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ロサンゼルスでロボタクシー「ウェイモ」が稼働 メリット、デメリットとは?

在米28年のアメリカン流通コンサルタント
激しくウォルマートなアメリカ小売業ブログ

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■アルファベット傘下で自動運転技術を開発するウェイモ(Weymo)はロサンゼルス市内の一部エリアで自動運転による「ロボタクシー」運行を行っている。無人タクシーとも呼ばれるロボタクシーはサンフランシスコ、アリゾナ州フェニックスに続いてロサンゼルスが3番めの運行都市となっているのだ。

ウェイモは昨年からロボタクシーのテストイベント「ウェイモ・ワン・ツアー」をサンタモニカやセンチュリーシティなど6ツの区域に分けて開始。

ウェイモによるとテスト期間を含む過去5ヶ月間で15,000件のライド実績を提供できたとしている。また5ツ星評価では4.7と高評価を得ている。

今年3月初めにはカリフォルニア州公共事業委員会(California Public Utility Commission: CPUC)からロサンゼルス市内での営業が了承されたことで無人タクシーの営業を始めたのだ。

ロボタクシーの営業対象エリアは現在、西はサンタモニカやベニスビーチで東はロサンゼルス市庁舎やリトルトーキョーを含むロサンゼルス・ダウンタウンまでの63平方マイル(160平方キロメートル)となる。

北はサンタモニカ・ブルバードで南はエクスポジション・ブルバード辺り。

対象となるエリアにはロサンゼルスの副都心であるセンチュリーシティ、ビバリーヒルズやウエストウッド、ウエストハリウッド、カルバーシティなどの一部エリアも含まれ大阪市とほぼ同じ面積となる。

ただ対象エリア内にあるサンタモニカ・フリーウェイは対象外で現段階でフリーウェイを通ることはないとしている。

対象エリアは今後、徐々に拡大していくことも計画している。当初はウェイトリストに載った5万人の乗客を中心に無料でロボタクシーを提供し、二回目以降は有料に移行する。

 ロボタクシーの使い方はカンタンだ。配車アプリ「ウェイモ・ワン」を使ってライドシェアのウーバーのようにスマートフォンから専用アプリを起動して目的地を入力する。

ピックアップ時間と目的地の到着時間、さらに料金が表示されるので後はライド・リクエスト・ボタンをタップして決済を終了するだけだ(無料ライドにはコードを入力する必要がある)。

日本のタクシーと違いアメリカの場合、タクシーのドアを乗客が手動で開くことになる。

ウーバー等の場合では、ドアを開けると運転手が乗車する側の名前を確認してくる。

一方、ロボタクシーでは停まった際に他人が勝手にドアを開けて乗り込んでしまう可能性がある。そのため、乗客がアプリを使って後部座席のドアをアンロックする仕様になっている。

ただ到着後5分以内(停車後にカウントダウン開始)にアンロックしなければ乗客がいなかったと認識してどこかに去ってしまう仕様となっている。

また乗客は目的地までのルーティングについてリクエストはできない。

なおロボタクシーの料金はサンフランシスコ市内で1.3マイル(約2.1キロメートル)90セント(約140円)で1分間あたりだと40セント(約60円)となっている。

それに基本料金として5ドルに加えて、1.5%のシティタックスがつくことになるのだ。

一般的にウーバーで10.41ドルに対して、クルーズのロボタクシーは8.72ドルになる。

現在のところ利用料金には大きな差はないものの将来的にはITの進化や台数の増加等で大幅に値下げされるという。またロボタクシー競争も激化すればさらなる値下げが期待されるのだ。

 ウェイモのロボタクシーは年内中、テキサス州オースチンにも運行が開始される予定だが、無人タクシーには課題がある。

これまでの無人タクシーの実験走行により、一部が路上で突然停止して動かなくなり渋滞を引き起こしていたりするのだ。

工事現場等の場所によっては救急車や消防車などの緊急車両をブロックするように停まってしまう事例も散見する。

昨年夏にはゼネラルモーターズ(GM)の子会社クルーズのロボタクシーがサンフランシスコで人身事故を起こし、州の陸運局から運行許可の取り消しにあっている。

ロボタクシーに対する反発もあってか先月、サンフランシスコ市内のチャイナタウンでウェイモ車両1台が人々によって破壊され炎上という事件も起きていた。

ロボタクシーは全焼し残骸だけが残った。襲撃された様子はSNSで拡散。ウェイモによると幸いにも車内に乗客はおらず、けが人などは出なかった。

 その一方、米国運輸省道路交通安全局(National Highway Traffic Safety Administration)によると、国内の交通事故による死亡者数は2023年、推計で約4万人になるという。

そのうちの多くがスピードの出しすぎやアルコール等による飲酒運転による人為的なもの。ロボタクシーが増えることで飲酒運転による事故の減少が期待でき、多くの命を助けることにもなる。高齢ドライバーによる交通事故も防止できることにもつながるのだ。

 ロサンゼルス・ダウンタウンにあるビルトモアホテルやリトルトーキョーにあるミヤコホテルに宿泊する日本人観光客も今年中にもロボタクシーを使ってサンタモニカ・ピアやビバリーヒルズのロデオドライブ、ハリウッドのチャイニーズシアターなどの観光地めぐりができるようになりそうだ。

流通視察でロサンゼルスに来るビジネスマンも無人タクシーでショッピングセンターや店舗も気軽に行くこともできるのだ。

トップ動画:ウェイモのロボタクシーが"おばあちゃん"仕様だったらの「もしも」動画。キャンディやチョコレートミルクが振る舞われているが、日本なら飴ちゃんにみかんだろう。

⇒こんにちは!アメリカン流通コンサルタントの後藤文俊です。円安により日本からの観光客は少なくなっているようです。それでもロサンゼルス市内観光をすれば一度は目撃されるのがウェイモのロボタクシー。特にサンタモニカ~ビバリーヒルズ~ハリウッド(チャイニーズシアター)を進んでいれば、レーザー光を使って距離を測定するライダー(LiDAR)を車のトップに装着している自動車に気づくはずです。対向車なら、よく見ると運転席に人がいないので"ギョッ"とします。年配者であっても「ロサンゼルスではすでに無人タクシーが走行しているのか!」で感動することになります(土産話にも)。後藤もロサンゼルス市内を車で走っていた際、何度かロボタクシーを目撃しました。運転席に人がいない車が道路を普通に走っているのは異様な光景です。事故とか大丈夫なのか?という気がしますが実際、フェニックス市内でロボタクシーが電柱に衝突したということが先日、報じられました。今まで負傷者や死者が出るような目立った事故を起こしていないのでこのままいけば徐々に拡大していくのでしょう。

 ロサンゼルスで行う流通研修では、カリキュラムとしてロボタクシーに乗車して店舗間を移動することも考えています。忘れられない最高の体験になりますし、様々なことを考える大きなきっかけになります。

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