部化粧品は、表記量に比べて製品含有量が7〜23%不足していることもわかった。
そのほかソウル市は、6月4日に実施した食品容器検査でティームーやアリエクスプレスのエナメル食器1件から基準値を超えるカドミウムを確認したことから、同じ素材の製品60件を新たに調査。その結果、両サイトで販売されたエナメル食器5件から基準値の97.4倍のカドミウムと最大7倍の鉛が検出された。カドミウムはアリルアミンと同じく国際がん研究機関で人体発がん性物質に分類されており、骨軟化症や腎臓損傷などが発生し、肺がんを引き起こす可能性があるという。鉛は、基準値を超えた場合は神経系に影響を及ぼし、特に子どもの認知機能の発達遅延と妊婦の早産のリスクを増加させるリスクがある。
ソウル市は、今年の4月から継続的にシーインなど中国発ECプラットフォームの製品の成分検査を実施。5月には、シーインのキッズアイテムにおいて、基準値を超えると生殖機能に影響を与えるほか、発がんリスクもあるフタル酸系可塑剤が確認されたと発表した。キム・テヒ市民健康局長は、今回の調査結果に対し「肌に直接触れる下着、化粧品、食品容器から発がん性物質が検出されたため、製品購入時に十分な注意が必要だ」と注意喚起を促し「ソウル市は今後も持続的な安全性検査を通じ、市民などの消費者被害防止に最善を尽くす」と今後も検査を続けていく姿勢を示した。
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