Gruppo Florenceと開発した生地
Image by: Spiber
スパイバー(Spiber)が、イタリアの糸・生地における大手サプライヤー「Marzotto Group」「Filatura Papi Fabio」「Gruppo Florence」の3社とサプライチェーン・パートナーシップを締結したと発表した。2024年秋冬シーズンから3社で糸・生地製品が販売される。
イタリア企業とのサプライヤー提携はスパイバーとして初の取り組み。これまでは国内企業を中心に人工構造タンパク質素材「ブリュード・プロテイン(Brewed Protein)繊維」の開発と展開を進めてきたが、新たにイタリア企業がサプライヤーとして加わることで、さらなるグローバルな素材開発の進展を期待する。特に今回提携した3社はラグジュアリー素材領域において高い評価されており、ブリュード・プロテイン繊維を高級素材用途としての開発および普及を推進していくという。
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高品質な梳毛ウールで名高いMarzotto Groupとは、約2年の歳月を費やし、ブリュード・プロテイン繊維30%とウール70%を混紡した「ツイル2/2(バタヴィア)生地」を開発。スーツ用途に適した生地として打ち出している。
1890年創業のFilatura Papi Fabioは、高品質な紡毛および梳毛糸の生産で130年以上の実績を持つ老舗紡績工場で、ブリュード・プロテイン繊維とRWSウルトラファインウールをブレンドした糸を発表。編み物や織物の用途に適しているとしている。
Gruppo Florenceとはウィメンズウェアとメンズウェアを製作。プロトタイプは今年6月にイタリア・フィレンツェで開催された見本市「Pitti Filati」で展示されたもので、Gruppo Florenceのグループ会社「Mely's Maglieria」「Antica Valserchio」「Ideal Blue」と協業した。使用した生地はカスタムメイドで開発ができるという。
「Mely's Maglieria」が手掛けたウィメンズウェアでは、ブリュード・プロテイン繊維を用いた糸と、VIMAR1991と共同でカスタム開発したウール、ポリアミド、カシミヤをブレンドしたファンシーヤーンを混紡し、ガーメントの新たなパーソナライゼーションに挑んだという。
メンズウェアでは「Antica Valserchio」によって織られたジャカード生地を使用。パターン上のグラフィックの配置を考慮することで無駄を最小限に抑え、製品設計の効率性向上につながる生産技術「グラフィック・マッピング」を採用し、「Ideal Blue」によって製作された。
3社と開発した素材およびプロダクトはいずれも販売されている。今回の提携を機に、3社とのコラボレーションの拡大も視野に入れているという。
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